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上場会見:トヨクモ<4058>の山本社長、ワンボタンで情報共有

24日、トヨクモ<4058>が東証マザーズに新規上場した。初値は付かず、公開価格である2000円の2.3倍となる4600円の買い気配で引けた。同社は災害発生時の「安否確認サービス」と「kintone(キントーン)連携サービス」を、法人向けにクラウドで提供する。2010年8月にサイボウズのクラウドサービス子会社として設立した。山本裕次代表取締役社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

トライアルモデルと業務の効率化で社員の給料を高くして簡単便利なサービスを作るサイクルを回し、ITの民主化を実現すると話す山本社長

トライアルモデルと業務の効率化で社員の給料を高くして、簡単で便利なサービスを作るサイクルを回し、ITの民主化を実現すると話す山本社長

―初値が付かなかった
非常に高い期待があると実感している。本音を言うと今日にでも値段が付いて、落ち付いたところから徐々に株価が上がっていくことが望ましい。プレッシャーを感じながらも期待に応えられるように頑張っていきたい。

―ユーザー数の内訳は
石井和彦取締役:6月末で安否確認サービスは1800社弱、kintone連携サービスは3500社弱。両方ともネット直販で、まずトライアルしてもらうために、顧客の利用事例などをホームページに掲載している。試してもらい、メールなどでの問い合わせに対応しながら顧客が納得すれば契約し、そのまま使ってもらう。

―kintoneはどのようなサービスか
山本社長:マウス操作だけで勤怠や売り上げ、支払いの管理など、いろいろな業務アプリを自分たちで簡単に作れる。世界で販売し、日本を中心に1万5000社以上が利用している。足元では導入企業数が年率30%で増えている。

―連携サービスはどのようなものか
kintoneだけではログインしたユーザーしか使えない。最近の事例では、新型コロナウイルス感染症への対応状況を把握するために大阪府が利用した。府の職員はkintoneを見て対応するが、患者にはアカウントを渡す必要はない。そのため当社の「フォームブリッジ」という情報を登録するサービスで、患者が自身の健康状態を申告する。そのデータがkintoneに一元化され、府の職員はその情報を確認する。患者は検査結果などの情報を「kViewer」で閲覧する。このようにサービスを組み合わせて使うこともできる。

―コロナ禍以前にビジネスではどのように使われていたのか
請求書の例が分かりやすい。データベースにある情報をエクセルに転記して顧客に提示するケースは多いが、当社のサービスを使えばワンボタンで出せる。フォームブリッジは、セミナーの開催を告知する際に参加者の情報登録などに使われている。

―競合は
直接の競合はないが、例えば、受付フォームを使おうと思うとメールで情報を送る仕組みのものが多い。集められた情報をエクセルに転記してまとめると時間が掛かり、誰がどこまで対応したのか分からなくなってミスが発生し、無駄な作業が増える。必要な情報を1つのデータベースに集めて皆が同じものを見ることで、ミスが起こらず効率も上がる。

―3月にリリースした連携サービスの「データコレクト」はどう使うのか
kintoneでは、データがいくつものアプリに分散するため、経営指標を一目で見るために各アプリを参照しなければいけないタイミングが訪れる。たくさんのアプリを見るのは時間が掛かり、ワンボタンで必要な情報を集約して経営指標を見えるようにしないとスピーディーな経営判断ができない。また、各アプリ間でデータの不整合が発生しやすいため、チェックの意味も込めて作ったサービスだ。当社でも活用して生産性を高められることが分かっている。マーケティングなどにも生かせるため、事例を作りながら説明していく。

―安否確認サービスでは、どのように契約額が決まるのか
プランが4つあり、ユーザー数とのマトリックスで、ユーザー数が多ければ単価も高くなる。

―安否確認サービスで、BCP(事業継続計画)対応のために個社ではなく会社の壁を越えた利用例はあるか
石井取締役;サプライチェーンマネジメントの供給先の管理に用いるケースが増えている。専用システムを作ると高くなるため、横展開できると見ている。

―集客のためのネット広告の出稿は安否確認サービスに力点を置くのか
山本社長:kintone連携サービスにも出稿している。サイボウズが発行している雑誌や、開催するイベントなどkintone利用者向けに積極的に出している。

―新サービスのリリースは
開発しており、来年に新サービスを1つ出したい。

―どのような市場をターゲットにするのか
業種に縛られずに、どの会社でも使いそうな日常的な業務をIT化するものを考えている。

―社員の給与を世界水準に高めて海外に出るとのことだが、展開の考え方は
2つ考えている。サイボウズのkintoneの販売が世界で伸びる場合、連携サービスの海外販売を視野に入れている。もう1つは海外向けのプロダクトを展開していく。2つめはまだ先になる。まずは日本で成長して海外にチャレンジする体力をつけてタイミングよく出ていきたい。

―海外向けプロダクトは現在の2事業とは別のものか
その通りだ。マーケティング中心の販売にこだわるスタンスは譲れない。

―新プロダクトはクラウドサービスで法人向けか
そこはずれない。

―配当政策は
キャッシュが貯まりやすい事業構造であり、現状で決めていることはないが、株主還元の1つとして配当は必要と考えている。

トヨクモ<4058>の情報はこちらでご覧いただけます。
[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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