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上場会見:AI inside<4488>の渡久地社長、AIのプラットフォーマーに

25日、AI inside<4488>が東証マザーズに上場した。初値は付かず、公開価格の3600円の2.3倍となる8280円の買い気配で引けた。同社は人工知能(AI)で手書き文字を認識してデータ化する「Intelligent OCR」を提供する。主力の「DX Suite」は金融機関や大手不動産会社など400社超に導入され、AI-OCR(光学的文字認識)で62%のシェアを持つ。渡久地択社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

製品導入による費用対効果が分かりやすく継続して使ってもらいやすいと話す渡久地社長

製品導入による費用対効果が分かりやすく継続して使ってもらいやすいと話す渡久地社長

―初値が付かなかった
高い期待にしっかり応えられるよう頑張っていきたい。

―AIは完全にオリジナルのものか
全て独自で開発している

―Intelligent OCRの導入件数の中期目標は
非開示のため答えにくいが、RPA(Robotic Process Automation)の伸びがかなり速い。RPAと我々のプロダクトは全く関係ないが、提携先のNTTデータに、RPAツールであるWinActorとともにIntelligent OCRを一緒に提案してもらっており、(導入の)連動性が非常に高い。

WinActorの導入件数は5000社ほどで、競合製品のUiPathやBizRobo! がそれぞれ千何百社というイメージだ。そのようなRPAツールを使っている顧客にアンケートを取ると、半数ほどがOCRを今すぐにでも使いたいという状態で、マーケットにはその程度の広がりがあると捉えている。

―文字認識領域での競合他社と比較した技術的優位性について
書き方によって変わるため、精度について我々の側からオープンにはしていないが、ユーザーが利用したり業務提携する際に調査してリリースすることがある。NTT東日本が目黒区と実証実験を行った時には99.9%だった。1年以上前の話だが、NTTデータと協業する際には、同社から98%というプレスリリースが出た。精度以外にも速度や価格、安定性、セキュリティの面から自信を持って提供できる。

―読み取る文字の種別を問わないのか
今は、ベトナム語などを除き、英語など日本で使われる文字を読み取れる。日本語は第二水準まで対応し、6300ほどの文字が含まれる。海外ユーザーもいるため、この5年以内に海外販売も進めていく。英語や漢字を既に読み取れるため、まずはそのような言葉を使う国がターゲットになる。アルゴリズムが日本語に依拠しないため、他の言語にも順次拡大していく考えだ。

―集まったデータで、独自のコーパス(辞書のようなデータのまとまり)を作っているのか
例えば、住所や病名は、コーパスのイメージがあるが、それに当て込んでいくと、間違えるため作っていない。最初は認識精度が急上昇するが、100%に近づくに連れてボトルネックになることが分かっており、ディープラーニングのみで対応する。

―AIを誰でも作れるツール「AI inside Learning Center」の収益化のメドはいつごろか
今、アルファ版として数十社に提供しているが、2021年3月期中には製品版として届けたい。AIを実際に作って使ってもらい収益が発生する。

―AIを作るために必要な能力は
その業界のプロフェッショナルであることが求められるが、あとはクリックができればよい。例えば、ゴミ処理場のケースでは、我々はどれが危険物かは分からない。処理のプロフェッショナルであれば、何が危険物であるかAIに学習させることができる。教える人の能力以上にはなりにくいのでうまく教えてほしいが、それ以外に技術的なものは求められない。

―Learning Center 事業を進めるとAmazonやGoogleが競合になると思うが、優位性はあるか
元々クラウドのIaaS(Infrastructure as a Service)を使っており、インフラの最適化を意識すると同時に、「AI inside Cube」というサーバーマシンを開発し、自社データセンターを運営することで原価率を下げた。IaaSを使うよりも安いコストで運営できているため、顧客にも廉価で提供できる。

また、継続利用ユーザーが拡大しているため、新製品を既存ユーザーに紹介すると15日で100社が導入するといった状態になっている。Learning CenterはAIを作る人と使う人を両方増やす「ツー・サイド・ネットワーク」のプラットフォーム形成を検討しており、IaaSと異なり、顧客が作ったAIを提供する先を用意できることが強みになるのではないか。

―プラットフォームを通じてほかのユーザーに提供したAIをさらに強化することは可能か
まだそこまで具体化していない。ロードマップのなかにマーケットプレースを手掛けるとは記載しておらず、取り組むつもりではあるが、まずは自社で作って使ってもらうことを念頭に置いている。

―人間の活動のいろいろな部分にAIを導入する「AI inside X」というコンセプトの「X」の部分は、現状ではカンパニーとのことだが、それ以外に代入されるものはどんなものか
東京都の民間のゴミ処理プラントのラインに、リチウム電池が入ったノートPCなど取り除くべき危険物が紛れ込む問題があり、今は人手で除去している。

この作業を機械化したいという需要があり、取り除くべきゴミを判別し表示するAIを、現場の作業担当者がLearning Centerを使って作った。このケースは「inside カンパニー」でもあるが「inside ファクトリー」とも言える。このほかにも、製造分野では、コンピューターのマザーボードのプリント基板の不良品を検知している。不動産賃貸の最適価格予測やIoTなどについても、Learning Center の製品版と同じ時間軸で手掛けていきたい。

―「inside ヒューマン」のコンセプトはどのようなものか
仮定の話だが、医療系の画像診断などにも対応できる。(医師など)プロフェッショナルがLearning Center を使いAIに学習させることで、ガンなどを発見し治療につながるとよい。

―株主の日本郵政キャピタルなどとの協業について
日本郵政に限らず、株主にはユーザーになってほしいという意図で参加してもらっている。

―株主還元の方向性は
株主還元は非常に重要であると捉えているが、今は会社の成長が重要と考えており、無配当で成長に投資していきたい。

AI inside<4488>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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