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上場会見:SREホールディングス<2980>の西山社長、AIを他産業に展開

19日、SREホールディングス<2980>が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の2650円を6.60%下回る2475円を付け、2450円で引けた。同社は不動産事業と、ITやAI技術を基盤とした「ITプラットフォーム事業」、「AIソリューション事業」の3つの事業を結合させた『AI×リアル』ソリューション事業を展開する。西山和良社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

西山社長は、不動産取引の内見以降のトランザクション領域をブルーオーシャンと捉えて事業を進めた

西山社長は、不動産取引の内見以降のトランザクション領域をブルーオーシャンと捉えて事業を進めた

―初値が公開価格を下回った
株価についてはマーケットが決めるため、真摯に受け止める。今後は、役職員一同ブレることなく絶対的な価値の積み上げに取り組み、さらに深く広く情報を開示してマーケットに応えていきたい。

―ソニー製のAIを使う優位性は
AIソリューションの中には、「コアライブラリー」というものが入っている。洋服に例えると、糸のようなもので、その特性を知っているため、どう配合したらよりよいAIを作ることができるか分かることが強みと考えると分かりやすい。

AI業界では、コアライブラリーに関与できるプレーヤーは、高速かつ高性能、高効率なAIを作ることができる。一方、これを保有していないプレーヤーは、他社が作った布を買ってきて服を仕立ててクライアントに提供するイメージだ。日本でAIのコアライブラリーを作り、オープン化できているのは、ソニーとPreferred Networksの2社しかない。

我々は、コアライブラリーを改良し続けているチームと連携しながら、いわゆる糸や布の作り方、どのような糸を使えばヒートテックのような発熱する服を作れるのか、に踏み込んでAIを作る。当社のAI担当役員の角田智弘取締役は、以前はソニーでAIに取り組んでおり、常に本体と連携を取りながらしっかりしたものを作れる。

―他産業向けに提供したAIソリューションに流入するデータをどう活かすのか
我々が深掘りして徹底的に伸ばしていける領域は不動産だが、そこで作り込んだアルゴリズムのうち、大きな費用をかけずに他産業に展開できるものを積極的に広げていく。コンサルティングで(顧客ニーズに合わせた)テーラーメイドAIを提供して、満足してもらいながら業界内の共通課題を見いだし、それに基づいたパッケージAIを作って同じ領域の他社に展開できることが、他産業に導入して情報を獲得するメリットと考えている。

具体的には、在庫管理AIに限定的な追加投資で(調整して)電力会社向けにテーラーメイドAIとして展開した。電力会社に導入すると、そこからデータをもらえるほか、欠落しやすいデータがあることや、どのようなデータを生成すると精度が高まるのか、といった電力業界ならではの特性を学習することができた。それによって、不動産の在庫管理AIに磨きをかける一方、ほかの電力会社にパッケージ化して提供できる可能性も高まった。

―足元の営業利益額の、3事業での比率の現状と今後について
2020年3月期の見込みで、AIソリューションとITプラットフォーム、不動産事業で4対3対3となるが、非監査対象の概算として見てもらいたい。AIとITを合算した利益が半分を占めている状態が中期的に維持されると見込む。

―不動産向けと他業種向けAIの割合について
今は、パッケージ化されたAIクラウドの大多数は、不動産業界と金融業界に提供している。また、テーラーメードAIを作るAIコンサルティング事業では、半分以上を不動産以外のIT企業や製造業、電力会社などに供給している。

―どのぐらいの期間で売上販管比率を2019年3月期の61.0%から30%水準に下げられるのか、またその方法は
来年の春をメドに開く決算説明会で説明し、合理的に考えらえる「中期」の範囲で達成したい。

3セグメントの利益率が大きく異なるため、AI とIT事業が伸びていけば全社的な利益率が高まっていく。また、AI事業のなかでも、AIクラウド事業のほうがAIコンサルティング事業よりも利益率が高いため、クラウド事業を集中的に伸ばすことで、AI事業自体の利益率を改善できる。

昨年度の終盤から、AIやIT事業も含めて完全にBtoBに転換した。不動産事業では法人向けの収益不動産を販売しており、広告宣伝費が全くかからない。そこに限界利益率の高いビジネスが加わることで広告宣伝費が横ばいになり、営業利益率が改善していく。

―ソニーの上場子会社としての立ち位置や今後は
大きく変えることは想定していない。将来の方針は親会社のなかの議論で決まってていく。

―ソニーのベンチャースピリットについて
ソニーで、平井一夫前社長や吉田憲一郎社長の近くで仕事をしていた。彼らも若い頃に新しいことをしっかり手掛けて、次なるソニーを作ってきた偉大なる先人だと思っており、自分が影響を受けた十時裕樹CFOもソニー銀行を30代で創業した。単に儲けるだけではなく、その産業に新しいものを構築し展開する、新しいことをやるのが格好いいというカルチャーが創業の後押しになった。そのようなスピリットは今後もソニーに残り続けるし、ソニー発のベンチャーが生まれ続けることを期待したい。

―株主還元の方向性は
現状、配当は考えておらず、投資に充てて絶対価値を積み上げていくことが、株主に絶対価値を提供できる方策と考えている。

SREホールディングス<2980>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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