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上場会見:Link-U(4446)の松原社長、ソフトとハードの掛け算で差別化

18日、Link-U(4446)が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の2820円を104.26%上回る5760円を付け、終値も同額だった。オリジナルサーバーを活用したサーバープラットフォームビジネスを展開する。松原裕樹社長が、東京証券取引所で上場会見を行った。

松原社長は、今後発展する情報関連技術についても、擁する技術陣によりキャッチアップしていけると話した。

松原社長は、今後発展する情報関連技術についても、擁する技術陣によりキャッチアップしていけると話した。

―初値が公開価格を上回った
期待してもらっていることの現れとして嬉しく思うと同時に、身が引き締まる。株価は、これから我々の業績の推移で適正化されていくため、尽力していく。

―事業概要は
サーバープラットフォームビジネスを提供している。自社で設計し最適なパーツを発注して組み上げたオリジナルのサーバーをデータセンターに配置し、高速回線を引き、配信システムを構築している。配信するコンテンツや、配信により蓄積するデータを分析・処理するAIソリューションを搭載し、パッケージとして提供する。

―オリジナルのサーバーを組むことは難しいのか
我々はスーパーコンピューターやチップの研究をしていたメンバーが中心になっており、非常にハードに強い。こうした背景を活かして自分たちで組み上げている。現在はサーバーをクラウドに変えてしまってソフトウェアで違いを見せることに目が行きがちだが、我々はソフトウェアとハードウェアの掛け算で差別化になると考えている。

―サービスの優位性は
自社専用回線を引き、インターネットの中心である大手町に近いデータセンターにサーバーを置き、遅延が少なく高速であること。また、プロジェクトごとにサーバーの設計を最適化し、低コストとなる。さらに(収入や売り上げを予め当事者間で定めた比率で分配する)レベニューシェアで報酬を受け取ることが多い。顧客に素早くデータをフィードバックすることが重要と考えており、サーバーの台数を少なくし、高速集計する技術を搭載している。

―収益構造について
レベニューシェアとサブスクリプション収益で月次の売り上げが立つため、収益基盤が安定している。大きな開発の場合には開発費を別に受け取る。

例えば、小学館からリリースされるアプリ「マンガワン」は、レベニューシェア契約を結んでいる。コンテンツ配信からアプリの開発、運営、マーケティングまでを担当する。集英社の「Manga Plus」では海外向けサービスで、同様にマーケティングまで手掛けている。

―サービスの基本プランはどのようなものか
運営・アプリ開発、サーバー運用まで全て手掛けるパターンと、サーバー運用だけを担当するパターン、サーバー運用と裏側のシステムを作り、アプリ開発はクライアントが担うパターンがある。規模としては3等分ぐらいだ。

―提供するサービスのタイプとして望ましい在り方は
どちらにもメリットがあるため、規模によって取捨選択する可能性はあるが、基本的にはどのパターンも受けたい。サーバー運用の担当のみでサービス数が増えればポートフォリオの売り上げのバランスが取れる。全て任せてもらえるのであれば売り上げの絶対値が大きくなる。

―顧客のスイッチングコストが高く継続利用を見込めるようだが
費用面より労力がかかるという意味になる。サーバーの台数を少なくして3台で運用している。既存で動いているサービスをクラウド環境に移行するために、データを分散させ同期することは大変な作業になる。そういった点もスイッチングコストとして効いてくる。

―配信コンテンツの対象は
画像や動画の配信を中心としているが、配信対象を問わない。動画のストリーミング配信実績もあり、同じように配信できる。大規模な配信かデータ収集のいずれかがあればよく、様々な領域に進出していく。5Gを控えたいま、配信ファイルはさらに高解像度、大容量となるため、それがボトルネックになる事業者が出てくると見越し、広くサービスを提供していきたい。

―目指す姿は
大きく三つ考えている。サーバープラットフォーム自体の成長については提供商品を増やし固定収益を積み上げる。海外ビジネスについては、国内の既存顧客が進出することをサポートする。既に北米や南米、欧州、アフリカに進出しており、ユーザーの投稿やデータを収集しながら、どんなビジネスがヒットするかブラッシュアップしている。また、メディア運営ノウハウを活かしながら自社メディアを立ち上げていく。内外でポートフォリオを作りながら、盤石な経営体制を築きたい。

―アプリ関連事業への依存リスクについては
そのため別の事業にどんどん進出していこうと考えている。マンガ以外の分野でも収益の柱になるものをきちんと作っていこうとしている。当然マンガに関しても既存顧客のサービスを伸ばしていく。

―マンガの著作権についての考えは
出版社のサービスを担当し、他社から借りてきているものはないため、著作権管理はされていると認識している。逆に世間の問題意識が芽生えて正規サービスを利用してもらえるチャンスが大きくなっていると捉えている。

―WEBサービスの市場規模について
マンガの市場は4000億円ほどあり、デジタル化はそのうち50%ほど進んでいる。年間成長率は20%ほどで、まだまだスマートフォンの普及とともに伸びていく。

―国内市場で他のマンガ関連サービスと比較した優位性は
マンガのみを手掛けているものではないことが一つ。マンガのサービスが増え続けても、アプリの開発会社と組み、サーバー運用のみ担当するなど柔軟にいろいろなサービスに関わることが可能と考えている。

―どんなものが読まれているのか
データを取りながら調査中だが、サービスは出版社のものなので公表は差し控える。

―今後最も伸ばしていきたいサービスは
5Gの時代に合わせて動画の配信を、より手掛けていきたい。現在は画像が中心だが、トラヒックコストがかかりやすい動画で顧客のメリットを訴求していきたい。

―動画配信のイメージはNetflixのようなものか
映画やアニメ、ドラマの配信をイメージしている。動画に関しては、創業当初から圧縮技術に力を入れており、最適化して配信する技術を持っている。

―IoT領域についての関心は
IoTについては、配信というよりは溜まったデータの収集や分析に労力がかかる。まずデータ分析の部分についてはコストカットできる。大量のデータを保有するだけでもクラウドサーバーではお金がかかってしまう。また、データを高速に集計するサービスは既にエンタメ分野での実績があるため、いちはやくIot事業者に分析サービスを提供できればと考えている。

―業績について
2019年7月期は売り上げ10億円、営業利益4億円の着地を見込んでいる。前期は海賊版サイトの影響で一時的に減少したが、政府主導の施策があって以降、収益は回復した。

―KPIは
サーバープラットフォームビジネスでは継続率を重視する。解約事例がほとんどないため非公開だが、当社が目指す数値を上回っているため、特に問題にはなっていない。

―資金使途について
採用を強化していきたい。年間の案件立ち上げ数や、捌くトラヒック量が伸びていくため、プロジェクトを回すリーダーの増員に充てたい。顧客とともに手掛けていくサービスや自社メディア立ち上げの際の広告宣伝費もある。

―配当政策について
内部留保や財務基盤を築き、経営体制をしっかりしていきたい。その体制が出来上がったら、株主への還元を考えていく。

 

Link-U(4446)の情報はこちらでご覧いただけます。
[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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