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上場会見:雪国まいたけ<1375>の足利社長、生産自動化を早急に

17日、雪国まいたけ<1375>が東証1部に新規上場した。初値は公開価格の2200円を4.55%下回る2100円を付け、2090円で引けた。同社はまいたけやエリンギを生産し、きのこの加工食品を製造・販売する。2015年5月に、ベインキャピタルグループによる完全子会社化で上場を廃止したが、再上場した。足利巌代表取締役社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

テストマーケティングを経て、海外にもまいたけの消費を広げたいと話す足利社長

テストマーケティングを経て、海外にもまいたけの消費を広げたいと話す足利社長

―公開価格を下回った初値についてどう思うか
真摯に受け止めたい。今後も役職員一丸となって業務に邁進して企業価値を高め、上場企業として情報開示をしっかりして投資家から信頼される企業を目指す。

―再上場したことについては
今となってはあっという間だったが、紆余曲折があった。ただ、会社が混乱しているなかでも、従業員がしっかりついてきてくれ、まいたけを作るという部分に大変な努力をしてもらっている。元々上場していた会社に勤めていたという従業員の気持ちがある。私も同様で、再上場を非常に嬉しく思っている。

―経営再生や収益改善に向けてこの5年間にベインキャピタルの下で取り組んできたことは
上場廃止後にベインとともにガバナンスの安定化や、企業風土の変革に注力してきた。ベインが入って、経験則に頼った従来の経営が実績やデータに基づいた科学的なものに変わり現在そうした経営が浸透している。やはり、まいたけに経営を集中したことが大きなポイントになったのではないか。

―食品セクターでも特に高いEBITDAマージン25%の背景は
まいたけは、ほかのきのこと比べて価格が高く、それを実現できているのは、健康需要の高まりを受けて需要そのものが伸びているため。また、まいたけ市場は当社をはじめとした大手メーカー3社でおよそ95%を占め、寡占化している。そのなかでトップシェアを占める当社が、プライシングのリーダーシップを取っていることが背景にある。

―大株主の神明ホールディングスとの今後の関係は
従来は49%の持分だったが、買い増しを受けて50.1%程度となり、当社は神明HDの連結子会社となるが、基本的に何ら変わるところはない。2017年の資本参加の際の目的は、西日本のまいたけ市場拡大であり、西日本に強力な基盤を持つ神明HDとのシナジー効果を引き続き追及する。

―神明HDとの連携による西日本への販路拡大について、上場を機にどう取り組むのか
西日本はまいたけの消費が少ない地域で、あまり馴染みがない。食文化によるところがあり、食べてもらうようにするにはいろいろなチャレンジが必要だ。健康機能性を積極的に情報発信していきたい。また、外食チェーンや中食企業に当社のまいたけを扱ってもらい手軽に食べてもらう。具体的には、例えば丸亀製麺のトッピングに「雪国まいたけてんぷら」として出してもらう。消費者とのタッチポイントにつながる有力な手段と考えている。

神明HDは小売店のみならず外食や中食など幅広いネットワークをもっているので、しっかり活用させてもらいたい。

―今後の設備投資の金額と内容は
維持更新にかかる設備投資は年間15~16億円で、今後も同様と見ている。ただ、既存工場の生産能力拡大の工事を進めている。前期から来期の3ヵ年にかけて追加的に費用が掛かってくる。それによって一定程度の能力拡大ができるが、その先に関しては、新たな能力拡大が必要となる。具体的に決定したものではないが、新しい工場の建設が必要になり、その投資額については精査中だ。

―まいたけの生産能力の拡大はどのぐらいになるのか
10%程度は拡大すると思う。

―新型コロナウイルスの影響や対策は
当社は販売の約9割がいわゆる小売店向けで、外食など業務用販路は10%に満たない。新型コロナの影響で外食が落ち込む一方、小売りが堅調であることからすると、当社にとっては追い風だった。4~5月はそのような傾向が顕著だが、6月以降はだいぶ落ち着いている。

逆に、コロナ禍の長期化で消費マインドが冷え込んでいると見ている。そこが一番の懸念点だが、消費者の健康意識の変化も確実に生まれてきている。ウイルス対策に次いで、食生活についての意識の高まりがあるため、それを捉えていく必要がある。

―成長に向けて取り組むべき課題は
一番大きいのは自動化、FA化だ。昨年まで秋冬の労働力確保に非常に苦労した。今後、生産能力を拡大していくうえでも、労働力確保は非常に困難になっていくため、FA化は早急に進めなければならない。既に工程の一部を自動化しているが、最も人手が掛かっている包装工程の自動化に取り組んでいく。

―中国進出後にいったん撤退したが、再参入の勝算は
2005年に進出し、日本で生産していないエノキダケの人工栽培を展開していた。技術そのものの参入障壁を構築できておらず、後続の参入者が多く出て価格が下がり、いったん撤退した。

まいたけ生産の技術力については非常に自信がある。また、中国では人工栽培技術が確立できていない。一方でまいたけは、健康機能性に高い関心が集まると同時に、生食も流通している。非常に大きなポテンシャルがあり、参入障壁をしっかり準備する。日中の大きな違いである販売の面で、現地の有力企業とアライアンスを組んで進めることも1つの方法だろう。

―菌類を人造肉の原料とする動きがあるが関心は
最近、きのこの菌糸や、きのこそのものを使った代替肉のようなものが開発されている。当社では、まだ研究に着手していないが、今後を見据えていくと、マーケットとして期待できる。また、日本国内でも食品メーカーが着手しているため、我々もしっかり研究して、タイミングを見ながら場合によっては参入していくこともあろうかと思う。

―配当政策は
連結配当性向30%を目標にしている。株主優待制度を実施する。半年間当社の株主である人に、3000円相当の当社商品を差し上げたい。

―個人投資家に向けてひとこと
社名が商品名で、日常的にまいたけを食べてもらうことを目指しており、個人投資家は大事な顧客でもある。これからも、商品・当社ともにファンになってもらえる株主作りに取り組んでいく。

雪国まいたけ<1375>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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