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上場会見:ティアンドエス<4055>の武川社長、先端技術を伸ばす

7日、ティアンドエス<4055>が東証マザーズに上場した。初値は付かず、公開価格の2800円の2.3倍となる6440円の買い気配で引けた。同社はテックジャパンとシナノシステムエンジニアリングが2016年に合併して設立。大手企業や半導体工場向けにシステムを提供し、売上高の8割近くを東芝と日立製作所、キオクシアの各グループが占める。また、AIプロセッサなどに関する先端技術の研究を進めている。武川義浩社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

主幹事証券にいちよしを選んだ理由について武川社長は、面倒見の良さにあったと話した。

主幹事証券にいちよしを選んだ理由について武川社長は、面倒見の良さにあったと話した。

―初値が付かなかったが、どう見るか
嬉しいが、実際の我々の評価については株価の安定を見たうえで判断していきたい。

―上場の目的は
IPOは最終目的ではなく、あくまでも手段。合併して5年、その前に(テックジャパンで)20年事業を営んできた。バブルが崩壊した時も辛いと言われたが、最も辛かったのは東日本大震災の時だった。あの時に我々の業界が止まった。半導体工場が止まったのは、過去その一度きりで、その際に、会社は継続しなければならないと思った。そのためには会社を強く大きくする必要があり、その手段としてIPOを目指した。

―ジャスダックではなくマザーズを選んだのはなぜか
我々は、先進技術カテゴリーを伸ばしたい。また、市場が今後どうなるか分からないが、市場替えにチャレンジしていきたいため、それに一番近いのがマザーズと考えた。

―システム開発や半導体工場向け事業の成長シナリオは
基盤となるソリューションカテゴリーは、売り上げや利益でかなりの割合を占めている。このカテゴリーを中心に利益率の拡大を目指す。安定した分野である半導体では、利益率よりも売り上げを伸ばしていきたい。

―目標の数値は
全社的には売り上げよりも利益を高めたい。我々の業界では、営業利益率は平均7%とされ、10%を出せば素晴らしい会社と言われる。2020年11月期第2四半期の営業利益率は約15%であり、17%程度を追っていきたい。

―重要顧客の売上高が8割を占めている背景や、他社と比較しての技術的な強みは
我々は重たいシステムを手掛けている。例えば、キオクシアグループでは、生産管理システムを25年使っている。長く担当しているため、他の業者が入るのはなかなか難しい。日立製作所や東芝のグループについても同様だ。

―長年築いてきた関係性によるのか
合併先のシナノシステムエンジニアには30年ほどの経験があり、テックジャパンも20年続けてきたため、信頼関係がある。急に変えることはできないのではないか。

―輸送や物流、医療検査機器分野を拡大したいというが、狙いは
顧客にはメーカーが多い。当然深掘りはするが、他のあらゆる産業に拡大していきたい。物流や医療機器関係は伸びていくと思う。日立製作所関連の業務で手掛けており、拡大したい。

―東北大学との産学連携で、どのようなことを実現したいのか
次世代CPUに使うメモリーであるMRAM(磁気抵抗メモリ)を搭載したAIプロセッサーの開発を通じ、何年か後の商品化を目指す。

―そのプロセッサーを使うことで、どのようなメリットがあるのか
消費電力が現在のプロセッサーの1000分の1となることが最も大きい。処理速度も速くなる。

―フィックスターズとの関係と業務上のシナジーについて
もともと私がフィックスターズの役員だった。フィックスターズの三木聡社長は当社の元社員で、彼が独立した際に支援し、会社の立ち上げに携わった。その後フィックスターズがNAND型フラッシュメモリの研究開発を手掛けた。NANDについては研究開発が進んでおり、我々と競合になることはない。いまのところ共同研究などは考えていない。

―国内外の競合と、目指す企業像は
当社は少し変わっているため、比べにくい。SIerにはいろいろな会社があって、大きいところでは富士ソフトがあり、基盤となる開発事業も研究開発も手掛けている。ただ、我々の規模で、幅広く手掛ける企業はなかなかない。デジタル・インフォメーション・テクノロジーは似ている。メモリー関係の開発では、フィックスターズはかなり似ている。同社はメモリーの開発だけでなく金融ソリューションなども手掛けていて、そのような点では似ている。独自の企業を作っていこうとしているので、目標とする会社はない。

―大株主にベンチャーキャピタル(VC)がいないのはなぜか、必要性がなかったのか
VCを入れると、株価の上下が激しくなったりする。我々は借り入れもなく、順調に会社を運営しており、資本参加の話自体はあったが必要性がなかった。

―株主還元の方針は
あまり考えていないが、私の保有比率が39%ぐらいで、今後、株をあまり放出したいと考えておらず、役員も放出するとは思っていない。ただ、流動性は持たなければいけないため、証券会社と相談しながら進めていきたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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