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上場会見:レオクラン<7681>の杉田社長、大規模医療施設に集中

2日、レオクラン<7681>が東証2部に上場した。初値は公開価格の2700円を8.15%上回る2920円を付け、3420円で引けた。同社は医療機関向けに機器・設備を販売するメディカルトータルソリューション事業を柱に据える。杉田昭吾社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

”狩猟型”商社について説明する杉田社長

”狩猟型”商社について説明する杉田社長

―初値が公開価格を上回った
株価は市場が決めることと認識している。創業メンバーとともに上場を考えてきた。4年ほど前、当社の営業モデルが全国の病院や医療機関に理解され始め、管理体制を増強しうまく運営できると判断し、本格的に上場を目指した。重みや責任を理解して、既存の事業を拡大させるとともに新規事業にも取り組み、成長させていきたい。

―事業内容について
医療機関の問題解決に資する包括コンサルティング型の医療機器商社だ。主力のメディカルトータルソリューション事業では、病院の新築時に当社が医療機器・設備を販売する。構想段階からのコンサルティングを入口に総合ソリューションを提供することで可能としている。遠隔画像診断事業は、契約先の医療機関から寄せられるMRIやCTなどの医療画像の診断サービスを行う。給食事業は介護福祉施設向けに、(急速冷却して保存し、再加熱して提供する)クックチル方式により食事を供給する。

―会社の特徴は
狩猟型の商社であること。医療商社の95%は医療の消耗品を軸にセールスを行い、売り上げの6割ほどになるところ、当社は提案・営業力を武器に、プロジェクト案件の獲得へ軸足を置いている。売上高の95%が医療機器・設備、情報システムの販売となる。多くの商社が消耗品を供給することから地域密着型になるのに対し、当社は全国36都道府県で実績がある。

独自のトータルパックシステムは、医療施設の新規開設に必要なサービスをワンストップで提供する。コンサルティングや設計事務所の支援、機器選定、メンテンナンスまで一気通貫で手掛ける。

病院の新設の際には、基本構想に始まり、設計・建築、医療機器の設置、開院・運用という流れになる。それに対し当社は、構想提案の段階で、構想そのものを策定あるいは策定支援をする。コンサルティングは病院を運営するオリエンテーションまで継続する。また、システム運用のための配置・導線が必要となり、当社のIT力がカバーする。次に機器選定に入る。選定メンバーが病院が調達する機器全てをリストアップする。それら全てのレイアウトを行い、メーカーごとに異なる仕様を把握し、ゼネコンに電気・衛生・空調など全てを手配する。

―強みは
コンサルティング機能を持つこと。これだけで他の医療商社と全く違う。子会社に業歴30年のコンサルティング会社があり、トータルパックシステムの入口になり、顧客の全体最適ソリューション提供の核となっている。

また、新規増改築の大規模顧客に注力している。この5年間の平均では396床の病院にサービスを提供している。全国平均では178床であるため、いかに大型病院に注力しているか分かると思う。

全国にメーカーや病院、設計事務所の豊富なネットワークがある。メーカーや、当社のコンサル機能を必要とする設計事務所や建築会社、顧客の院長、病院の上層部から直接案件紹介がある。協業する地域の主力ディーラーからも情報が流入する。この10年ほどで完璧にバランスがとれた全国展開となっている。ネットワーク拡大とエリア展開がうまく循環している。

―業績について
受注案件により波がある。2019年9月期の売上高は350億円、経常利益11億円で過去最高の更新を見込む。

―業績のボラティリティと受注残について
基本計画構想から機器の納入、最後の運用オリエンテーションに至るまで3年かかる。3年で売り上げが立つビジネスモデルだ。2020年9月期は18件を手掛けている。全体を見れば約60件のプロジェクトを管理している。2019年9月期の売上高は前期比140%で、我々のビジネスからは本来あり得ない。なぜかと言えば、東京オリンピック・パラリンピックなどによるゼネコンの受注調整で入札が不調になり、本来3年前に着工し2016~2017年に売り上げ計上すべき案件がずれ込んだ。3年タームで見てもらえれば右肩上がりで業績が推移している。

―KPIは
プロジェクト案件数だ。

―顧客について
ターゲットとなる高度急性期、急性期の病院が60%を占める。これらは機能維持のために最新の医療設備を必要とする。

2018年9月期に約5000床の病院のビジネスを手掛けた。2019年9月期で6500床ほどになる。ベッド一つ当たり700~1000万円の需要がある。200床なら14~20億円の需要になる。

―中期展望は
プロジェクト中心の商社で営業力強化が最重要課題。顧客スコープの拡大も目指す。遠隔画像診断や給食事業の領域も拡大しなければならない。複合医療ビルも運営しており、遠隔画像診断サービスを活かして画像センターを併設した大型クリニックモールの運営も視野に入れている。

―新規案件獲得の戦略は
当社は年間14件ほど受注している。20年間の平均で見ると、1年間に必ず100件ほどの新築案件がある。主力事業に注力すれば現在の倍の案件を獲得できる。この事業を19年営んでいて競合する他社は1社しかない。十数年の実績もあり、病院の院長や理事長など顧客から案件の紹介もあり、新築案件については不安を感じていない。

特に医療施設の統廃合の問題があり、その場面では当社のノウハウやコンサルティング力が非常に都合よく働いてくる。2~3年前に、三つの地域をまたいだ統廃合の案件があり、偶然我々が支援した医療機関だった。三つを一つにするための統廃合は難しい。経験も要求されるうえに、各責任者と話をする必要があり、普通のコンサルティング会社や医療機器商社にはできない。

―競合するシップヘルスケアホールディングスとの違いは
規模が違うが、売り上げの6~7割が消耗品である点で我々と事業内容が異なる。主たる考え方にも差異があると思う。さらに、運用や施設内の導線、ネットワークや電子カルテといった部分についてIT力が必要になる。当社ではIT事業部を内製化しており速やかに対応できる。

―複合医療ビル強化の狙いは
新規事業の構想の部分には入っている。画像センターとクリニックモールを合体させる医療ビルの運営で、それ以上の開示は控える。

―提携の方向性について
ヘルスケアに関する考え方が合う企業があれば、M&Aではなく、医療の新しい市場を作り上げることについて何社かと話をしたい。

―配当政策は
2001年の創業時から配当し続けてきた。配当しなかったことはない。上場して主力事業を拡大させ、新規事業に取り組み持続的発展によって継続的な安定配当をしていきたい。具体的な数値目標はあるが公表は控えたい。

レオクラン<7681>の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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