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上場会見:マクアケ<4479>の中山社長、応援のプラットフォーム

11日、マクアケ<4479>が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の1550円を74.84%上回る2710円を付け、2980円で引けた。同社は新製品の試験販売で消費者の反応をリサーチし、最初の顧客獲得を目的とする市場である0次流通市場に特化したプラットフォーム「Makuake」を運営する。プロジェクト実行者の新製品やサービスの開発を審査し、商品化を望む消費者の資金を集約して支援する。中山亮太郎社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

中山社長は、流通形態だけではなく、いろいろな人の持つ力を投入していける世界観を目指すと話した。

中山社長は、流通形態だけではなく、いろいろな人の持つ力を投入していける世界観を目指すと話した。

―初値が公開価格を上回った
非常に期待してもらっている。期待がただの期待のままで終わらないように、しっかりと事業を伸ばしていく。

―ユーザー層の特性と、消費者に刺さる理由は
20歳代が多いと言われがちだが、30歳代後半から40歳代が多く、男性の方が多い。利用者や製品ジャンルの広がりとともに変わっていくと見ている。作り手の近くにいたいという潜在的なニーズが理由と捉えている。一般的な小売りの棚で誰が作っているか分からない商品よりも、製品の誕生に自分が関わっているという「応援消費」の需要が大きくなっている。

―競合他社との差別化要因は
クラウドファンディングで括られる会社は何社もあるが、一番大きな違いは、しっかりとリピートユーザーが積み上っていることと、地銀や信金と密に連携を強め、成果が出るオペレーションフローを構築していることだ。日本の津々浦々の優れた企業の獲得力とユーザーの定着力が頭一つ抜けている。

―新規ユーザーをどう囲い込むのか
バイラル性がありSNSで自動的に拡散される。新しい製品に関する「0次情報」が出てくるため、そこに興味を持つメディアが広げていく。広告費の投入についてはケースバイケースで考えている。

案件が増えるとユーザーが加速度的に増える状況が生まれており、引き続き実行者へのサービスとユーザーをどう大切にするかということに向き合っていけば、自動的に新規ユーザーは増えると考えている。

―実行者の審査過程で重視していることや通過率について
プロジェクトが面白いか否かはユーザーの判断に委ねるが、実現できるか否かは我々の企業努力として見ていく。ジャンルごとに必要な項目を磨き上げながら質を高めていく。上場資金の使途として審査のオペレーションの効率化のためのシステム投資を強めていきたい。

応援のプラットフォームであることを伝えることが重要と考えている。納期通り製品が届かないことは起こり得るため、ユーザーにどう理解してもらうかをサイトの表示などで担保していく。通過率は開示していないが全部通過するわけではなく、実現可能性を吟味する。

―審査を厳しくして2019年9月期第2四半期に決済総額が減少したが、どう厳しくしたのか。また、その後の増額の理由は何か
具体的な施策については言いにくいが、審査項目を増やし、ジャンルごとに細分化した。審査に必要な増員を抑えるために、攻めの開発に当たっていた人員を全てオペレーションシステムの構築に振り分けた。

その後に成長率が以前よりも増したことは想定通りだった。審査を強めマーケティングを弱める意思決定ができたのは、2018年度後半に、Makuakeが完全に市場に受け入れられ大きな仕組みになる兆しが見えたためだった。

ケタが違う大きなサイトになるうえで、その半年で守りの部分を構築するための社内のリソース配分とカルチャー作りが生きてくると考え、その後に開放すれば伸びると分かっていた。新しい製品を生み出したいというマーケットニーズと、自分の趣味嗜好に合ったものをいち早く手に入れたい、(作り手を)応援したいという消費者サイドのニーズが沸々と出ていた。

―中期的な業績の成長イメージは
継続的に今のペースの成長曲線を描いていきたい。

―調達資金の使途は
特に大きいところは開発と考えている。既にコアメンバーとして所属しているエンジニアはリーダーも含めて優秀だが、これまで潤沢な資金を投入できたかと言えば、昨今のプラットフォーム事業のインターネットのサービスと比較すると、圧倒的に少ない資金の大部分をオペレーションの効率化に振り分けてきた。

上場で得た資金を、引き続き効率化に投資しながら、ユーザーの使い勝手の良さを高め、新機能を追加し、androidのアプリをデビューさせ、既存のiOSアプリとともに徹底的にブラッシュアップしてリピート性の高いサービスを作っていきたい。そのほかにも実行者に便利な機能など作りたい物は多い。

―設備投資やサービス開発資金をMakuakeで調達することも可能と思うが、IPOを選択した理由は
資金調達が一義的な目的かというと、それに先立って、挑戦者たちの社会的インフラを目指していく思いが創業前からあり、いつかこの仕組みはパブリックカンパニーになっていくとイメージしてきた。信用力の向上という観点もあったが、資金調達という点でクラウドファンディングは検討しなかった。

―0次流通に取り組むということで、クラウドファンディングから離れようとしているのか、流通という形のブランディングをする考え方になった理由について
クラウドファンディングから離れていくつもりもないし、流通という言葉で定義することも考えていない。言葉に踊らされて伸び悩んだ時期があった。我々の社名やサイト名は「クラウドファンディング」ではないと思っており、その点を一生懸命説明していくのではなく、クラウドファンディングと付かず離れず、外部からどう言われるかに委ねるスタンスで、Makuakeが一体何なのか、どのような価値がありどのような場なのか、何を目指しているのかをマーケットにダイレクトに説明していきたい。そのよいきっかけなると思ったことが、今回の上場を選んだ理由でもある。

―投資対象が不明確な場合があるなどクラウドファンディングという言葉のネガティブな側面を回避する意図があるのか
ネガティブなところに引っ張られてしまうことは全く考えていなかった。(クラウドファンディングについては)投資信託的なものと予約販売的なもの、寄付のようなものが混在していると捉える人もいれば、NPOしか使えないというイメージを持つ人もいる。また、中小企業やスタートアップのためのものだと思っている人もいれば、大企業にもチャレンジの機会が与えられると捉える人もいる。ジャンルと規模に関する誤解が混在しているキーワードになっている。

前向きに捉えると、皆で育てたトレンドワードが大きくなった証でもあるが、代わりに幕の内弁当のようにいろいろな概念が混在している状態であるため、最近はクラウドファンディングが何なのかを一生懸命説明するよりも、Makuakeについて説明するタイミングなのではないかと捉えている。

―0次流通市場のプレーヤーのイメージは
同じようなインターネットのサービスで、メディアが手掛けるかもしれないし、展示会のような場でコンシューマーを捕まえるかもしれない。我々のパートナーとなる可能性もあり、イメージし切れていない。独占していくインフラではなく社会にとってあるべき仕組みであるため、いろいろなプレーヤーと提携しながら市場を育てていきたい。

―株式の売り出しで、サイバーエージェントの保有比率と今後の関係はどうなるのか
70%台から50%台まで減る。立ち上げ時に人材面では協力してもらったが、今は独自採用を行っている。これまでの協業はほとんどなく、イメージ以上に独立性が強い。このため、上場の準備をスタートできた。

保有比率が上がるとは考えにくく、自然の成り行きで徐々に下がっていく。サイバーエージェント側に強いこだわりがあるとは聞いていないため、独立性を応援してもらえると捉えてよいと思う。

―IRに対する考え方は
しっかりとコミュニケーションを取っていきたいが、幸いにも我々はBtoBとBtoCの両側面を持つため、ほかの企業よりも投資家の目に触れる機会は多いと思う。決算発表や適時開示の場を通して我々の理解を深める努力をしたい。

―配当政策について
成長途中で、まだまだ微力な会社と思っているため、引き続き安定的な成長を担保できるよう、しばらくは利益を内部留保に回していきたい。配当性向を保てない状況であることを真摯な気持ちで経営の課題と捉え、1日でも1年でも早く配当できる会社になっていきたい。

マクアケ<4479>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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