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上場会見:rakumo<4060>の御手洗社長、連携機能で手軽に

28日、rakumo(ラクモ)<4060>が東証マザーズに新規上場した。初値は付かず、公開価格である1250円の2.3倍となる2875円の買い気配で引けた。同社は企業向けクラウド型グループウェア製品「rakumo」を開発・販売する。Googleの「G‐suite」とsalesforce.comの「Sales Cloud」という2種類のプラットフォームに機能を追加するアドオンツールをSaaSで提供する。御手洗大祐社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

各種サービスの連携で無駄な入力作業を省き、使い勝手の良いサービスを開発すると話す御手洗社長

各種サービスの連携で無駄な入力作業を省き、使い勝手の良いサービスを開発すると話す御手洗社長

―初値が付かなかった
非常に大きい期待を寄せてもらっている。今回の上場を大事に捉えておりこれを機に社会の期待に応えていけるようなサービスを提供したい。身の引き締まる思いだ。

―日本技芸から社名を変えているが、この16年間の感慨は
旧社名である日本技芸の頃は受託コンサルティングを中心に手掛けていた。2010年のリーマンショックを機にrakumoというサービスに転換して始めた。そこからサービスが伸びていくとともに、顧客に愛される名前を付けたほうが分かりやすいということから社名を変えた。紆余曲折はあったが、rakumo事業が成長してこのような形で上場の機会を迎えられたことはとても素晴らしいと思っている。より多くの顧客の期待に応えなければいけない。

―サービスの競争優位性は
プラットフォームとの連携を強力に持ったサービスであることが、他社のサービスと違う。業務別に見るといろいろなクラウドサービスのプレーヤーがいるが、プラットフォームと連携して使い勝手を追求するサービスを提供する会社はそれほどない。

SaaSのサービスで、オープンにいろいろな形で連携するほうが利便性が上がるのか、自社でラインナップを揃えて使い勝手を担保するかは議論が分かれるところだが、当社はエンドユーザーが使う際のユーザーインターフェースや体験を重視する。

任せられる会社とはともに開発を進めるが、最初から最後までのデザイン・コントロールを考えると、コアのラインナップを作っていくことが大事だと考えている。その意味ではラインナップを自社で揃えていることが特長といえる。

―競争が激しくなっても差別化できるプロダクト自体の強みは
連携機能が大きな特長になっている。顧客の手間をより少なくし、手軽に使ってもらえる。また、今後の機能改善でより高いレベルのものを作っていきたい。研究開発的なものだがAIの活用などがある。特にGoogleはAIの分野でかなり進んでいるため、そのようなサービスの活用も考えていきたい。

―Googleのプレミアムパートナーであることについて、経営陣に日本オラクルの在籍していたメンバーがいることは、技術的優位性に関係があるのか
必ずしもオラクルにいたからというわけではない。もともと当社のメンバーの多数はエンタープライズ・ソフトウェアの業界にいたこともあり、マーケットを熟知している。彼らは日本のなかでも新しいソフトウェアビジネスに向き合っており、海外のサービスとの連携やパートナーシップに強みがある。

―今後の導入社数の見通しは
より多くの顧客に知ってもらいたいというのが上場の主な目的だ。さらに、上場した会社として信用して取り引きしてもらいたいということもあり、現状のペースでの増加を続けていきたい。もちろん、ここからもう少し頑張って伸ばしていくことにも取り組みたい。

―現状はG-Suite向けのサービスの顧客が多いのか
社数でもユーザー数でも、比率としてはサービスの提供数に応じた割合になっている。

―今後の利益成長は
具体的なことは言いづらいが、公開した業績のグラフをなぞったところに成長曲線の先があると思っている。

―増収ペースを維持するのか
今のペースより少し上げていくことを考えている。

―売上高は、年間2~3割の成長を目指すのか。
そうしていきたい。

―海外展開と新規プロダクトについて
具体的な新規プロダクトの計画はまだなく、業務からつながっていくものを考えていきたい。例えば、人事領域のHRテックや、あるいはまだ十分にサービスを提供し切れていないsalesforceのプラットフォームのサービスがあり得る。また、クラウドサービスで預かる顧客のデータを分析するサービスを検討したい。顧客にさらに便利に仕事を進めてもらいたい。

海外は、本格的に何か取り組みを始めている状況ではない。まずは顧客の声が聞こえてきているベトナム支社から少しずつ始めたい。

―例えば、クラウドサインなどをワークフローに組み込むといった展開もあり得るのか
さらに幅広くできる部分もあると考えている。特にコロナ禍で業務の形がかなり変わってきており、今までは対面で済んでいたものを、ITをどう使っていくか試行錯誤が広がっている状態なので、そのようなところに役立つツールを提供したい。

―海外の競合についての認識は
実際にアドオンのビジネスでかなり成長している会社はある。当社のような業務領域に展開している会社はまだ見たことがなく、(展開の)可能性はある。

―先行者メリットを享受する形で展開できるのか
国によって業務の仕方が違ったり、プロダクトが海外にフィットするのかという面はあるため、今後の事業の進め方による。

―プラットフォーム側がアドオンツールを開発する動きはあり得るのか。
良い機能やサービスを、プラットフォーム側がアップデートのなかで吸収するリスクは常にある。そのような情報を知り、あるいは傾向を見てそのリスクを回避しなければならない。高いパートナーシップレベルで付き合うことで、なるべく早く先方の状況や方向性を聞きながら、彼らがやれない、あるいは伸ばすつもりのない別の領域に投資することが大事だ。

西村雄也CFO:Googleやsalesforceが相手にしているのは世界。我々は今のところは日本を向いているため、Googleが手掛けるといったことはあまりないと見ている。

―上場で調達した資金の使途は
御手洗社長:サービスを提供する会社であり、サービス開発を進める人材採用などに活用したい。クラウド上でサービスを提供しているため、そういったところ(サーバー費用など)にも投資したい。

―株主のHENNGEやTSV1号投資事業有限責任組合との関係は
両者とは基本的にパートナーシップを継続したい。実際に、HENNGEとは相互にサービスの販売を紹介する関係にある。

―ベンチャーキャピタル(VC)との今後の関係については
現在の株主構成は、VCが多い状況で、純粋なVCからコーポレートVCまでいる。今後VCがどのようになっていくかについて我々の意見も方針もないが、新しく株主になる人も含めて、流動性を確保していくことが重要だ。

―配当政策は
今後の状況に応じて、できるだけ期待に応えていきたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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