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上場会見:ビザスク<4490>の端羽社長、信用高め依頼者を増やす

10日、ビザスク<4490>が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の1500円を12.67%下回る1310円を付け、1335円で引けた。同社はビジネスの知見を持つアドバイザーと顧客をマッチングし、遠隔や対面での1時間のインタビュー(スポットコンサルティング)を設営するサービス「ビザスクinterview」と「ビザスクlite」を提供する。端羽英子社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

世界中の知見をつなぐビジョンについて話す端羽社長

世界中の知見をつなぐビジョンについて話す端羽社長

―初値が公開価格を下回った
新型コロナウイルスの影響もあってマーケット環境が非常に厳しいなかでの門出になった。その影響はあるのかと思っているが、株主の期待に応えられるように、マーケット環境に左右されずにできることをしっかり頑張っていきたい。

―事業の追い風となっているものは
働き方改革とシェアリングエコノミーの二つのキーワードは我々の成長にとって重要だ。特にシェアリングエコノミーは、起業のきっかけにもなった言葉で、個人が売り手として活躍できる社会が来たということが一つのポイントだと思うが、人生100年時代のなかでどんどん進んでいくと考えているし、テクノロジーがそれをサポートするようになっている。私たちにとって非常にポジティブな風であって、この風に乗っていきたい。

働き方改革のトレンドは両面で追い風となる。一つは企業が生産性をより意識するようになった。ビザスクは、詳しい人に1時間聞くサービスであり、昔であれば、詳しい人に出会えるまでの時間を足で稼いでこいという部分があったと思う。これに対して、詳しい人に会えるまでの時間がもったいない、出会えるかもしれないし出会えないかもしれない、友達の友達の友達を辿っていくよりもサービスを使ってピンポイントでスピーディーに出会えるほうがいいじゃないかと、企業の役員やマネジメント層の人に言ってもらえるようになってきた。これは働き方改革の背景にある、生産性の改善への取り組みの、私たちにとってポジティブな変化と捉えている。

もう一つは知見の出し手について。働き方改革は、人生100年時代に対して自分のキャリアをしっかり自分で考えていくことだと捉えているが、引退してから急に始まるのではなく、いつか来るセカンドキャリアで自分はどんなことで活躍できるのかという個人の意識の高まりは、私たちにとってポジティブな風ではないか。

―起業のきっかけは
一回起業してみたかった、新しいものを生み出してみたかったという思いがあったなかで、私自身は社会人になってすぐに子供ができているため、一生懸命働きながら子供を育てて起業のきっかけがないまま何年間か過ごした。子どもの中学受験を機に本当に起業しようとアイデアを練っていった。そこで出会った「シェア」という本でAirbnbやUberを知って、個人が売り手になる時代が来たとわくわくした。SNSなどで個人が信用を築くことができるテクノロジーが生まれ、個人が活躍する時代になったのだと思った。

私自身、子供がいて、仕事をするなかで非常に苦労もしてきた。稼ぎ続けられる、個人が活躍できることは自分のやりたいことにしっくりくるテーマだった。個人が取引の主体になるようなものをしたいと考え、私のような人が稼げるビジネスを作りたかった。当時からクラウドソーシングは存在したが、エンジニアでもデザイナーでもない私はそこでは稼げない、金融にずっと携わり、ビジネス総合職だった私がどんなことだったら稼げるだろうとなかなか思い付かずにいた。

とはいえ、人はモノであれば買うのではないかと考え、人が自分の経験から物を勧める通販サイトを作ろうとした。「金融を10年やった私が選ぶ電卓」とか「熊本出身の私が選ぶこの手土産」といった物を売買する通販サイトのビジネスモデルを考えた時に、知人の知人が紹介してくれたEC立ち上げ経験者に会った。会うまでに2ヵ月掛かり、会ってから1時間徹底的にとても説得力のあるダメ出しを受けた時に、「この1時間にお金を払える」と思った。また、「この人にもっと早く出会いたかった」と思ったため、物販を止めた。経験者の意見にすぐアクセスでき、1時間のインタビューそのものを取引できるサービスを作りたいということで、ビザスクのビジネスモデルが生まれた。

―新型コロナウイルスの感染拡大が業績と信用に与える影響は
コア事業であるビザスクinterviewの1時間のインタビューは電話会議やビデオ会議が非常に多い。一部は対面でも可能で、これを機に対面から電話・ビデオに切り替える動きは起きているが、大きな事業上の影響はない。現時点ではビジネスへの直接の影響は大きくない。信用に与える影響もないと捉えている。

―上場後、アドバイザー獲得のために新しくすることはあるのか
依頼者やアドバイザーに向けて知名度を上げるとともに、信用度を上げたいと思ったことが上場の理由だった。新しいマーケットは誰もがすぐに飛び込んでくるものではなく、これから先どうなっていくのか見ている部分もある。上場できたことで信用度が上がり、より多くの人がビザスクという新しいマーケットに参加してもらえるようになれば、私たちにとって大きなきっかけになると考えている。

―具体的な施策はあるのか
ブランドに合う形での広告宣伝費を使ってきたが、SNSやメディアでビザスクを取り上げてもらう機会が増えてきており、アドバイザーを集めるために広告宣伝費を大きく上げることは考えていない。

マーケットプレースは、アドバイザーと依頼者が良いバランスで増えていくことが必要になる。依頼者としての事業会社を増やすことに、より積極的に投資したい。アドバイザーについては、良い感じで登録してもらっている。

―アドバイザーとして活動するメリットは
アドバイザーの人からは、自分の経験の棚卸しができたという話をよく聞く。業界内ではだれでも知っていて自分が当たり前と思っていたことが、業界の外からすると「それが聞きたかった」と言ってもらえるため、一生懸命働いてきたことが誰かの役に立ってすごく嬉しいという経験になる。この二つはビザスクで活躍し続けたいという動機になると考えている。

―アドバイザーと会社の関係について、YouTuber的な成功例はあるのか
ビザスクで生計を立てる人を作りたいというビジネスではない。知見により気軽にアクセスしてもらうもので、年間何百回という利用例はない。年間数回あるかないかという形になっている。

アドバイザーが所属している会社とどのような取り決めとなっているか、我々が知ることは難しいため、初のマッチング直前に必ずアドバイザートレーニングを受けてもらう。所得があってもなくても受けてもらうパートは、守秘義務やインサイダー情報に関するもの。現在(組織に)所属がある人向けには、守秘義務や利益相反の回避など、経済産業省が準則として出している五つのルール(遵守することで企業の就業規則の副業禁止規定に抵触しない扱いとなることが想定されている)を示し、最終的に各自就業規則を確認してもらうように注意喚起している。

―知見のパッケージ化による商品開発や展開はあり得るのか
レポートを作らないかというようなことはあるが、現在のところ、顧客がカスタムメイドでいろいろな新規事業で聞きたいことや調べたいことがあるというものに対してWEBのアンケート調査「サーベイ」の形で、1対1のインタビューよりも数のあるようなサービスをまず展開していきたい。データベースを活かした商材開発には、非常に大きなポテンシャルを感じており、様々なアングルで新商材を練っていきたい。

―仮条件決定段階でオーバーアロットメントの売り出しが減少し、調達資金が減少するようだが、不足は生じるのか
安岡徹CFO:黒字体質であり、調達資金は人件費や広告宣伝費に充てるが、縮小しなければならないことはない。手元資金と調達資金で足り、追加で増資する必要はない。

―ベンチャーキャピタルの保有によるオーバーハング懸念はないか
端羽社長:今回、売り出しにはしっかり応じてもらった。懸念は他のスタートアップの上場と比べて、応じてもらえたようなので際立ってオーバーハングの問題があるとは思っていない。

安岡CFO:創業者が株式をかなり保有しており、市場が判断することではあるがオーバーハング懸念を心配することはないと考えている。

―今後の利益の出し方について
端羽社長:既存事業は規模が大きければ大きいほど生産性が上がり利益が上がる。ただし、それを使って新しいものにチャレンジしたいとも考えており、成長投資と利益のバランスを見ながら進めたい。

安岡CFO:これまでの成長を加速する事業運営をしたいが、具体的な数字については控えたい。

―今後の海外戦略について、調達資金は海外事業に投じるのか
端羽社長:日本から、30を超える国のアドバイザーとのマッチング実績が既にある。日本人のアドバイザーは非常に見付けにくいが、海外ではもう少し見付けやすい。ただ、時差が大変な問題になる。シンガポールへの拠点の設置については、東南アジアの知見を集めたい気持ちがあるが、比較的時差がない所で英語でのオペレーションを確立する狙いがある。次は米国や欧州で時差に対応できる場所にオフィスを持ちたい。(上場で調達する資金を海外投資に直接充てる計画ではないが)海外展開にはしっかり取り組んでいきたい。

―配当政策は
成長できる部分が既に見えていて、コアサービスも非常に伸びているため、積極的にトップラインを伸ばすために必要な投資をすることで株主の期待に応えられると考えている。近い将来での配当は考えていない。ただ、黒字を達成しているため、未来永劫配当しないということではなく、成長分野への投資と株主への還元のバランスを取っていきたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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