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上場会見:ヘッドウォータース<4011>の篠田代表、先端事例を次々と

29日、ヘッドウォータース<4011>が東証マザーズに新規上場した。初値は付かず、公開価格である2400円の2.3倍となる5520円の買い気配で引けた。同社はAIの導入のコンサルティングから運用保守まで一気通貫で手掛ける。ソフトバンクグループの人型ロボット「Pepper」アプリの開発を皮切りにAI領域に参入した。篠田庸介代表取締役が東京証券取引所で上場会見を行った。

シリコンバレー水準のビジネスを創出するという目標の進捗を問われると、篠田代表は、到達点を富士山の頂上とすれば、まだ海老名のパーキングエリアにいるような状況にあると表現した。

シリコンバレー水準のビジネスを創出するという目標の進捗を問われると、篠田代表は、到達点を富士山の頂上とすれば、まだ海老名のパーキングエリアにいるような状況にあると表現した。

―上場の目的は
直近は業績が良く、黒字でキャッシュもあるため、今でなくても良いのではという意見もあった。今ちょうどAI市場が一気に拡大期に入っていると予想している。我々のポジショニングを考えた時に、上場会社のブランディングは他社との提携で強い。

最大のものは人材採用面で、現実問題として、AIを巧みに使い市場でトップランナーである上場企業ということには説得力がある。今後、人材の数よりも質を上げていく局面で上場はプラスに働く。

―会社設立までの歩みは
この会社を設立する前にeラーニングの会社を創業者として設立した。その頃はCD-ROMにソフトウェアを焼いて販売していたが、世の中のインフラが変わり、ネットからダウンロードする形になって事業が伸びなくなってきた。その時に内部の人間と方向性がずれたため、社長を退任した。

15年前の海外を見ると、エンジニアが主体的にGoogleなどいろいろなビジネスを作っていた。マイクロソフトのビル・ゲイツ氏もエンジニア的な立場からスタートした。一方、当時の日本では、作業者のような意味合いのエンジニアが多く、この状況を変えるために当社を作った。その頃は36~37歳で、できることについて残り時間はそれほど多くないと考えたため、エンジニアの可能性を最大化して、シリコンバレーから出てきたようなビジネスを日本で生み出したかった。

前の会社の反省として、利害で人が集まると会社がうまく伸びないし、伸び過ぎた時も一致した未来を見続けられないことから、「エンジニアからビジネスパーソンへ」というキーワードに強くコミットする人のみに入社してもらうために設立した。我々が力を注ぎ込める命題は何かと考えた時にたどり着いた。

―ヘッドウォータースはAIインテグレーター的な動きをする会社と捉えて良いか
我々は早いスピードで定義や実証実験などを提供でき、大手のシステムインテグレーター(SIer)とは基本的に競合しない。最近はITのコンサルティング会社がAI導入をコンサルしているが、AIを実装できる会社は意外に少ないため、そのような会社とパートナーシップを取れる。

最近のAIの会社というと、アルゴリズムを研究するベンチャーがイメージされやすいが、それらの会社だけでは社会に実装できず、我々のような会社が絶対に必要になる。いろいろな企業と連携してAI市場を作っていくため、結果としてAIインテグレーション的なポジションも取れる。また、ほかのAIのプレーヤーと補完し合いながら、我々しかできない立ち位置で普及を推進する。

―代表自身もエンジニアなのか
大学が理系で、プログラムは勉強していたがエンジニアとしてのキャリアはなかった。ただ、20歳代後半からIT関連のエンジニアリングに取り組み、自社の営業用システムやデータベースを独学で構築した。

―中期的に特定の市場を面で攻めるとのことだが、AIとDX(デジタルトランスフォーメーション)の売上高の割合はどうなるのか
2~3年の範囲では五分五分になると見ている。DXをしないとAIを導入できない会社が非常に多いため、DXが著しく減るとは考えにくい。長期的には得意分野である特殊な技術や先端的な事例を使ってビジネスを伸ばしていくため、AIの比率は上がってくる。最終的にはストックの部分を高めなければいけない。ストックの分野はAIを含めたソリューションであることから、全体の3分の2程度がAIに関することで埋まることが望ましい。

―長期的にはAI事業ではフローとストックを半分ぐらいずつにしたいのか
そうなる。

―半分ぐらいずつにする根拠はあるのか
まだ細かい話はない。KPI的なものというよりは、最終的に理想としたい会社の中のキーワードのようなものだ。細かい会計的なものは正式に決まれば適時開示したい。

―AIインテグレーションとDXの粗利率の違いの要因は
AI分野では競合が存在せず、当社が先行事例を持っている。ノウハウや過去に使った機能を再利用しやすく利益率が高い。DXは分解していくと他社でもできるものがあるため、価格競争となり利益率が比較的落ちる。ただ、DXでも我々の場合はAI導入を前提としたDXであり差別化できていることから、多少高い利益率で受注できている。

―従業員が減っていた理由は
15年の社歴があり、受託開発で売り上げを積み上げてきた時代があった。2014年からAIやロボット関連にシフトしてからは事業を絞ってきた。そのなかで過去の受託開発と今のAI事業では、中心になる人員が変わってくる。また、上場を目指すことは結果的に非常に良いことが多いが、途中で窮屈になることもあり、退職もあって人数が減った。現状は一巡して、事業内容とそれを推進するための会社のカルチャーに合致する人員が残って退職者が止まり、純粋に増員する方向に展開している。

―今後の採用方針は
新卒と中途を合わせて採るが、多く採用しても我々のカルチャーに合わないと規模だけの拡大になってしまう。先進的な事例を仲間たちと工夫しながら作っていくことに価値があるため、当面は年間10%程度の純増を検討している。内訳は全員エンジニアだ。営業は部隊を作って売るというよりも、そのマーケットに強いパートナーと共同でサービスを提供するライセンス営業を想定する。

―SIerでは人数に合わせて売り上げが成長するが、同様になるのか
DXは比較的そのような要素がある。AIは他社ができない先端事例を再利用できるため利益率が高い。売上総利益率は平均60%前後で、7割程度のものもある。ライセンス提供で収益化するケースもあり、AIに関しては人数と単純に連動しているものではない。

―社内でAI人材を育成する体制が整っているが、育成ノウハウの外販はあり得るか
当社のAIソリューション事業自体が伸びていくなかで、需要を充足させるエンジニアを育てることでいっぱいなので、すぐには考えていない。ただ、我々が事業を拡大させ影響力が広がっていく過程で、社外でニーズがあればその方針を採る可能性はある。現状で計画はない。

―今後の売り上げと利益の成長率は
保守的にしかリリースしていないが、10%程度伸びていけば良い。そこにKPIを置くよりは、実用的で顧客にとって費用対効果のある先端事例を次々と生み出すことにコミットする。投資家の期待もあるため、売り上げと利益ともに10%以上の純増を実現する。この1~2年で他社が真似できない先端事例を作り続けることが最大のテーマになる。

―株主のベクトルやチェンジ、IBJ、BCホールディングス、AMBITION、ROBOT PAYMENTとは事業上の関係があるのか。あるいは純投資か
両方ある。ベクトルは純投資で、チェンジとは補完関係にある。チェンジとはクライアントに対するサービスラインが似ているが、同社はコンサルティングを中心にし、我々は実装をメインにする。例えば、チェンジが大規模顧客にコンサル中心のサービスを提供し、我々がそこにシステムを実装していく組み方ができている。飲食系のコンサルを営むBCホールディングスとも事業連携をしており、今後も付き合いが続いていく。そのほかは純投資だ。

―配当政策は
現時点で具体的に考えていないが、積極的にしたい。成長に対する投資と配当のバランスがあるため適時考えていく。

ヘッドウォータース<4011>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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