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上場会見:ギフティ(4449)の太田社長、金券・ギフト市場を取り込む

20日、ギフティ(4449)が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の1500円を25.33%回る1880円を付け、2060円で引けた。飲食・小売店舗などで、商品やサービスと交換できる電子チケット「eギフト」の生成・流通・販売を行う。発行する企業がeギフトを管理するシステム「eGift System」をSaaSで提供するサービスなども手掛ける。太田睦社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

eギフトの発行・利用企業にとってのメリットについて話す太田社長

eギフトの発行・利用企業にとってのメリットについて話す太田社長

―初値が公開価格を上回った
市場から非常に高い期待を持ってもらっている。一致団結して期待に応えていきたい。

―事業内容は
発行企業が生成したeギフトを、利用する企業や個人に流通させる。個人間や法人から個人へ、メールやLINEなどでコードを送付し、ブラウザに表示される電子チケットを店頭で提示して使う。コンビニの商品やスターバックスのコーヒーなど数百円の価格帯の商品が中心だが、1万円の旅行券と交換する高額ギフトもある。普通のクーポンと違い、一度利用すると使えなくする「消込」の仕組みを提供していることも特徴の一つだ。

個人向けサービスでは、スターバックスやギフティのWEBサイト、卸し先のLINEギフトなどから購入する。会員は125万人。法人が自社の顧客向けにアンケートへの謝礼などとして贈るビジネスもあり、導入企業は371社。例えば、保険会社がコーヒーを1000杯配りたいという場合、1000個のURLを発行する。自社のeギフトを生成する発行企業に仕組みを提供し、70社が導入する。新規事業として電子地域通貨サービスを手掛けている。

事業はプラットフォームになっている。発行企業の一号案件はスターバックスへの導入で、LINEやベネフィットワンが利用企業となった。そこにサーティーワンやGODIVAといった発行企業が参入した。ネットワーク効果で流通量が増え、2018年12月期実績で流通額が35億円になり、2019年12月期は60億円を見込んでいる。各種手数料や利用料、システム利用、発行・販売手数料が収益源となる。

―業績について
2018年12月期で売上高が11億円、経常利益が2億8000万円の着地になっている。2019年12月期の第2四半期については売上高が8億円、経常利益が3億円で、経常利益は昨年を上回り、さらなる成長が期待できる。個人向けから始まったが、法人向けサービスが成長を牽引している。

―市場規模は
金券市場は約8600億円で、そのうちeギフトは1200億円を占めている。ほかの、紙やプラスチックなどのギフト券については、eギフトが取り込んでいけると見ている。ギフト市場にも注目している。キャンペーンの景品で物品が配られるケースは、ギフト市場の1兆3000億円に含まれる。トヨタ自動車と事業提携し、店舗への来訪に対してeギフトを配る取り組みをしており、今後取り込んでいける。

―提供している価値について
発行企業へは新規顧客を送客する。ユーザーがeギフトを利用する際の「ついで買い」の機会の提供が価値の一つ。利用企業には新たなプロモーション手法を提供する。従来キャンペーンの景品に物品を送る場合、配送費などのコストがかかっていた。eギフトにするとこれらのコストをトータルで半減できる。また、キャンペーン予算内でプレゼントを少額にして当選者数を最大化させ、応募するモチベーションを高めることができる。プロモーションの段階ごとにプレゼントを実施し、効果を高めることも可能となる。

―競合環境について
eギフトの生成、流通、販売を一気通貫で手掛ける。LINEギフトは競合だが、そこで販売されるeギフトの8割を当社が卸しているため、販売パートナーになっている。

―成長戦略は
プラットフォーム拡大と海外展開にある。全国的に店舗を出店し、数百円で魅力的な商材を持つ第一群と、店舗数は限定的だが地域で魅力がある第二群の両方を広げていきたい。これまでは第一群に注力してきた。未導入の企業であってもコミュニケーションが取れており、先方のタイミングや当社の提案力向上により拡大できると見ている。地方では、トヨタやカーディーラーと協業していると、全国展開する発行企業の商品よりも、その地域の名産品にeギフトを使いたいという要望があるため、利用企業から寄せられる情報をもとに地域の発行企業の開拓が容易になると考える。

利用企業拡大のために、eギフトの用途の開発と既存サービスの業界内他社への拡大、他業界への顧客開拓を進める。

海外展開については、2018年10月にマレーシアに進出した。飲食や流通・小売のブランドが多く、通信環境も日本並み、かつ英語圏で、順調に推移している。寿司やタピオカミルクティー、ドーナツチェーンの3ブランドが導入している。

―このタイミングでの上場の理由は
約2年前から具体的な準備をしていて、社内環境を含めて準備が整ったため、できるだけ早くeギフトの認知度を高めていきたいとして、このタイミングでの上場となった。

―生成から販売まで一気通貫で手掛ける優位性は
eギフトのプラットフォームには発行企業と利用企業があり、それぞれにとって当社が提供する価値が異なる。発行企業にとっては、当社が利用企業を通じた販路を持っていることに価値がある。ギフトを生成すると複数のチャネルに販売し、送客できる。eギフトの生成しかしていない企業は、流通できず集客につながらない課題がある。

利用企業にとってはキャンペーン実施時に多様な顧客にリーチしたいため、飽きさせないよう、配布するインセンティブの種類を豊富にする必要がある。当社では一つの窓口で多くのギフト発行企業にアクセスして仕入れられる。70の発行企業が持つバラエティの点に優位性がある。

LINEギフトは、スターバックスのギフトの生成から手掛けようとしていたが、既に我々のeギフト生成の仕組みを導入しており、当社から仕入れることに収まった経緯がある。POSの回収や店頭オペレーションを一本化できることが参入障壁になっている。

―地域通貨サービスの現状と展望は
「Welcome!stamp」という電子地域通貨サービスを展開している。eギフトはスターバックスやサーティワンといった特定のブランドで使える専用券という位置づけになる。Welcome!stampはその地域で使える汎用券というイメージになる。各地でgiftee for BusinessやSaaSを広げていく際に、地元の商店街で使えるギフトにもニーズを感じたために始めた。2016年10月に長崎県の離島で使える「しまとく通貨」を電子化し、2017年9月には東京都の離島で「しまぽ通貨」を導入した。他地域の開拓を進めている。

―地域の金融機関とのコミュニケーションや金融業態への関心は
各地銀が地域通貨に取り組みたいという声はあり、各銀行との取り組みを検討しながら、キャンペーンで使ってもらうところから始まっている。決済サービス分野への参入は、現時点で予定しておらず、eギフトに特化していきたい。

―配当政策は
既存・新規事業ともに成長フェーズにあり、投資していくことが株主還元につながる。成長がしばらく続くと考えており、具体的な配当の予定はない。株主優待としてgifteeのコードを活用することも検討している。

 

ギフティ(4449)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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