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上場会見:Kids Smile Holdings<7084>の中西社長、保育事業で支援

4日、Kids Smile Holdings<7084>が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の2260円を20.88%上回る2732円を付け、3235円で引けた。同社は「非認知能力の育成」をテーマにした幼児教育を提供する認可保育園やプレスクール一体型保育園(認可外保育施設)を運営する。中西正文社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

幼児教育を多くの人に広めたいと話す中西社長

幼児教育を多くの人に広めたいと話す中西社長

―初値が公開価格を上回った
市場環境が非常に厳しいなかで上場したところ、初日に初値割れをすることで投資してもらった株主に迷惑をかけては申し訳ないという思いが一番にあった。初値割れすることなく今日を迎えられたことに安堵している。我々の幼児教育や保育業態や、独自性に投資家が大きな期待を寄せたと考えている。大きな責任になったと思っており、気を引き締めて責任に応えられる運営をしていきたい。

―新型コロナウイルスの影響と対応は
園での感染を防ぐことが非常に重要なポイントであると捉えている。日頃からルールに基づいて衛生対策を徹底している。そのうえで、行政からは新型コロナウイルス対応の指示が日々出てきているため、それを活かしながら園内での感染防止に取り組んでいきたい。

業績面については、小中高校が休校となるなかで、厚生労働省など行政から、職員や子どもの衛生面を守ることを前提にしっかりと認可保育園を運営してもらいたいという通達が既に届いている。また、運営に当たって職員が罹患する、または職員が濃厚接触者である場合に、必要な保育士数が不足しても臨機応変な対応で運営してもらいたいという通知も来ている。それに伴い補助金を減額しないとの通知もある。新型ウイルスが直接的に業績に影響を与えることは少ないと考えている。

今日のニュースで、大阪府の認可保育園で働いていた保育士が感染しており、休園の可能性を示す記事があった。今後当社の保育士や園児が感染した場合には、行政にしっかり相談しながら、指示に基づいて必要と判断した場合には、休園する可能性がある。

―新型ウイルス問題でIPOを延期する可能性はなかったのか
年明けに中国での報道が始まった。上場が承認された1月24日の時点では、新型コロナのことで上場を再検討することはなかった。ロードショーのなかで刻々と環境が悪くなったため、投資家の不利益になることがあってはいけないと最後まで主幹事証券会社と慎重に協議した。払い込みの時点で、設定した価格で購入してもらえるかを一つの基準と捉え、これをクリアした。先週末に米国と日本の株式市場が下がっていたところ、今週2日に米国・日本市場がともに持ち直し、上場の判断に至った。

また、小中高校が一斉休業となったことは、保育事業を引き続き運営して働く両親の支援をするようにというメッセージと思い、上場(の手続き)を続けることが投資家の期待に応えることになると考えたことが、最終的な判断の決め手となった。

―非認知能力の育成の具体的な効果をどう捉えているか
本来であれば、卒業生を追跡調査して効果を測定することに取り組みたいが、現状、そこまではできていない。非認知能力が子どもの成長にとって良いことは、外部のデータに基づいて有益であると判断している。OECDの教育部会の調査で、幼児期からのアクティブラーニングを通じた非認知能力育成が、子どもの育成に対して優位性が非常に高いという研究データが発表されている。そういったものに基づきながら教育プログラムを組み、日々活動している。

―来年度に10園開園するが、1園当たり1億5000万~2億円の補助金を単純に乗算してよいのか
来期の予測数字は社内で決定していないため伝えにくいが、本来的には1園ごとや行政ごとに開設に際しての補助金の額は異なる。1億5000万~2億円ほどが一番多いゾーンであり、それらを単純に計算することが、見込まれるところとなる。

―園の新規開設に伴う人件費は大きな支出となるのか
新園については一から全て採用しなければならない。規模によるが15~20人、10園で150~200人が必要になる。2020年3月期の4月であれば、既存36園の収益で150~200人を採用する。ただ、来期は50園の収益で150~200人を採用するため、全体に占める比率は下がる。また、認可保育園の場合は0~5歳児まで6クラスあるが、新規開園時に満員になるのは0~2歳児までで、3歳児クラスが半分ほど。4~5歳児クラスにはほぼ入らない。毎年進級することで満員になっていく。

認可保育園での費用が掛かるのは人件費と家賃。法律の規定で定員に応じて保育士を配置することが決まっており、初年度から満員同様の配置が必要で、人件費と家賃は初年度から満額支出する。2~3年で原価率が毎年下がる。全体に対する新園開設(コスト)の比率は下がるため、収益改善につながる。

―プレスクール一体型施設の展開は
最も積極的に展開したいのは認可外保育施設で、既存のプレスクール一体型保育園を年に1~2園のペースで増やしたい。また、幼児教室を昨年の秋から始めた。プレスクール一体型保育園は広さ100~200坪の大型施設で、60~120人が通っているのに対し、幼児教室は30~40坪強。幼児教室は認可外の保育施設としての届出が不要で、施設基準を含めて行政の規制の影響を受けず、比較的速いスピードで展開が可能となる。

最近は、昼間は認可保育園に通っている園児が、週に一度ほど早退して、幼児教育の無償化によるお金で幼児教室に通うケースが増えている。(園との)連携も含めスピード感を持って展開したい。

―成長可能性資料に記載があるセカンドラインとはどのような施設か
今のプレスクール一体型施設は、毎日通うと月額20万円ほどの支出となる。それだけの価値があるとは考えているが、その金額では出店できる場所や通える人が減ってしまう。月額12~14万円になると通ってくれる人も多くなり、都内のいろいろな場所に展開できる。今の6~7割の価格帯でできるセカンドラインの園を作って、広く多く展開していきたい。2022年3月期までは、認可保育園の新規開設で一定の数字を見込めており、2023年3月期が我々の独自性を出す勝負の年と考えている。この2期の間にセカンドラインのテスト的なものをしっかり準備して展開していくビジネススケジュールとなっている。

―株式の流動性を高める施策は
上場はスタート地点と考えていて、会社を成長させて株主にとっての企業価値も向上させていく。また、市場再編が検討されていると聞いており、一つ上の市場を目指していきたい。会社の成長や次への投資のため、現段階では株主配当を考えていないが、上の市場を目指すうえで、株主配当を検討したい。資産管理会社と私の持ち株比率を下げていくことも必要と考えている。

Kids Smile Holdings<7084>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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