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上場会見:カクヤス<7686>の佐藤社長、密度を高めて酒以外も

23日、カクヤス<7686>が東証2部に上場した。初値は公開価格の1600円を16.63%上回る1866円を付け、1835円で引けた。同社は飲食店向けの「なんでも酒やカクヤス」などを展開し、BtoB事業のみならず、宅配などBtoC事業を組み合わせて手掛ける。佐藤順一社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

佐藤社長は、酒類以外の配送については、確実にプラスになる物を小さな規模で始めたいと話した。

佐藤社長は、酒類以外の配送については、確実にプラスになる物を小さな規模で始めたいと話した。

―初値が公開価格を上回った
驚いた。酒販業は比較的古い業態であるため、それほど(高い)価格は付かないと思っていたため、高評価だったと思う。

―上場を選んだ理由は
私自身が還暦となったため、そろそろ会社をパブリックにしたほうがいいと判断した。また、ほかの大都市に進出する場合に、(販路などを)一から作っていくことは大変で、M&Aを視野に入れた展開になるため、資金的な背景が欲しかった。もう一つは採用面にある。高校生の新卒採用に注力しており、毎年100人以上を採用しているが、上場企業も高卒採用に力を入れており、不利になる部分もあったため、上場して対応する。

―M&Aのターゲットは
我々の物流の手法は、大型物流センターの近くに、サテライトのセンターを置き、顧客のニーズを汲み取る。その両方がないと成立しない。同じような事業モデルがないと思われるため、いずれかを保有する会社を買収し、もう一つの機能を付け加える形になるのではないか。

―人材確保の工夫は
目先の給料で採用すると、人は皆、額が高い会社に移ってしまう。高校の新卒者に、自分のキャリアプランのようなものをイメージしてもらえると長続きすると思う。運送業で高い給料を提示されても、我々の会社では商品開発もできるかもしれないし、店舗を任されるかもしれない、営業もできるかもしれない。それに従い給料の額も高くなる。目先に惑わされないようなプランができれば、その人は残ってくれる。当社のなかで人手不足感はないが、今後は分からないため、上場でハンディキャップになる部分を潰していく。

―人手不足で休業する業種が増えているが、年末年始は休業するのか
人手が足りているため、全く考えていない。従来、正月は他社が休んでいたため忙しかったが、営業するようになり暇になった。ただ、他社が再び休むようになると需要は高まってくる。

―客先やコールセンターで得た情報をマーケティングに活かしているのか
物流の仕組みを作り上げることに精一杯で、マーケティングの部分は弱かったが、大きなテーマと捉えている。POSのデータではなく、相手先が特定でき、いつ、誰に、何を、どれだけ売ったか分かる膨大な量のデータが貯まっており、それらを整理して活かしていくことが今後の課題で、チームを作って取り組んでいく。

―今後の店舗展開について
23区内は物流が整っており、出店するならば密度を上げる。例えば、1店舗が半径1.2キロメートル圏内に1時間当たり4件配送できるとする。そうした店舗4つの中心に、もう1店を追加すると、それぞれの商圏が小さくなり1時間に5件運べる。そうすると、4店舗で16件だったものが、5店舗で25件運ぶことができる。これで顧客のニーズに応えるとともに配送効率を上げられる。繁華街や繁華街に近い場所への出店が現実的になる。

―自社物流を東京23区以外で実現できるのか
23区ほどの広さで展開するのは非常に難しい。例えば、福岡市であれば博多や天神など中心部で展開することは可能だろう。ただ、福岡市全域への展開は難しい。

―23区以外での出店計画は
23区を一歩出るだけで人口密度が3分の1ぐらいになるため、23区の深堀りが最も優先順位が高い。次に地方の大都市の飲食店集中地域へ出店する。例えば、埼玉県や千葉県の中間的な都市に出店するよりも、地方の大きい繁華街の方が優先順位が高い。物量が必要なビジネスモデルであるため、一から作ると物流センターだけがあって、売り上げがないということになりかねない。それなりの規模の買収を行う必要があり、出店数については検討段階にある。

―配送のアイドルタイムに酒類以外の商品を届ける新事業を、いつごろまでに始めるのか
12時から16時は空いており、(ニーズが)あればすぐに取り組みたい。(今も)いろいろな案件が持ち込まれている。例えば、酒と食材の親和性が高いため、食材の配送を頼まれることがあるものの、食材と酒の注文時間帯は重なるため、忙しい時間に案件を重ねてどうなるのかという話になる。

酒との親和性よりも、谷間の時間で負担なく販売できる商品を扱うことにメリットがある。また、宅配先で顧客対応に時間がかかる物では配送効率が悪くなるため、短時間で済むという条件も満たさなければならない。これらに合致するものがあればすぐにでも始められる。

これはアイデアでしかないが、飲食店がオープンする時に駅前などで配布する生ビールの無料券を、当社でビールを購入する顧客に配ることで両者が喜ぶ。我々が今後できることはこのようなことではないか。

―Amazonなどとの協業はあり得るか
東京23区内であれば12時から16時までの間に、毎日数千件の配送をする物流の能力はあるが、何十万件規模で処理するものではないため、どこかと協業すると本業への影響を考慮する必要がある。もう少し小さい規模がふさわしい。

―テーマ性のある店舗について
「KAKUYASU class」は繁華街に特化して高級ワインやシャンパンを10分で届け、顧客のワインセラー替わりになる機能がある。「CORK」は花卉と酒のセレクトショップで、街から求められる機能に対し、我々がどのような形態のショップで応えていくかが(テーマとして)大きい。繁華街の顧客ニーズに刺さるため、武器になっていくと思う。

カクヤス<7686>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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