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上場会見:I-ne<4933>の大西社長、ネットとリアルでブランド確立

25日、I-ne<4933>が東証マザーズに新規上場した。初値は公開価格である2890円を12.46%上回る3250円を付け、3950円で引けた。同社はヘアケアブランド「ボタニスト」や美容家電ブランド「サロニア」、化粧品などを手掛けるファブレスメーカー。AIなどを使いオンラインでトレンドを掴み、ヒット精度を高めて実店舗網に製品を投入する。大西洋平社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

D2CプラットフォームやIPTOSの活用で、スピーディーな商品開発が可能と話す大西社長

D2CプラットフォームやIPTOSの活用で、スピーディーな商品開発が可能と話す大西社長

―初値が公開価格を上回った
評価してもらえていることは純粋に嬉しい。

―上場の目的は
資金調達が大きな目的で、資金をマーケティング費用に充て、ブランドをさらに成長させていきたい。特に中国はボタニストとサロニアが主力であり、さらに伸ばしていきたいが、良いKPIが見えているのでしっかり投資していきたい。コカ・コーラとのビジネスについても話したが、飲料の市場はビューティー領域よりもはるかに大きいため、成長ポテンシャルは高い。

―起業のきっかけは
大学生だった22歳の時に起業した。ガラケーの通販が伸びている時期で、友人や知り合いが小窓から親指で物を買っていることに魅力を感じ、アパレルの通販を始めた。在庫を抱えるリスクなどが大きいため、徐々にアパレルから美容系にシフトした。ガラケーの通販で商品を売りながら店頭に営業をかけて、今のOMO(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの融合)のビジネスモデルを確立した。

―ボタニストの商品の質へのこだわりと価格設定について
1500円の価格帯でこのクオリティを出せる日本のシャンプーはほかにない最高水準の製品だ。ボタニストの中身は、もともとサロン向けの高級シャンプーしか作っていないメーカーが製造している。そのメーカーと試行錯誤しながら何とか1500円の中価格帯でサロン品質のパフォーマンスを出せないかと開発した。価格については当社のボタニストが出るまでは、数百円がドラッグストアでのメインの価格帯だった。サロンが2000~3000円の価格帯であったため、空いていた1500円の価格帯の製品をドラッグストアで展開した。

―独自のマネジメントモデル「IPTOS(イプトス)」の代表的な事例は
橋本恒平取締役:直近では、サロニアのヒートブラシが大きくヒットした。AIで「ストレートヘアアイロン」がトレンドと捉えた。その後、IPTOSに沿ってインターネット上でテスト販売した。売り上げが好調であったため、オフラインで流通させ大規模に売り上げた。

―競合が参入してくるリスクについては
大西社長:主力ブランドのボタニストとサロニアのシェアが奪われ続けることがリスクと考えている。2015年に発売したボタニストは、2017年以降、名だたる大手が類似の価格帯やコンセプト、パッケージで、数十億円をかけて投入した。しかし、結果としてボタニストのシェアは全く割れずに成長できている。

サロニアの主力プロダクトである2980円のヘアアイロンも、類似のデザインで1980円の商品が販売されたりしたが、サロニアはシェアを伸ばし続けている。リスクではあるが大きくはない。当社の基本戦略である主力ブランドのグローバルメガブランド化によって拡販することで、このリスクは低減すると見ている。

―大手メーカーが割引攻勢をかけている状況のようだが、値引きはしないのか
橋本取締役:直近のPOSの状況からは、ボタニストはむしろ伸びている。大手メーカーに値引きの兆候はあるが、現状はシェアに全く影響がない。実際の店頭売り上げにもPOSの減少はない。

大西社長:中長期でブランドを最も毀損するのは値下げだ。我々はほとんど値下げをせずにブランドを運営している。その積み重ねでブランドを確立していることが、シェアをあまり奪われていない理由の1つではないか。

佐藤洋志財務企画部長:新型コロナウイルスに関する当社全体の業績への影響だが、2020年12月期上期の前年比実績で、売上高は115%伸長している。今年の着地予想は前年比9%増の231億円と、コロナ禍の影響はそこまで大きくない。

―中長期の業績目標は
大西社長:スケジュールは言えないが、グローバルの消費財メーカーは15%の営業利益率を出すため、当社も15%を早い段階で達成したい。売上高は、グローバル、国内ともにボタニストやサロニアの成長余力があるため、いずれ1000億円を達成したい。

―新規分野でコカ・コーラ以外の大手との協業可能性とM&Aについて
現状コカ・コーラと取り組んでいるが、いろいろな会社と話はしている。今後、化粧品や健康食品、美容機器は自社でしっかりと深掘りし、最高の商品開発をできるようにしたい。

それ以外のジャンルでは、当社のD2CプラットフォームやAIを活用することで大きく成長させられる領域であれば、大手メーカーと組みたい。また、シナジーがある会社とは積極的にM&Aしていきたい。

―コカ・コーラとの飲料事業を中国や海外に急展開する可能性は
戦略について具体的に言えないが、現段階ではコカ・コーラの国内流通網でしっかり広げていきたい。

―新規分野の「家電と消費財のサブスクリプションの組み合わせ」は、機器と詰め替え商品を併売するイメージか
新商品について具体的なことは言えないが、既に発売しているサロニアの美顔器がある。これは本体と美容液をセット販売する商材だ。サブスクリプションモデルでは、消費財がリピート購入される形のものを想定している。

―大西社長は、契約で保有株式を上場後一定期間経過後に役職員に譲渡するというが、その狙いは
従業員のモチベーションにつなげていくことが最も大きい。

―配当政策は
成長過程の会社であり、利益をしっかり投資に回していきたいが、都度対応する。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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