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上場会見:アクシス<4012>の小倉代表、“業務性”の高いシステムに強み

30日、アクシス<4012>が東証マザーズに新規上場した。初値は付かず、公開価格である1070円の2.3倍となる2461円の買い気配で引けた。同社は金融分野を中核とするシステムインテグレーション(SI)を主力とする。また車両の位置情報や走行距離などを常時把握する運行管理のクラウドサービス(CS)事業も手掛ける。小倉博文代表取締役が東京証券取引所で上場会見を行った。

金融領域の専門性と事業環境の変化に対応する柔軟性、複数の大手顧客との取引を継続する安定性が特長と話す小倉代表

金融領域の専門性と事業環境の変化に対応する柔軟性、複数の大手顧客との取引を継続する安定性が特長と話す小倉代表

―初値が付かなかった。
投資家の期待が非常に高いと感じている。役員一同身を引き締め、企業価値向上に向けて一丸となって頑張っていきたい。

―取り引きの面で上場のメリットをどう捉えているのか
上場することで顧客からの与信判断が向上すると考えている。今までできなかった顧客との直接取引を拡充したい。

―直接取引のターゲットとなる具体的な業種はあるか
金融、銀行の保守工程を中心に商談できるとありがたい。今後のDX(デジタルトランスフォーメーション)の伸びという側面で見た場合、エンタープライズ製品の需要が増える。このことから金融以外の一般産業で、ERPの導入などでも業種を問わず商談できると見ている。

―競合と比較した場合、システム開発での技術的な強みは
先端的な技術はあまりない。収益や費用削減など利益を顧客が得るためのシステムを提供することが重要であり、その“業務性”を認知した上でのシステム提供が当社の強みだ。

得意とするのは、勘定系や基幹系に比べ、デリバティブなど多種多様な金融商品で、それらのリスク管理なども含めた “業務性” の高い分野だ。当社が当該業務を知ったうえで、確実で安定的に動き、安価で効率的に目的を達成できるものを提供する。

―SI事業の売り上げの3割を占める運用保守業務はどのように受注しているのか
小さいシステムはあまり手掛けていない。大手の都市銀行がエンドユーザーのケースが多い。大手SIerが100億円単位のシステム構築を受注し当社も手伝う。運用保守について顧客はなるべくコストを下げたい。その場合、当社が直接受託したり、大手SIerの下で運用保守を継続することが多い。

―直接受注の案件は運用保守まですることが多いのか
市場系のシステムは100億円単位の案件が多く、当社が直接受注することはできない。大手SIerが入る時に運用保守だけを直接契約することが一定の割合で発生する。

―最近の地方銀行再編の動きはSI事業にどのような影響があり得るか
銀行が減るという意味では当社のマーケットは減ることになる。足元では多くは都市銀行向けのシステムを扱い、地銀をエンドユーザーとしたものも取り扱っているが、合併していく状況にある顧客とはあまり関連性がないので大きな影響はない。

一方で金融自体が多様化している。従来の銀行から貸金業に移行し、ファイナンスに変わってきている。例えばトランザクショナル・レンディングなどは金融の新しい仕組みで、このようなものが増えていく。当社の考える金融というフィールド自体は銀行だけでなく産業横断的に広がっていき、単に狭くなるとは思っていない。

―フィンテックやキャッシュレスといった成長領域に注力するとのことだが、近時のキャッシュレス決済での不正出金問題を、技術的な側面からどう認識しているか
不正出金問題はソフトウェアの不具合というよりも、人的側面に問題が存在した部分がある。今後は我々の業界も、セキュリティでどんなことが起こるか分からないという点に着目して同じようなことを繰り返さないような万全の体制を築くことが重要ではないか。

―SI事業とCS(クラウドサービス)事業の売上高の理想的な割合は
今のところ7対3ぐらいと見ている。

―CS事業の車両運行管理領域は競合が多いようだが、「KITARO(キタロー)」の優位性は
UI/UXの面から顧客に使いやすいシステムを提供している。初期導入コストがゼロの完全なサブスクリプションモデルを採用し、月額利用金額も業界最低水準に近い。

―物流企業での利用が多いのか
KITAROサービスの利用者は運送関係のみならず、社用車などを使う一般の会社でも増えている。業態に応じた利便性を感じられる機能を提供しており、特定業種にターゲットを絞っていない。

―正社員採用の方向性は
新卒・中途採用と一定の離職者も合わせて、2020年12月期は30人程度の純増となった。来期以降は40~50人程度の増員を目指していきたい。

―ビジネスパートナーを増やすとは
ビジネスパートナーとは当社の業務を手伝ってもらえる会社という意味で、現在のところ業務の35%程度を委託している。既上場の同業他社は50%以上を委託することが通常であり、この部分を伸ばす。パートナーを増やすことで収益が向上し、利益も上がっていく。相手は同業同規模かそれ以下の会社が中心になると想定する。

―今後の支店展開について
2つの側面がある。沖縄は完全なニアショア拠点だ。ほかの拠点はローカルのIT事業の状況を踏まえて進めている。東から沖縄まで一通りの拠点を置いたので、これらを核として補完する形で、周辺に事業所などを拡大することを考えている。例えば、福岡支店で熊本の需要を取り込もうとする場合には、熊本に支店を作るよりも事業所などを活用していく。今、具体的な計画があるわけではない。

―オフショア開発はしないのか
シンガポールに子会社があり、現地の仕事に取り組み、日本の仕事はしていない。オフショアのスキームは今のところ採用していない。

―事業会社やベンチャーキャピタルが株主になっていない理由は
当社の独自性やプレゼンスを守っていくうえで外部資本に期待してこなかった。昨年末に解散した京セラの創業者である稲盛和夫氏が塾長を務めた盛和塾で教えを受けていたため、経営をするうえでまず自社でしっかりしていくという発想があり外部資本が入っていない。

―今後の株主構成は
事業の安定化のために現在の資本政策を採っている。今後は事業展開に応じどのように進めるか検討する。早く市場を変更し企業価値を高めていきたいので、それに応じて進める可能性がある。

―事業が安定した段階で小倉代表が持ち株を売り出す可能性はあるのか
私の持ち株を売り出すというよりも全体的な資本構成の見直しや市場変更に伴う形式基準があるため、結果的に持ち株比率は下がっていくだろう。

―SDGsへの取り組みは
公の立場となる以上、理念に則ってさまざまなことをしていく必要があるとの認識で社内で方針を共有している。具体的にはエコ活動に取り組んでいる。また、この5年ほど子どものスポーツ活動の場や青少年養護施設に寄付を行っている。

―株主還元の方向性は
事業が安定した段階で、数年後に配当の検討を進めたい。

アクシス<4012>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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