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上場会見:Branding Engineer<7352>の河端CEO、IT人材を”連携“で企業に

7日、Branding Engineerが東証マザーズに上場した。上場3日目の9日に、公開価格490円のおよそ6倍となる2920円を付け、14日の前場終値は2752円だった。同社はエンジニアを集める自社メディアと、IT人材支援の「Midworks」や、転職・教育サービスなどを運営する。14日に、上場や事業の今後について河端保志CEOに話を聞いた。

河端CEOによると、IT人材の集客コストと、現場のニーズに即した対応が強みになっている。

河端CEOによると、IT人材の集客コストと、現場のニーズに即した対応が強みになっている。

―上場3日目に2920円の初値が付いた。また、上場から1週間過ぎたが
多くの株主に期待してもらっていることが、市場の声として返ってきて嬉しい。しっかり粛々と進めていかなければいけない。四半期などで報告する数字を上げていかなければならないため、日々の株価にとらわれずに、仕事を全体的に見て結果を出すことに注力したい。

■事業の特徴や強み
―事業ポートフォリオ間のシナジーや強みは
2030年に79万人が不足するとされるIT人材を、自社で集客し、または「tech boost」という教育機関で創出する。中心となるMidworks事業や人材紹介でエンジニアとして働いてもらい、事業間の横の連携を取っている。

人材領域では、一般的に広告費をかけて求職中のITエンジニア(ユーザー)を獲得するが、我々はインターネット上でメディア事業を行っており、「Mayonez」や「Tap-biz」といった自社メディアで効率よく求職者を募ることができる。大手とも張り合って集客できる点に強みがある。

―自社メディアからの流入率はどのぐらいか
一般的な企業の場合、検索したキーワードに対して広告を出すが、我々の場合はメディアを閲覧するユーザーの情報を基にリターゲティング広告を表示することができる。半数近くのユーザーが何らかの形で我々のメディアを通じて接触してくる。

―獲得コストをどのぐらい抑えられるのか
かなりボラティリティがあるが、良い時には他社の半額ほどで獲得できる。

―オウンドメディア支援「SAKAKU」は何をするのか
エンジニアを募集している会社はIT関連の会社が多い。「 Branding Engineer はユーザー獲得がうまい」という話が業界に知られていることから、ユーザー獲得のコンサルティングやメディアの立ち上げを行っている。Midworks事業のクライアントは、ITエンジニアをネット上で募集・獲得するため、同時に自社メディアの運用ニーズが発生する。

―事業間連携の例はほかにもあるのか
受託開発などを手掛けるFCS事業部も同様で、例えばCTOが必要だという依頼がMidworksに寄せられたが、クライアントに開発部門を内製化するための組織がないケースでは、FCS事業部が初期段階の開発を手掛けた後に、Midworksから開発チームを割り当て、会社に帰属意識を持つ若手エンジニアを徐々に責任者として育てることもある。顧客から言われた通りの業務を提供するのではなく、提案して開発するなどいろいろなパターンがある。

―tech boostの優位性は
エンジニアになりたい人たちが高額な授業料を払ったとしてもエンジニアになれない現状を見て始めたが、我々は人材会社からはじまっているため、エンジニアを必要とするクライアントに採用の条件や基準をヒアリングしたうえでカリキュラムを組めることが強みだ。

また、通常は講師を見付けることは難しいが、我々はMidworks事業を持っているため、現役のエンジニアとの接触ポイントがあり採用が可能。現役のエンジニアが教育に当たることで質を担保している。

―フリーランス向けに福利厚生を充実させる発想はどこから来たのか
派遣エンジニアは、どこのクライアントで働いても所属している会社への帰属意識を持ちにくい。そのような意識を持ってもらい、しっかりとした人間関係を作っていくために、エンジニアが喜ぶものを作る考え方が根本にあった。

私自身エンジニア出身で同様の友人が多い。エンジニアがフリーランスになる場合、税務や確定申告などバックオフィスを心配する声があったため、バックオフィス支援のパッケージを導入したり、クラウド会計サービスのfreeeと提携した。また、大企業に勤めているエンジニアの配偶者が、保養所などを利用できなくなるのを嫌うといったケースに応じ、福利厚生サービスを補完した。

エンジニアの価値を向上させるために設立当初から考えており、エンジニアにとって不足するものをサービスとして提供したい。

■今後の事業展開
―Midworks事業が売り上げの7割を占めているが、成長のバランスは
各事業の相互関係が強いため、一つの事業が伸びると並行してほかの事業も成長し、単一の事業だけが大きくはなりにくい。事業別の売り上げ構成は数年間変わらないと見ている。

ただし、tech boostに関しては、社内での配置転換やITリテラシーの強化など企業の人材育成パッケージとしての利用が非常に増えている。また、小学生のプログラミング必修化の影響で、現場の学校の先生たちへの教育ノウハウの提供もある。このように市場が変わり需要が急増する際には、事業構成に変化が現れる可能性がある。

利益の構成はMidworks事業とメディア事業、その他で3割ずつほどだが、一つの事業に依存していないため、コロナショックの影響を大きくは受けなかった。

―「蓄積ナレッジやリソース活用によるソリューション開発」は、どのように進めるか
直近はAIやRPAが伸びているが、現場でどのようなエンジニアが求められるかは都度変わる。Midworks事業などで、市場で必要とされる人材がすぐに分かるため、迅速にプログラミングスクールのカリキュラムに反映させる。一方、これからエンジニアになりたいという人がどのような人か把握できるため、IT人材の採用に苦労する企業に向けて組織コンサルティングを提供するなど、エンジニアに関する知見を横に展開する。

■業績について
―2020年8月期の業績予想は保守的な印象を受けるが
上場準備もあり、新型コロナウイルスの影響を加味した数字になっている。3~4月のMidworks事業での顧客とエンジニアの契約継続率が一時低下し、新規案件の決定も一時休止した。4~5月には一気に回復したが、単月の数字が落ちた影響がしばらく残ると見ている。

―中長期的な業績目標は
売り上げと利益をともに毎年20%ずつ確実に成長させたい。

―調達資金を重点配分したい分野は
採用に重点を置く。従来取り引きできなかった大手顧客に対して営業ができる人材などを採用することで、短期的に大幅な業績の向上を見込むことができる。

―配当政策について
現状では株主に配当するよりも事業にリソースを注いだほうが良いと考えており、ある程度の数字になった時には考慮したいが、事業に経営資源を全て寄せる。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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