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上場会見:アースインフィニティ<7692>の濵田社長、直販で電気を安く

16日、アースインフィニティがジャスダックスタンダートに新規上場した。初値は付かず、公開価格である1970円の約2.3倍となる4535円の買い気配で引けた。同社は電力やガスの小売事業などを手掛ける。50キロワット未満の低圧電源の需要家のうち、一般家庭に比べて使用電力量が多く利益幅が大きい小規模店舗や飲食店など「中間層」に対面営業で販売する。濵田幸一社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

関東や中部地方の都市ガス普及率から、全国展開とともにガス事業の伸び率が大きくなるのではないかと話す濵田社長

関西よりも高い関東や中部地方の都市ガス普及率から、全国展開とともにガス事業の伸び率が大きくなるのではないかと話す濵田社長

■仕入れの工夫でリスクヘッジ
―顧客の電気料金はどのぐらい安くなるのか
一氏亮佑取締役:イメージとしては3~5%ほど下がるケースが多い。

―顧客は料金で選ぶが競争力の源泉は
濵田社長:同じターゲット設定をしている競合他社よりも、さらに1~2%安くなる電気料金を設定している。

―なぜ安くできるのか
発電所との相対契約と大手電力卸、JEPX(日本卸電力取引所)で仕入れている。例えば、JEPXの仕入れ価格が高い時には、相対契約でリスクヘッジしている。2年ほど前、赤字になった新電力会社がニュースになったが、当社は大手電力会社と契約し、高騰した際にリスクヘッジが可能だ。他社とも差別化できる。

―大手電力会社と相対取引ができる新電力会社は限られているのか
おそらく一般の新電力会社では、1年契約の縛りなど、一定期間仕入れなければならない契約形態になっている。一方、当社は非常に効率の良い仕入れ方ができる契約を結んでいる。価格面でも十分対応できる。

一氏取締役:販管費を抑えられていることが大きい。我々は電話営業をしておらず、基本的には代理店を介さずほぼ直販で営業している。他社は代理店や電話営業を使い、代理店報酬やアポインターを雇う人件費などが発生する。

―効率の良い契約ができる理由は
濵田社長:各電力会社は別会社であり、例えば、東京電力が関西電力のエリアに進出する場合、新電力会社に電気を卸すことで関西エリアでのシェアを高めることができる。関西に強い当社と相対契約をする理由はある。

■支店よりも営業所
―競争状況を含めて新電力市場の現状認識は
当社は、2016年の全面自由化後初の(新電力小売事業者の)IPOだが、特別高圧や高圧、低圧と顧客ターゲットを絞る会社が市場に散在している。

一氏取締役:年間販売電力量は約8361億キロワット/時で、販売金額は約14兆3000億円だ。契約口数は8819万件で、そのうち低圧が8734万件ある。この低圧の中間層が我々のターゲットになる。

―現状の新電力のシェアは
8734万件のうちの販売金額を基準にすると17.9%、電力量では16.7%となっている。一般家庭も含まれるため(中間層に絞ると)もう少し狭まる。

―中間層についての競合は
濵田社長:何社かあるが、対面営業をしている会社は非常に少ない。

―他社は電話営業が多いのか
(需要家は)電話がよくかかってくるという認識を持っている。

―顧客層は関西がメインか全国か
IPOを機に全国展開していきたい。今は関西を中心に、また全国の官公庁に供給している。これからは対面営業の拠点として、東京や中部の都市に営業所を広げたい。

―営業所の設置はどのぐらいの期間で実行するのか
2021年7月期の予算に入っていないが,来年中には東京営業所を展開したい。大阪の本社で管理が可能で支店展開の必要がない。営業所の開設で足りる点でリスクは低い。

―競合他社は支店が必要なのか
支店を出している上場企業は多い。

―営業所を置く地域から人員を採用するのか
初めは大阪の社員を派遣して育てることになるが、その地域から募集したい。営業ノウハウを身に付けるには1~2年かかるイメージがあるが、当社では入社3日後には外に出て回れるようになり、分かりやすく納得して営業活動ができる。

■10時出社・10時半帰宅
―直接対面営業の強みについてもう少し詳しく
対面営業は厳しいイメージがあるが、我々の取り扱っているエネルギー事業では、解約手数料を取らずにゼロ円で顧客に提案して、切り替えることで、顧客の電気料金やガス料金を削減できる。物を売るのではなく説明するイメージを持ってもらえると分かりやすい。

電話営業では中間層をターゲットにすることはできない。例えばテレビCMで販売している会社は一般家庭に注力していると思うが、中間層を対面営業で訪問できることは、逆に効率が良い。

―営業社員の定着については
夏場や冬場は退職するケースがあるが、勤務期間が3ヵ月を超えると定着する。当社は目標を自分で設定する営業スタンスを取っている。例えば、新入社員であれば、契約を1日3本獲得できれば帰っていい。10時始業で10時半に帰宅した社員もいる。たくさん稼ぎたいと目標を多く定めることも、早く帰って時間を有意義に使うことも自分で設定できる。面白い働き方ができると考えている。

―ストック型ビジネスであるエネルギー事業での解約率は
一氏取締役:公表している上場企業もあるが、計算の仕方で数が違うため公表していない。他社への乗り換えや廃業もあり、現状では新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあったと思う。公表することはあり得るが、現状では控えている。

濵田社長:1年ごとに変わる入札案件を算入することで解約率が急上昇してしまう。新電力各社では、その数字を入れたり入れなかったりする。

―官公庁以外の「中間層」での解約率は
一氏取締役:さまざまなところが、それなりに競合する形で出てくるが、具体的な数字の開示は控えている。

―2021年7月期の計画は
実績値を用いて解約数を割り出している。解約や廃業、契約者変更、入札の期間満了を加味して計画している。

濵田社長:コロナ禍の影響で倒産し、あるいは店を閉めた顧客が存在したのは確かだが、その分を踏まえても契約件数は増えており、営業人員を増やすことで対応できる。

―中長期的な売上高や利益の目標は
一氏取締役:2023年7月期に売上高60億円、営業利益10億円超えを目指す。

濵田社長:(市場の)成長性は大きいと言われており、営業所の開設が早まれば展開が変わってくると見込んでいる。

―配当政策は
一氏取締役:2021年7月期は1株あたり43円を予定しており、利益の30%を還元していきたい。

アースインフィニティ<7692>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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