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上場会見:コパ・コーポレーション<7689>の吉村社長、実演販売を清く・正しく・美しく

24日、コパ・コーポレーション<7689>が東証マザーズに上場した。初値は付かず、公開価格の2000円の2.3倍となる4600円の買い気配で引けた。同社は自社開発の生活用品を、テレビやネット通販番組など5つのチャネルで実演販売する。吉村泰助社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

コロナ禍で店頭販売の売り上げは下がったが、テレビやネット通販は伸びていると話す吉村社長

コロナ禍で店頭販売の売り上げは下がったが、テレビやネット通販は伸びていると話す吉村社長

―初値が付かなかった
5月25日に上場承認を受けたが、タイミングよく緊急事態宣言が解除され、コロナ明け最初のIPOとなった。3月に上場するよりも注目を浴びることができるのも我々らしいと思いながら、明日どのような初値が付くか期待している。初値がさらに上昇する意味でポジティブに捉えている。

―5月の再承認は株価の回復を見ていたのか
3月に取り止めた時は、証券会社から「もう買うどころではない」と機関投資家自体がパニック状態にあるとの報告を受けて、当然ながら出るべきではないと考えた。緊急事態宣言が出て機関投資家が状況に慣れてきたと判断した。もう一つは米国でも日本でもコロナへの具体的対策が明らかになった。宣言が解除されれば落ち着きを取り戻すのではないかと予想し、個人的には日経平均株価が2万円ぐらいであれば上場してもいいと見ていた。

3月は2600円の想定価格でスタートしたが、だいぶ抑えて上場するために今回は1560円にした。我々は実演販売の会社であるため、買う人のことを考える。どのぐらいなら投資してもらえるか、また証券会社にとっての在庫の負担も考慮した。

―上場時期が遅れたことについては。また、資金調達への影響をどう捉えるか
ロードショーで思ったことだが、機関投資家にとっては、コロナの影響や、2020年3月期第4四半期の数字が見えない状況だった。緊急事態宣言発令前の2ヵ月間で中期経営計画を策定した。早めの上場を狙っていたため、都市がロックダウンされたらこの世界はどうなるのか4月の初めに想定し、第2波、第3波も含めての影響が出ると想定し保守的に作った。

4~6月に、当社がもともと強かったクリーン用品やキッチン用品が巣ごもり需要で売れるようになった。暮れの大掃除がこの時期に来た感じだった。加えて、自炊が必要になりキッチン用品が売れた。さらにテレワークで、椅子に敷くクッションの売れ行きが今期も引き続き好調で、コロナの影響はプラスに動いた。

この上場では、社会的信用を得ることに重きを置いていた。当社はヒット商品を生み出すために特別な広告費を使っておらず、この方針を変えるつもりはない。インターネット通販で多少SEO対策をするが、テレビ通販よりもBtoC事業の「デモカウ」に費やす。上場に関してはあくまでゴールではなくスタートと考えていて、財務状況をさらに良くして今後の展開に備える。資金に関しては、少なくなるがあまり気にしていない。

―設立の経緯と、新たな目標について
昔は、実演販売する人を「宣伝屋」と言っていた。あまり良い言葉ではなく、いかがわしいとか怪しいという尾ひれが付いている蔑称だった。だが、売り場に行くと汗水垂らして一生懸命話していたのが宣伝屋さんだった。そのイメージを清く・正しく・美しく磨き上げれば資本主義社会のヒーローになれると思い、1998年10月に演劇仲間を募って設立した。今後は3Dマーケティング販売戦略がBtoBで形になり、BtoCでもある程度見通しが立っている。

ウィズ・コロナで生の実演販売をしにくい状況になっているため、デジタル化を大胆に推進する。具体的にどうするかは未定だが、騙し騙し店頭で販売するのではなく、距離と時間に関係なく我々の実演販売を見てもらえることになる。また、今は商品売り上げの割合が高いが、各企業の販促活動を手伝う部分で実演販売のデジタル化が寄与できるのではないか。

―業績面の数値目標については
売上高100億円で一部上場を次のステップにしたい。15%の営業利益率はキープしたい。できることであれば、16~20%と上昇させていきたい。

―売上高100億円達成のスケジュール感はどうか
事業計画を非常に保守的に作ったため3年で100億円とはなっていないが、3年で100億円ぐらいの勢いを保ちたい。

―100億円到達時の、デモカウ事業の売上高構成比の目標は
4分の1を占めたい。BtoB事業にも牽制が効いて伸びると考える。BtoBをやめるわけではなく、同時に伸ばしながらBtoCをさらに上げていくために、25%ぐらいが理想的だ。

―オンラインツールを使った実演販売の延長にVRなどの利用はあり得るか
ライブコマースというものがあり、当社は2010年頃から(動画共有サービスの)Ustreamで行っていたが、なかなか難しく止めていた経緯がある。新しい形のライブコマースの状況を見ていると投資倒れしているところがあり、日本に向いていないと考えていた。日本に合うかどうかも含めてこれからチャレンジしていきたい。

―調達資金の使途は
ウィズ・コロナの状況で必要なものと不要なものがだいぶ変わった。例えば、社屋移転は考えなくてよい。運転資金で、余った部屋を実演販売の様子を撮影するスタジオにする。また、借入金の返済なども行う予定だ。

―採用はどうするのか
人員は増やさなければいけない。29人で売上高56億円の会社はなかなかない。とはいえ、適材適所で増やすし、爆発的に広げることはしない。

実演販売士の人数が増えれば売り上げが上がるかといえばそうではない。人間の数ではなく質が重要であるため、販売士が店頭に貼り付いていると売り上げが立たない。テレビ通販やバラエティ番組、YouTubeなどで情報発信力が高ければ、1人であっても売り上げが伸びる。そういったことに注力したい。

―上場の感想は
準備に約5年かけており、ほっとしている。実演販売での上場は初物で、宣伝屋さんだった諸先輩方の思いを継いだ実感がある。以前、テレビ番組で実演販売は商いの始まりであり終着点であるという話をしたことがあるが、実演販売を清く・正しく・美しく継承していく役目を一つ果たした。また、実演販売を志す人が、怪しいとかいかがわしい、嘘つきというイメージを持たれずに胸を張って販売する時代になってほしい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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