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上場会見:ブシロード(7803)の橋本社長、ワンストップでヒットを量産

29日、ブシロード(7803)が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の1890円を16.61%上回る2204円を付け、2138円の終値で引けた。知的財産を開発・取得・発展させるIP(知的財産)デベロッパーとして、エンターテインメントとスポーツ事業を複数のメディアで展開する。橋本義賢社長らが、東京証券取引所で上場会見を行った。

 

IPデベロッパーについて話す橋本義賢社長

IPデベロッパーについて話す橋本義賢社長

―初値が公開価格を上回った
市場からこのように認められて喜んでいる。今後とも支持してもらえるように開示を行い、信頼を一つ一つ積み上げていくことは、これから始まったばかりと考えている。

―事業内容は
IPビジネスをする会社で戦略・理念にIPデベロッパーを掲げている。エンターテインメントとスポーツセグメントで構成されている。我々の業界では作品やキャラクターをIPと呼んでいる。これをゼロから作り、進化・発展させていくところまで、市場動向を見ながら、宣伝かメディアミックスかを迅速に判断して適時に実施し、一貫してグループ内で完了できることが強みであり、戦略と考えている。

エンターテインメントでは、アニメやゲーム、音楽、メディア、グッズ関連ビジネスを手掛けている。トレーディングカードゲームは60ヵ国で販売、20ヵ国で公式の大会を開催し、年に一度、各国のチャンピオンを集めて東京で大会を行う。大会運用型のビジネスになっている。

オンラインゲームは自社と他社IPでゲームを作っている。リアルの体験を重視しているため、オフラインで対戦するイベントを開催している。音楽部門はライブを基礎にしており、ゲームの「バンドリ!」もライブを起点とし、自社所属の声優がいる。バンド活動で楽器を弾き、Twitterでプロモーションもしてもらう。

グッズについては、自社イベントやEC、TSUTAYAやアニメイト、ゲームセンターなどに供給している。メディア部門では自社出版物を発行している。また、アニメファン向けにラジオや動画を制作して配信する。アニメへの出資も行っており、配分金はメディア部門に計上している。メディア・プロモーションミックスで、ワンストップでのヒット量産システムを構築している。このような仕組みに、新しいIPやくすぶっているIP、日の目を見ていないIPを投入して成長に導いていく体制が整っている。継続的にビジネスを積み上げていくモデルを作り上げており、新しいIPを上乗せすることで成長する。

その一環として、新日本プロレスを2012年にグループに迎えた。我々は選手をIPとして捉えている。非常に良いIPにも関わらず売り上げが低迷していたため、メディアミックスやプロモーションミックスで、観客動員数が3倍に、売り上げも5倍に成長した。

―プロレス事業について

コト消費を重視するハロルド・ジョージ・メイ取締役

コト消費を重視するハロルド・ジョージ・メイ取締役

ハロルド・ジョージ・メイ取締役(新日本プロレスリング代表取締役社長兼CEO):47年の歴史がある団体だが、2000年代に入り業績が低迷した。2012年にブシロードに買収されV字回復を果たし、2018年に過去最高の売り上げと利益を達成した。年間150試合、満員率が95%と好調に推移している。

スポーツコンテンツとしてファミリー層に好まれ、顧客の4割が女性で1割が子供となっている。海外でも非常に人気が高まっている。世界で2番目に大きい団体だが、今後は、世界のどこにいても新日本の魅力や素晴らしさを体験し、ライブや過去の試合を楽しめるように、現在10万人の動画サービス会員数を拡大する。また、世界10ヵ国でのテレビ放映や、海外興行を増やす。新日本のプロレスを好きになってもらい、日本を代表するスポーツコンテンツになっていくように日々頑張っていきたい。

―このタイミングでの上場に至った経緯は
橋本社長:一つはIPデベロッパーというビジネスモデルが構築できた。それによって会社のビジネスの安定を確信できたことにある。もう一つは大人向けのアニメ・ゲームといった市場が認められ、確信に変わったタイミングだった。海外で日本アニメのファンが増加しており、こちらの期待感を確信できたためこのタイミングを選んだ。

―一部市場上場の見通しは
遠くない将来に考えている。当初は翌年にステップアップすることも考え、形式用件を満たしており可能と考えていた。だが、東証の要件見直しが進んでいることや、2年連続で上場準備をすると、いま手元に抱えている事業活動に制約が出てくることを考慮し、来年はないと考えている。

―IP獲得における戦略は
新日本プロレスの買収については、リングの中では素晴らしいIPを持っていたため、リングの外での活動に注力した。例えば選手にTwitterを始めてもらう、テレビに出演してもらう。様々なプロモーションミックスを行うことで現在の姿になっている。このように世の中にはいい作品があって、表に出ていないものがたくさんある。当時の新日本プロレスのようにくすぶっていた作品もある。

メイ取締役:もう一つ大事なポイントがある。IPデベロッパーとして活躍するだけでなく、IPをほとんど全てインハウスで市場に持っていくことができる。自社の声優や選手、出版も音楽会社もあることは速いし、自社内で完結できることは他社にはない特徴だ。

―事業環境は
橋本社長:日本アニメの国内・海外市場が2017年に2兆円を超えている。ゲーム市場も右肩上がり。国内は一旦止まっているように見えるが、世界では伸びている。海外で日本アニメが伸び、それに従ってゲームも伸びていくと見ている。

―パイプラインは
ヒットを生み出す仕組みができたところに投入する作品としては、声優がDJ活動を行う「D4DJ」がある。ライブ活動を通じてユーザーの土台を作り、アニメ、ゲーム化によるメディアミックスを展開する。新作IPとして「ARGONAVIS」というタイトルで男性声優によるライブ活動も始まり、来年以降のアニメ、ゲーム化を想定している。モバイルオンラインゲームについては、カードゲーム「ヴァンガード」の新作アプリや「ラブライブ」の新規タイトルも2019年内の配信を予定している。

―スポーツ事業への期待は
セグメントを分けてはいるが、IPビジネスの一つとして共通であると捉えている。顧客ターゲットやマーケティング手法は異なるが、会社内で連動できる部分はたくさんある。バックオフィスや工場などの発注先を共有できる。実施した戦略の当否などノウハウの共有もでき、我々のプロモーションミックス戦略もさらに成長できる。

メイ取締役:もう一つ非常に期待されていることは、マクロ的な話になるが、日本経済はどちらかといえば、ものづくりに偏っている。これからはモノより、体験や思い出などコトが重要になってくる。日本から輸出できるコトはスポーツ・コンテンツがある。ベースがあり世界的に消費者に受け入れられるものはプロレスなのではないか。プロレスは、文化や言葉の壁がなく世界で流行している。

―新日本プロレスの社長として、どの部分に注力するのか
一つには可能性が加速する。また、上場しているからこそ、顧客の目線を絶対忘れない。もう一つは上場により透明性が増し、社会的な信頼を得られる。プロレスに限っては、残念ながら社会の偏見がまだ残っていると感じるときもある。例えば信頼を得ることでスポンサーが気楽に応援してくれることにつながっていく。海外の選手もきちんとしている会社でリングに上がりたいと思う気持ちにもなる。社員や選手のモチベーションも高まる。

―メイ取締役が新日本の代表者となった狙いは
橋本社長:海外の映像ビジネスを強化する狙いがあった。マーケティングの経験とプロレスが好きということもあった。

―メイ取締役の目指すところは
メイ取締役:日本のかっこいいものはいっぱいあるはず。たとえばバンダイのガンダムのプラモデルが売れるのはかっこいいから。そういう成功例を作っていきたい。スポーツコンテンツで、これができるのであれば、あれでもこれでもできるというようにしたい。プロレスはかなり海外で通用するコンテンツなだけに、もっとグローバル化させれば日本経済の良い刺激になると思う。

―プロレス以外のスポーツへの水平展開の可能性は
我々のビジネスモデルは眠っているIPを再燃させるため、いろいろなものに当てはまる。一から作るものもパートナーシップを組んで作るものもあるが、低迷していても素晴らしいものがあれば再燃させることも一つのポイントだ。

―調達資金の使途について
橋本社長:IPデベロッパーなので、IPに対して投資をする。具体的には、アニメ制作、ゲーム開発、広告宣伝、人材開発を考えている。広い意味ではIPを既に持っている会社とのアライアンスも想定している。

―アライアンスの具体的な計画は
いまは特にないが、思いを巡らせている。

―主要株主であったグリーとの関係は
当社のIPデベロッパーの部分を提示することもあるし、我々としても、ゲームの世界について学ぶところは多い。提携関係は維持しながら、資本に関してはしばらく動きはないと考えている。

ブシロード(7803)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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