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上場会見:グラフィコ<4930>の長谷川社長、女性の悩みをケア

24日、グラフィコ<4930>が東証ジャスダックスタンダードに新規上場した。初値は公開価格である4090円の約2.3倍の9560円を付け、8790円で引けた。同社は主に女性向けの健康食品や化粧品、医薬品などの企画や製造、販売を手掛け、酸素系漂白剤の「オキシクリーン」など8種のミリオンセラー商品を持つ。長谷川純代代表取締役社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

社名の由来について、社員も商品も鮮やかに、いきいきした商品を出したいという思いがあったと話す長谷川社長

社名の由来について、社員も商品も鮮やかに、いきいきしたものを出したいという思いがあったと話す長谷川社長

―初値が公開価格を上回った。
ありがたいことで、期待に沿えるように結果をしっかり出していきたい。

―上場の目的は何か
商品を知っている女性は増えているが、複数の商品が同じ会社のものという認識がなく社名を知られていない状態にある。25年間地道にまじめにやっているので、しっかり社名も知ってもらう。消費者は、知っている商品とそうでない商品では知っているほうを安心して購入するため、知名度を高めたい。

―5年ほど前に上場を延期していたが、上場についての率直な気持ちを
ロードショーを実施した後に、季節性のある商品の返品があって業績に影響がある可能性が生じた。gumiの件があった時で、少しでも業績に影響があると上場を延期せざるを得ない状況があった。上場直後に業績を修正すると株主に迷惑をかけてしまったり、イメージが良くないため取り下げた。その後、何がいけなかったのか、どこを強くしたら良いだろうかと徹底的に検討した。

季節性の商品から、年間を通して売れるオキシクリーンに軸を移し、返品不可で商品を卸す対応を取った。問屋に出荷した先の店舗で商品の売れ行きが見えなかったが、POSデータを購入して店頭の動きをリアルタイムで把握した。そこで動きがなければ協賛したりプロモーションをかけることが可能になったため、今回の上場に臨んだ。延期した際のトラウマが強過ぎて、まだ無条件に喜べない。責任の重さを感じている。

―前回はマザーズを選択したが今回ジャスダックに上場した理由は
マザーズは成長性に追われる側面がある。それより将来も含めてしっかり成長していくためにジャスダックスタンダードが良いのではないかと判断した。

―市場区分変更後のプライム市場への上場も視野に入れているのか
甲正彦CFO:本日がゴールではないので、いつどうこうということではないが、会社の成長にタイミングが合えばステップアップしていきたい。

―ロングセラーが多い秘訣は
長谷川社長:使用実感にこだわっている。見た目の楽しさだけでなく、店舗の大きな棚に並んだ時に、また買いたいと思う使用実感にしないとずっとは続いていかない。アンケートを取るとリピーターが多いため、使用実感が秘訣と見ている。また、企画(本部)が「もっと商品を良くしたい」と顧客の声を拾いながらどんどん変えている。

―マイナーチェンジのサイクルは
水谷直人CMO:3~4年に1回はしている。
甲CFO:石鹸は香り違い、キャンディーは味違いの商品を毎年のように追加したり限定品を作るなど、ブランドとしていろいろと枝葉を広げている。

―女性に優しい医薬品とは
長谷川社長:頑張る女性の悩みのなかに、肩こりや腰痛の問題が非常に多い。その悩みに対してどういう対応をしているかというアンケートを取ると、手当てをしていない人が多い。なぜしないのかを深堀りすると、「従来の湿布を貼るのが恥ずかしい」、「臭いが気になる」、「肌がかぶれる」、「人にばれるのがいや」という4つの理由で対応していないという実態が分かった。そこで、フローラルの香り、ハートの形、小振りな大きさにし、見られても「それなに?」と会話のきっかけになったり、暗い気持ちではなく楽しい気持ちでケアできるようになった。「鎮痛消炎ミニ温膏」は、そうしたイメージの医薬品で、このようなものを増やしていきたい。

■サプリをフルリニューアル
―オキシクリーンが売り上げの6割弱を占めるが、次に育てる分野は
ヘルスケアのカテゴリで「なかったコトに!」というサプリメントの主力商品があるが、フルリニューアルし、かつ機能性商品も出す。時間がなくて体のバランスを整えるのが厳しい忙しい女性たちが、飲むだけで野菜の成分が摂れ、手軽にバランスを整えられる商品を伸ばしていきたい。

―どのような取り組みで伸ばしていくのか
水谷CMO:「なかったコトに!」は、発売から10年が経過して販売問屋と店舗が散在してコントロールしづらくなり、かつ価格がまちまちになっている。リニューアルは、商品価値を上げていく活動も含むが、集中的に絞った販売問屋との取り組みを強化し、その小売の流通網をどんどん広げていく。「なかったコトに!」のラインナップのうち、メインの商品1~2種が店頭に並んでいる状態であるため、ラインナップの横展開をして店舗での面積を広げ、1店舗当たりの売り上げを伸ばしながら店舗数を増やしていく。また、機能性表示食品が入ってくるため、その効果を訴求しながらブランド全体を底上げする計画だ。

―それぞれの事業分野の競争力はどのようなものか
長谷川社長:この規模に対しての類似企業がないとよく言われる。分野によって違うかもしれないが日用雑貨といえば洗剤を扱う大手になるし、化粧品は非常に広い。

水谷CMO:例えば「フットメジ」という足用の石鹸は競合が存在せず、マーケットを作っている世界であり、そこから先行者メリットを生み出す。もちろん類似品は出てくるが、シェアとしてはそこまで崩れない形で市場規模を大きくしていく感じであり、ちょうど良い競合がいない。

―オキシクリーンでも同様の状況か
漂白剤市場はもともとあった。ただ、この3~4年を見ていると、酸素系漂白剤の分野が上乗せされる状況になっている。新規顧客を市場に連れてきている状態で、競合が我々をライバル視しているというよりは、我々によって市場が活性化しているイメージだ。

―現在のECの販売比率は
甲CFO:当社が直接自社サイトもしくはアマゾンや楽天の自社ショップで販売しているものは、売り上げ全体の5%強。それ以外に、問屋経由で他社ECで消費者が購入できる部分が10数%ある。全部で15%ほどを顧客はECで入手できる。当社が直接販売できているものは、小売店で販売しているものと同じ商品であることから、売上規模としてはまだ低い。

■海外はじわじわと
―海外の販売比率は
甲CFO:全体の7%ほどで、大半が国内の海外向け専門商社を通じて各国ごとに代理店を通じて展開している。ビジネス上は国内取引になっている。一部、アメリカなどに直接輸出しているケースはある。今は新型コロナウイルスや韓国の日本製品不買運動の影響で落ちていて、もともとは10%ほどだった。

―海外をどう伸ばすのか
大々的に出て大きく失敗することは避けたいので、現地のパートナーで同じようなプロモーションを手掛けてくれるところと組んでじわじわと広げていきたい。

―海外のユーザーはどのような経路で商品を知るのか
長谷川社長:特にアジアは日本でヒットした商品にとても関心が高い。売れた物への引き合いが多く、そこからスタートすることが多い。

水谷CMO:各国にはまる商品はそれぞれなので、現地でプロモーションを組んでヒットさせることは現地パートナーが熟知しているため、そこに協賛する手法などを取っている。

―越境ECについてはどう考えているか
甲CFO:中国向けビジネスは、実店舗よりもタオバオなど大きなECサイトでの越境ECで販売することが多い。直接ではなく中国向けの専門商社を通じて販売している。韓国は不買運動でかなりインパクトが出ているが、オリーブヤングなど大手チェーンの実店舗に置いてもらうことが多い。各国に合わせた専売品を用意して納めることもある。

水谷CMO:世界に対応できる成分構成で商品を作っている。場所によっては使用できない成分もあり、結果的に越境ECになることもあるため、今開発している商品は対応できるようにしている。

甲CFO:中国は規制が変わり、従前は問題がなかった商品でもNGになったものがある。そこに対応する。

―模倣品対策はどうか
長谷川社長:国内に関しては模倣品も出されるが時間が経つにつれて消えてしまい、デザインが似ている場合には注意勧告している。海外に関しては悪質な模倣品があり、ホログラムを入れるなど見分けられるような対策を検討している。

水谷CMO:中国ではどうしても模倣が起こるため、現地の然るべき企業と連携している。

―今後開発する新規カテゴリとはどのようなものか
長谷川社長:今までは商品単体で出していたが、例えば商品にアプリなどのサービスをプラスすると、もっと深い悩みをケア、サポートできることがあると考えている。商品に限らず、そのようなことも含めて展開していきたい。

―部署や人員を増やして対応するということか
そうなる。

―途上国向けの活動の現状と今後は
12年ぐらい活動している。単純なフェアトレードではなく、日本人を送って現地の村の人たちとともにシアの実からシアバターを精製し、輸出する仕組みを作っている。現地の子供たちが学校に通えたり、食事の回数が増えたりしているのが現状で、ずっと取り組んでいる。きちんと利益を出すのはもちろんだが、ほかの国に水平展開できるのではないかと見ている。バランスを取りながら広げていきたい。

―SDGsへの取り組みをIRでアピールする考えはあるのか
甲CFO:もともとIRのアピールの目的で始めたことではないため、結果的に世の中でそのようなファンドができて注目してもらえるため、ビジネスを通じてプラスαの取り組みをしていることを知ってもらいたい。実を単に買ってくるだけではなく、現地に産業を興して「スキンピース」という商品ができている。これが売れれば新たな仕入れにもつながるため、そのような形でできればいい。

―配当政策は
長谷川社長:非常に大切と思っている。時期は決まっていないが、経営を強化したタイミングで配当を考えていきたい。

グラフィコ<4930>の情報はこちらでご覧いただけます。
[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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