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上場会見:ツクルバ(2978)の村上社長、住宅流通をテクノロジーで統合

31日、ツクルバ(2978)が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の2050円を付け、2117円で引けた。中古住宅流通プラットフォームの「cowcamo」事業とシェアードワークプレイス事業を手掛ける。村上浩輝社長が、東京証券取引所で上場会見を行った。

中古住宅市場の拡大について話す村上浩輝社長

中古住宅市場の拡大について話す村上浩輝社長

―初値が公開価格と同じだった
想定した価格と市場での期待の価格が同じで安堵している。今後も株主や社会の期待に応えられるように、業容拡大を一層頑張っていきたい。

―事業の内容は
創業から最初の4年はデザインを受託し、自己資本で黒字経営をしていた。4年前に外部資本を導入して、居住用の中古住宅流通プラットフォームに特化したITサービスcowcamo事業を始め、その急拡大に牽引される形で急成長した。現在の主力はcowcamo事業だ。

リノベーション・中古住宅の流通プラットフォームとしてのリーディングカンパニー で、独自のポジショニングとなっている。WEBやアプリで売主と買主をマッチングさせ、成約時に双方から手数料を受け取るビジネスモデル。個人会員の積み上がりで、取引件数と流通総額が比例して伸びていく。

私自身、住宅情報サービスのLIFULL(旧ネクスト)に所属してITサービスを作っていて、この業界ではプレーヤーが分断され、ユーザーが不利益を受けていると感じていた。自社オリジナルのシステムなどテクノロジーを使うことで、住宅流通の流れを統合し、ユーザーに支持されるプロダクトを作ろうと考えた。テクノロジーによる統合で、売主側500社超、買主である個人会員9万人、蓄積を続ける4000件以上のデータやオペレーション・ノウハウで、持続的な競争優位性を維持している。

―強みは
社内にエンジニアやデザイナーなどのクリエイター職を多数抱え、マーケティングや営業、カスタマーサポートといったオペレーション人材といった多様な職種を管理しており、組織的なケイパビリティー(能力)も強みの一つと捉えている。

―業績について
2018年7月期まで赤字だったが、2016年から始めたcowcamo事業への先行投資期間が終わり、収穫期・成長期となり、2019年7月期は大幅増収、黒字化を達成する見込み。

―上場のタイミングについて
前期が終わるタイミングで管理部門の強化によってガバナンスを確立し、cowcamoの回収期に入ったところがポイントだった。

―中古住宅流通市場の規模は
中古住宅流通市場は首都圏のみで1兆6000億円と非常に大きい。住宅ストックの高齢化や、嗜好の多様化、政府の後押しでリノベーション市場の伸びが特に大きい。cowcamoにユーザーが集まることで、ニーズが早く分かる。すると物件が早く売れ、売主が集まる。それによってさらに良い物件が増え、ユーザーが増えるというサイクルを既に実現している。

市場自体は伸びているが、市場の成長や活性化を牽引していきたい。具体的には、これまで適切な価格評価がされてこなかったリノベーションマンションなど中古住宅の適切な価格形成や、ユーザーの嗜好に合わせた住み替え促進による買い替え頻度向上などがある。

―市場関係者からは競合が多く、将来的な拡大を期待できないという声がある
統計データ上も事業を進めるなかでの実感としても、市場は拡大している。世の中に必要なサービスという確信を持って日々取り組んでいる。市場は伸び、我々は良いポジションにあり、しっかり業容拡大して証明できると考えている。

―直近数ヵ年の物件取扱数は
実際の成約件数は2017年7月期が80件、2018年7月期が137件、2019年7月期は第3四半期までで276件となっている。通期見通しは発表していない。今は回収期に入っており、高い成長を維持していきたい。

―平均成約単価はどれぐらいか
小池良平CFO:開示はしていないが、cowcamo事業の売上総利益が成約手数料に近いため、取引件数で割ると、ある程度の目安の数字になる(2019年7月期第3四半期は393万円程度)。

―cowcamoのエリア展開について
北原寛司COO:現在、首都圏の中でも東京都区部に注力してエリア展開している。ここ数年の成長に関しては同エリアに成長余地があり、マーケティングのターゲットが都区部に集中しており、浸透度を高める。場合によっては地方展開を否定するものではない。まずは首都圏、東京都区部での成長を実現する。

―cowcamoの事業規模拡大イメージは
村上社長:現在会員数が9万人で、MAU(月間アクティブユーザー数)が期中平均で4万人となっている。都区部だけで、MAUについては10倍の拡大余地がある。さらに首都圏に広げると、統計上その2.5倍に拡大できる。顧客からすると、いろいろなポータルサイトがある。複数のメディアを見て選ぶことになるため、上限まで増やすことは可能で、なるべく早いタイミングで、後続企業が追い付いてこられないレベルまでアクティブユーザーを増やしていく。

―中村真広CCOのCO(コミュニティ・オフィサー)とは
中村CCO:創業期には経営(村上社長)とデザインのツートップで、当初はチーフ・クリエイティブ・オフィサーと名乗っていた。デザインの責任者が経営トップにいるということが珍しい頃、プロダクトなどのプロデューサー的な役目を担っていた。組織が拡大していくなかで、ヒト・組織、対外的なIRやブランディングに近いコミュニケーション・デザインなど、世の中と対話する際に、会社を中核にしたコミュニティを作ることが適切と考え、チーフ・コミュニティ・オフィサーと名称を変えた。ユーザーや潜在ユーザーを含めてコミュニケーション戦略を担当する。

―シェアードワークプレイス事業の現状と今後は
村上社長:現段階でいま実現していないことよりは、実現したことを見てもらうために会社説明資料を作った。シェアードワークプレイス事業は祖業であり、市場も非常に大きく、将来、世の中に必要なものと考えている。ワークスタイルの変化などで魅力的な市場であり、我々には取り組む意思もある。現段階で事業や利益に貢献していないため、今後の展開を今回の資料に入れていない。売却することはなく、拡大する意思はある。

―調達資金の使途は
小池CFO: cowcamoを通じた広告宣伝や、システム開発に活用する。

村上社長:システムを内製化しており、オリジナルの業務支援システム開発やユーザーが利用するプロダクト開発に充てる。

―株主還元について
累積損失の早期解消を目指すが、現在成長過程にあるため、配当よりも事業への再投資による業容拡大によって株主に還元していく。将来的には配当などで還元することも視野に入るが、現時点では考えていない。

ツクルバ(2978)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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