CAPITAL EYE

株式・債券の発行市場にフォーカスしたニュースサイトです。

上場会見:日通システム<4013>の加村社長、開発経験26年の勝率は8割

13日、日通システムが東証マザーズに新規上場した。公開価格の3000円を83.3%上回る5500円の初値を付け、4925円で引けた。同社は就業・人事・給与マネジメントシステム「勤次郎」シリーズや、健康管理などを行うソフトウエア「ヘルス×ライフ」などを開発し、クラウドやオンプレミスで販売する。加村稔社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

労務・健康管理に対する深い理解を基にした企画・設計で、解約率は低いと説明する加村社長

労務・健康管理に対する深い理解を基にした企画・設計で、解約率は低いと説明する加村社長

―初値が公開価格を上回った
非常に過分な評価をしてもらった。今後は、売り上げや利益が高まる3~5年の時間軸で、配当や株式分割などの株主還元策によって株主の期待にできるだけ沿いたい。

―上場の目的は
成長事業を抱えており、積極的な設備投資や優秀な人材確保を実現したい。働き方改革と健康ソリューションの導入には、当社への顧客の信頼や認知度が重要になる。信頼と認知度が高まるという思いで、コロナ禍ではあるが上場に踏み切った。

―ベトナムの現地法人の役割は
西垣延夫専務:2014年に設立し、当社の開発製品のプログラム製造を100%請け負っている。企画や設計など主要部分を日本側で行い、プログラムの製造過程はベトナム側に依頼している。ベトナムは大変優秀な学生を輩出しており生産性が高い。分業と協業でグループ一体となって開発している。

―競合と、それらに対する具体的な強みは
加村社長:オービックビジネスコンサルタント<4733>とピー・シー・エー<9629>だ。最近は簡単な勤怠管理と出退勤管理で上場する会社があるが、当社は中堅から大企業に通用する商品を提供する。

労務・就業管理は、労使間の約束事や仕事のやり方が業種・企業規模で変わり、統一化していない。26年のパッケージ開発経験が生きていて解約率が非常に低い。中堅以上の企業を顧客層とすると、バッティングしても勝ちパターンが多い。我々のデータでは約8割の勝率になっている。

加村光造常務:通常、勤怠管理は出退勤や残業申請・承認のワークフローというイメージがあるが、それだけにとどまらない。スケジュール管理や、勤務形態によっては24時間勤務やフレックスなど業種により複雑な就業管理の仕方がある。

それらを標準製品としてパッケージ化し、カスタマイズせずに納品が可能だ。他社は出退勤という基本機能に特化しているメーカ―が多く、顧客ニーズを全て叶えようとするとカスタマイズが必要になる。

―勝率8割とは相見積もりを取った場合の勝率を指すのか
最後の二社択一になった場合の勝率だ。

―オンプレミスからクラウドへの移行で、リカーリングレベニュー比率をどこまで高めるのか
西垣専務:現在49%で、当初50%を目指そうとしてきた。これからは100%と言いたいが、オンプレのニーズもあり、顧客ニーズに応じてどこまで引き上げるかということになる。両方の需要に応えるスタンスを取る。既存のオンプレの顧客には、ニーズに応じてクラウドに切り替えるアプローチをする。まだ90~100%という設定にはしていないが、明らかにする時期が来れば公表する。

―新規顧客の開拓余地は
加村常務:主に従業員数300人以上の企業をターゲットにしてきたが、クラウド化が進み、100人以上の規模の企業を顧客としている。経済産業省のデータによると全国に160万ほどの企業があり、そのうち従業員数100人以上の企業は5万社あると見積もっている。5万社のうち5000社ほどしか獲得できておらず、残り4万5000社の開拓余地がある。

―ヘルスケア分野を拡大する場合、オンライン診療や健保関係のシステムを手掛ける会社と競合する可能性があるが、一気通貫で押さえるメリットは何か
最大の強みは、主力製品である「勤次郎Enterprise」のうち、特に就業の領域だ。就業を切り口にHRMやERPの分野を土台として作りながら、顧客に対して健康経営を訴求する。就業と健康データを組み合わせて顧客に役立てることが理想的だろう。

例えば、健康診断データを参照しながら従業員に健康面で悪い兆候が表れたら、残業時間が多いとか有休が取れていないといった部分を総合的に分析してもらう。最悪の状況に陥らないように予知・予防に生かすことがソリューションのコンセプトだ。

―他社のシステムと連携できるものになっているのか
就業は給与計算の一部であるため、外部の給与や人事、ヘルスケアのシステムと連携する仕組みを充実させている。他社と連携することで、パートナーが保有する製品とセット販売しやすい戦略を採っている。当社の製品をまとめて使ってもらうことが望ましいが、他社製品としっかり連携し、顧客が利用しやすい形にしている。

―オンライン診療システムではどのようなことをしたいのか
当社はBtoBのビジネスを展開しており、「ヘルス×ライフ」という製品で、従業員の健康を管理できるシステムの提供でスタートした。そこを起点に、従業員が会社で健康診断を受けたデータを自身のプライベートなデータとして扱い、自身の健康管理に活用する仕組みができている。

また、BtoBtoE(Employee)のサービスとして産業医やメンタル不調者、保健師・臨床医とのリモート面談サービスを提供している。将来的には、病院での診察の際に遠隔診断を使い、会社で受けた健康診断データを活用しながら、日々の健康管理の情報と診療を結び付けたい。

―コロナ禍での増収増益策は
4~6月は営業としては難しい時期だった。顧客と会えないことと、リモートでの面談も立ち上がりが遅かった。営業活動には少し支障があった。しかし、7月以降はリモート面談ができる体制ができたうえ顧客の理解も進み、1日当たりの面談回数が増えた。結果的に新規案件が増えて受注実績につながっている。

―新製品開発の具体的なスケジュールと増収効果は
加村社長:次世代「勤次郎」は大幅なコストダウンにつながるもので、UI/UXに考慮した製品にして感覚的に使えるようにしていく。リリース時期は来年の下期あたりに収益効果が出るようにしたい。具体的な数字は検討の余地があるので控えたい。

―次世代「勤次郎」の開発・運用に当たりLinuxを利用するメリットはコストのみか
加村常務:Linuxを採用することで開発プラットフォームがJAVAとなり、JAVA(言語)で製品開発ができる。これにより1つの設備で複数の顧客を管理できるマルチテナント型のシステムを構築できる。例えば、メンテナンスを一度行うことで複数の企業(のシステム)に向けて効果が波及するなどメンテナンス性が大きく改善すると見込む。コストだけでなく保守の面でもメリットがある。

―配当性向目標である20~30%をさらに引き上げるのか
加村社長:配当性向20~30%を目指していくと常々話している。業績向上とともに実行したい。

―もう少し上を目指すのか
株主還元ということで当然考えていきたい。ここで具体的に回答することはできない。

日通システム<4013>の情報はこちらでご覧いただけます。
[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


CAPITAL EYE © 2016
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社キャピタル・アイは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社キャピタル・アイ及び情報提供者に帰属します。本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。