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上場会見:ピアズ(7066)の桑野社長、現場目線のコンサル集団に

20日、ピアズ(7066)が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の3620円を51.93%上回る5500円で、終値は5230円だった。通信業界に特化したコンサルティングを手掛け、携帯端末の販売代理店の店舗コンサルティングや人材・ITソリューションを提供する。また、外国人人材に知識とスキルを伝え、販売代理店への就職を斡旋するピアズグローバルアカデミーを運営している。桑野隆司社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

現状では販売代理店の2割程度をカバーしている状態で、既存ビジネスについて十分なニーズがあると話す桑野社長

現状では販売代理店の2割程度をカバーしている状態で、既存ビジネスについて十分なニーズがあると話す桑野社長

―初値が公開価格を上回った。
自分たちで予想していたよりも高い株価を付けてもらった。投資家からの期待と受け止めており、役員一同浮かれることなく、株価の時価総額を上回る価値を出していかなければという重い責任とともに期待に応えられるよう頑張っていきたい。

―企業の概要について
通信業界の、特に販売現場・店舗チャネルに強い課題解決型のコンサルティング集団で、通信業界の前線で働くなかで様々な課題や問題を感じることがあり、少しでも業界を良くして、働く人たちにとってハッピーで顧客にも喜んでもらえる現場を作りたいと創業した。携帯端末の成熟期にスタートした会社だが、課題が増えた成熟市場で力を発揮する。

―ビジネスモデルは
通信キャリアや端末メーカー、代理店からの現場に関わる相談が多い。昨今は上流の相談を受けることもあり、現場の課題を解決して収益を改善しクライアントに還元される。

2005年の創業当時は携帯電話の新機種を出せば売れる時代で、店舗での人手不足を解決していた。商材が増えるに従って、現場のオペレーションやセールスで、知識やスキル不足が問題となったため、研修コンサルによる業績向上に取り組んだ。消費者保護や働き方改革の動きなどで通信業界の現場への要請が強まり、店舗全体の運営コンサルも手掛けている。

―事業の強みは
組織に自信を持っている。ただ若いだけでなく、活気があり柔軟性を持っている。この組織力と、業界の様々な層の人たちとコミュニケーションを取ることで、情報収集力を活かして変化に適応している。

ただ人を増やせば良いわけではなく、こだわった採用基準で、業界のなかでは比較的多いエントリー数に対して採用を絞っている。良い人材を獲得して、独自開発の自立性を高めるプログラムで事業家感覚を持つコンサルタント育成を若い頃から施していく。独自の評価制度に基づく表彰で若い人たちのモチベーションを高く維持できる。2016年以降、組織マネジメントに関わる賞を受賞している。

この組織力を活かして、全国の現場や、業界の上流から下流まで各層へのアプローチを常に行い、新鮮な情報を得ることが可能で、変化を予測できる。面の広さと深さから獲得するバランスシートに載らない情報資産で、次の事業戦略を考えていく。変化に対応することでトップラインだけでなく営業・経常利益率を高めてくることができた。この業界はまだまだ大きな変化が来ると考えており、より一層成長していきたい。

―成長戦略は
足元の店舗コンサルの数を増やすだけではなく質を高めていく。コンサルタントの増員と育成強化に積極的に投資をして、これまでと違う戦略で採用数も加速していきたい。離職者に再び活躍してもらうスキームや、外国人人材にスキルを身に着けてもらうといったことにも着手している。

通信業界でも非通信ビジネスが大きく加速しているため、成長の余地がある。RPAを利用した店頭の業務負荷分散の取り組みは通信業界以外でも通用すると考えており、コンサルティングを行うことで人手不足を解消していきたい。オリンピックに向けてポイントビジネスやキャッシュレス化が進むなか、通信業界も力を入れており、そこへの営業支援もすでに行っている。

新領域のビジネスとしては、離職率が高く人材育成に時間がかかる通信業界で行ってきた運営支援のノウハウを基礎にしたプログラムを別の業界に提供する。経営者や中間管理職、新人向けに展開し、組織を一枚岩にするコンサルティングを検討している。それらをサポートするデジタルツールの開発にも着手する予定だ。組織マネジメントを活かしたKPIを可視化し、サポートする。

自動車業界や保険業界の顧客接点の場など高付加価値を提供する人材育成を想定している。当社に見学に来る成長中のベンチャー企業にも組織の悩みがあるため、そこに向けた展開も考えている。

通信業界の店舗コンサルティングとして上場したが、今後は業界を越えて、現場目線のコンサルティング集団になっていきたい。

―上場をいつから考えていたのか
しっかりと準備に取り組み始めたのは2年半ほど前になるが、5~6年前に先輩の会社が上場して、それを喜ぶ社員や(会社の)成長の様子を見て、そういう会社でありたいと思ったことがきっかけだった。

―端末販売コンサルビジネスに期待を持ちにくいという市場の声があるが
一意見としてはひょっとしたらその通りかもしれない。店舗数が減っており、通信キャリア自体も収益が下がっている状況にある。ただ、我々のサービス提供は追い付いていないし、これから必要になってくるというニーズは感じている。いましばらくは既存ビジネスにニーズがあるが、中長期的には定かではないため、店舗コンサルから組織コンサルに注力して併せて成長していきたい。真摯に受け止めたい。

―携帯端末の契約の縛りを緩和する流れは事業に影響するか
違約金の額が下がるとなると、エンドユーザーでも店頭に来店して説明を受けたいという人が増え、向き合う必要が出てくる。納得してもらったうえで、端末を買い替えたりプランを変更してもらうというセールスオペレーションを店舗から求められる機会が増えてくると思う。変化が起こっていること自体は好材料と捉えている。

―通信分野での中長期的な商機は
一つは人材不足がある。来年には5Gが登場し、技術的なイノベーションを含めてアップデートする材料が増える。我々が店頭を支援する機会も広がると思っている。

―5Gが始まるとどうなる
新料金プランやサービスが出てくると、顧客に積極的に提案する必要がある。顧客はサービスが出ると飛び付くわけではなく、サービス自体が便利だと分かったうえで使ってもらわなければならない。そのためのセールスを行うことが我々の商機につながる。

―組織コンサルの強みは
二つの視点があると考えている。一つは、会計目線の損益計算書やBSをKPIにして、携帯電話で言えば何台売っていくら儲かったかと向き合う。ただ、顧客自体は捌けないぐらい来店している。一方では労働市場の問題がある。良い人材を獲得していくためにはES(従業員満足度)やエンゲージメントといったことが指標になる。働く人たちが満足していく組織マネジメントをしなければ労働市場から見向きもされず業績面にも影響が出てくる。我々はどちらがいいかということではなく、商品市場と労働市場両方にバランスよく向き合う必要があると考えており、両面からサポートする。

―KPIは
会計目線では、営業部門では粗利益や、役員ではBSの自己資本比率など一般的なものを見ている。労働市場の観点からはESが可視化されているが、それ以上に自分たちで提唱している働き甲斐などを可視化したEH(従業員幸福度)を追求していく。社内向けには実際に運用しており、社外向けには整備を進めている。

―EHは店舗で働いている従業員についても重視するのか
提唱している考え方を伝え、店舗でコンサルする場合にも調査して状態を把握する。課題を察知したコンサルタントが柔軟なプログラムを提供する。すべての店舗でというわけではないが積極的に活用している。

―グローバルアカデミーの今後について
通信業界では外国人人材の登用が遅れている部分がある。採用しても続かないということだった。人種や言語が原因と考えられていたが、実はそうではない。しっかり育成してフォローした結果、離職率が低くなっている。これからも人員を充実させていくために卒業生を増やしていく。一方、外国人人材だけでなくシニア人材のなかにも活躍の余地や就労意欲のある人が多いため、職業訓練を広めていければと考えている。

―他業種にも人材を供給する予定はあるのか
人材ソリューションサービスの一つとして、外国人やシニア人材を紹介していくことも考えている。

―株主還元は
上場はスタート地点と捉えている。これから自社の事業を拡大し将来的には1部への市場変更も視野に入れており、マザーズ市場の間は成長投資に回して、株主優待も含めて配当は考えていない。

 

ピアズ(7066)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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