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上場会見:AHCグループ<7083>の荒木社長、重度障害者が働ける文化を作る

25日、AHCグループ<7083>が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の2200円を61.36%上回る3550円を付け、3510円で引けた。同社は障害福祉事業や介護事業、外食事業を手掛ける。荒木喜貴社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

多くの人に安心してもらえる事業を積み上げていきたいと話す荒木社長

多くの人に安心してもらえる事業を積み上げていきたいと話す荒木社長

―初値が公開価格を上回った
地合いの面では、現在いろいろなことが起きているため、そのなかで、(公開価格を)しっかり超えられたことは、会社に対する期待の大きさと捉えており、ますます努力していきたい。

―新型コロナウィルス感染拡大の事業への影響や、上場準備の際の投資家向けロードショーなどへの影響はあったのか
ロードショーなどではほとんど話題が出ることがなく、ここ最近、実感も含めて今後どうなっていくのかという話になった。現場では新型コロナウィルスのみならず、インフルエンザや風邪も毎年のことであるため、来賓・来客を含めて手洗いうがいを徹底している。今後は、我々の事業のみならず、世界の経済なども変化していくと思うが、現実に目に見えるリスク低減や職員の衛生管理を徹底していく。

―荒木社長の経歴について
大学卒業後にウシオ電気という半導体メーカーに就職し3年間働いた。いつか起業したいと、店舗と一体化した経営を学ぶためにワタミに就職した。起業ではワタミの経験は非常に大きいと感じている。店長やエリアマネージャー、首都圏の営業部長を経験し、今の自分の力になる経験をして、2007年に31歳で介護ジャパンを設立した。いろいろな会社をつくり、グループとして上場することになった。

―ウェルビーやLITALICOといった競合との差別化について
障害を持つ人には軽度から重度の区分がある。施設にも重度の障害を持つ人から軽度までの区分がある。全国での割合は、3割弱が重度の人向けで、7割が軽度の人向けとなっている。ほとんどの事業者は軽度の人向けの施設を運営している。我々の事業所では8割が重度の人向けで、サービス提供できる品質を持っていることが強みと考えている。一番困っていてサービスを必要としている人に向けた事業領域を持っている。

介護事業も同様で、全国平均からすると、重度の要介護の人にデイサービスを提供している。そういったカラーがある。

―重度障害者の利用料は違うのか、スタッフの給与体系も他社と異なるのか
放課後デイサービスについて、重度と軽度では、利益面ではおそらく5%程度変わってくる。報酬区分は重度が高いという背景があり、軽度のサービス・施設よりも重度の人向けに運営するほうが、報酬が高い。

(職員の)報酬に関しては、そこまでの差別化があるかというと変わらない。平均であるという認識で、成長していくに当たって社員の満足度をどこで取っていくかということになるため、報酬を含めて今後しっかり評価していくことにフォーカスしたい。

―今後、競合からの人材の引き抜きが想定されるが、対策はあるのか
人が関わる事業であり、目に見えない、説明しにくい部分が一番の強みとなっている。人と人とのつながりや、働く仲間と我々の関係性が一番だ。離職率はゼロに近ければ近いほど従業員の満足度が高いと理解している。離職率の業界水準は2割ほどだが、我々の(離職率)10%程度が良いとは思っていない。当然ゼロに近付けたい。一方で業界のなかでみると半分程度の離職率であり、これを限りなくゼロに近付けていく経営をできることが強みとなるため、社員とともに歩んでいきたい。

―離職率を業界水準の半分に抑制できているのは、カウンセリングや勉強会などの施策が奏功しているのか
上長と職員一人ひとり、私と職員一人ひとりとの関係において、やりがい、未来、自分たちの目指している世界、そして福祉を通じた文化を作っていくということが企業が成長していくうえで一番重要なことだと思っている。小さな会社ではなかなかできない文化を作っていくことが我々の使命、我々が良いサービスをすることで世の中の福祉サービスが良くなっていくと考えているため、仲間と一緒に作っていくことが大切だと思っている。

―有資格者は何割ぐらい所属しているのか
2019年11月期実績でパートやアルバイトを含めて234人いる。辞めなければ年々増えていく。社員が約160人で、ほぼ全員が資格を保有している。

―2020年11月期以降の拠点展開は
福祉事業の出店が全部で11ヵ所が公表している数字で、中期経営計画が裏付けとなっている。新卒採用などは(中計の)数字に組み込んでおらず、それを大きく超えるような成長をしたいと考えている。

―福祉施設を毎年11拠点ずつ出店するのか
中計の3ヵ年ではおおむね10ずつ、その翌年は若干増えている。現在の中計には介護と外食の成長ストーリーを入れていない。

―介護と外食事業の位置付けは
介護施設については、未成熟ということで既存の事業者のなかでも迷っている企業が散見される。施設を新規開設するよりは、既存の会社や事業者とのM&A案件を含めて、我々の理念で成長できるポジションがあれば取り組んでいきたい。出店での成長やコストについては福祉事業に注力していく。

外食事業は、福祉事業での「働く」という部分での協力関係、研修などを含めて運営していきたい。多く出店する流れよりは、福祉事業とのコミュニケーションを考えていきたい。

―外食事業と福祉事業のシナジーは
我々が一番やりたいこと、やらなければならないことは重度の障害を持つ人が働けることを力強く進めていくこと。軽度の人については、大きな会社では障害者雇用の法定率は高まっており働くことを実現できるが、重度の人はなかなか働けない。

そのなかで、例えば、大手牛丼チェーンやファーストフード店へ、我々の利用者が働きに行くケースがちらほら出てきている。そこで働くためにどうするのかという「つなぎ」が重要で、「就労継続支援B型」や「放課後デイサービス」のなかでトレーニングを実現する。そのために飲食店を経営していることも重要であり、そのような店舗で夏休みに研修をしたり、短時間働いてみるといったアイディアや具体的な方法を生み出して、しっかり働ける文化を作りたい。

―連携やM&Aの考え方について
理念が一番重要と考えている。過去にM&Aに近い形で他社から事業を譲り受けて取り入れた経験から、良い部分や、このような会社と組んだほうが良いという解は出ている。我々が関わって人も含めてシナジーでさらに良くなるという部分では積極的に取り組みたい。介護事業では特に後継者が問題で、我々にもそのような案件が届く。非上場時代には、そこまでメリットを出せなかったが、採用などで(シナジーが)増してくると考えるため、積極的に進めたい。

―新卒採用を強化する理由は
次の成長を模索するなかで、M&Aによって事業を分析しており、採用については、昨年5人を採用して、即戦力化や事業にフィットするかウォッチしている。昨年は誰も辞めていないことも含めて、しっかり新卒採用に踏み切っても良いだろうと判断した。

中途採用では(ある年齢層に)塊ができるが、 新卒では毎年決まった人数で文化をしっかり継承していくことが重要な要素と考えている。

新卒採用のほとんどは教職課程や福祉大学、保育課程の出身で、現時点では、この事業に興味があって学生時代にアルバイト経験があるなど関わり合いがある人が入ってきている。即戦力にもなり得るため、新卒採用市場に魅力を感じている。

―配当政策について
まだマザーズ市場であるため、まずは成長に軸足を置き、一段落ち着いたら誠実に進めていきたい。

AHCグループ<7083>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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