CAPITAL EYE

株式・債券の発行市場にフォーカスしたニュースサイトです。

上場会見:トビラシステムズ(4441)の明田社長、アポ電もブロック

25日、トビラシステムズ(4441)が東証マザーズに上場した。初値は付かず、公開価格の2400円の2.3倍となる5520円の買い気配で引けた。ネットを利用した犯罪からスマートフォンなどの利用者を守るセキュリティ製品・サービスを提供する。日本全国の迷惑電話に関する情報を保有・更新し、特殊詐欺などを防止する「迷惑情報フィルタ事業」などを手掛ける。明田篤社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

広告ブロックアプリについてもこれから利用が拡大していくと話す明田社長

広告ブロックアプリについてもこれから利用が拡大していくと話す明田社長

―初値が付かなかった
非常に高い期待があると感じると同時に、きちん応えて業績を残していかなければいけない。

―事業の概要は
迷惑情報フィルタ事業は、モバイルと固定電話、ビジネスフォン向けフィルタサービスの三つからなる。警察組織や利用者からの情報提供、独自の調査活動で、約7億件の電話番号データを収集・分析する。独自のアルゴリズムで迷惑電話情報をデータベース化し、自動的に拒否する。

モバイル向けはNTTドコモやau、ソフトバンクといった大手通信キャリアのオプションパックにアプリを提供している。アプリを端末にインストールすると、初めて掛かってくる迷惑電話を検知し、ブロック・警告する。発信者自動表示機能もあり、我々のデータベースにある迷惑電話以外の会社や公共機関、レストランなどの番号が表示される機能も人気がある。

固定電話向けは、フィルタ機能を備えたIP電話のルーターが、データベースを参照して迷惑電話をブロックする。現在KDDI系列の2社が採用している。

ビジネスフォン向けには、企業にもさまざまな勧誘電話がかかってきて困っているという声を受け、昨年から「トビラフォンBiz」を販売している。会社の電話の主装置につなぐことで会社全体を迷惑電話から守ることができる。セールス電話に対応する時間を削減し営業効率の向上に貢献するほか、通話録音機能がありコンプライアンス強化や受発注ミス低減にも効果がある。

―特徴は
社会貢献性が高く、話題のアポ電(詐欺)もブロックできる仕組みになっている。

―事業の強みについて
継続課金型のストックビジネスにある。月間利用者数が堅調に拡大しており227万人を超え、直近1年間で100万ユーザーが増加している。2019年10月期第1四半期の経常利益率は47.9%だった。

大手通信キャリア全社に認められてオプションパックに選ばれたフィルタリング性能も参入障壁になっている。通信キャリアが提供するオプションパックに採用されるためには、製品の品質や有用性が問われる。迷惑電話対策製品として唯一我々が採用されている。

また、固定電話での迷惑電話は全体の約20%を占めており、我々のデータベースはこの迷惑電話の99%を検出できる。関連技術の研究開発に注力し13件の特許を申請し10件を取得している。さらに、人手で一件一件確認してデータベース品質を高めている。具体例としては、解約確認のプロセスがある。解約された迷惑電話の番号を確認しデータベースから削除している。迷惑番号として登録されてはいけない番号を確認している。誤検知率も毎日チェックしており平均0.1%と品質は高い。

全国の警察組織とアライアンスを組んでいる。各地の組織と実証実験を繰り返しフィルタの有効性が評価されている。高い信頼を獲得し、犯罪に使われている電話番号を毎日受け取っている。

顧客獲得コストの低い収益モデルになっている。顧客獲得は通信事業者が行うため、我々はデータ収集・分析、サービス提供、メンテナンスにリソースを集中できる。費用のほとんどが固定費なので限界利益率は約90%となる。

―成長戦略は
電話が初回接触手段となる特殊詐欺の被害が高止まりし、アンケートによると迷惑電話対策のニーズは強いが対策を実施していない人たちが66%となっており、その人たちにサービスを提供していきたい。携帯電話の契約数1億7000万件のうちオプションパックの契約件数は25%にとどまり、そこから推定すると未契約者の市場規模は約483億円となる。固定電話での利用者獲得の機会もある。2025年に東西のNTTの固定電話用信号交換機が維持限界を迎え、IP電話に移行するが、そのタイミングでサービスを提供し、飛躍的な利用者増が期待できる。

法人向けサービスでは、昨年から代理店獲得を始めており、市場は十分に存在すると考えている。

現在ソフトバンクのみに提供しているSMSを使った迷惑メールフィルタを、auやNTTドコモに水平展開し収益力を強化する。背景には各キャリアが通販業者やコンテンツ事業者に偽装した架空請求詐欺の急増への対策を急いでおり、利用ニーズがある。また、蓄積したノウハウを活用し不要な広告や危険なサイトへ誘導する広告をフィルタするアプリ「Netcomfy」の普及を図る。日本では広告ブロック市場がまだ3%と小さく市場拡大の余地が存在する。

―競合はいないのか
無料提供のアプリや海外のアプリがあるが精度が圧倒的に違い、競合とは捉えていない。競合は事実上存在しない状況にある。

―現預金が多いが、資金効率化の戦略は
後藤敏仁取締役:現預金の比率は大きいが、まだ貸借対照表全体では軽量になっており、資産を効率的に活用できている状況と考える。ある程度の規模まで大きくしていき、新規事業への投資の原資としたい。

―警察に信頼されているのか
明田社長:警察から寄せられる番号のデータにはすでに解約された番号も含まれる。その番号がデータベースに登録されると、他の人がその番号を使い始めた時に、いきなり迷惑番号になってしまう。そのようなことがないようにきちんとチェックして、犯罪に使われているか確認して登録しており、そのデータベースを精査する技術力が評価されている。

―新規参入するキャリア向けには
テクノロジーの進化と同時に犯罪者も進化し、新しい巧妙な手口が広がるため、当社のサービスは全ての人に使ってもらいたい。いまは大手キャリアとの連携が優先されているが、他の通信キャリアとの取り組みも同時に進めていきたい。今年3月からはワイモバイルのシニア向けスマホには全台プリインストールされている。順次拡大していきたい。

―SMS配信業者とのアライアンスは
SMSについては、ソフトバンクとの協業以前にはフィルタリングが一切なく、番号さえ分かればどんな内容のメールも送ってしまえたが、大量に送信するシステムを使って詐欺が広がる可能性はあり、情報提供をして詐欺SMSを防止する取り組みは十分可能と考える。

―サービスの認知度向上に、有用な番号を通知する側面をアピールする切り口は
迷惑電話対策と聞くとピンとこない人でも、知らない電話番号から電話を受ける経験は100%あると思うので、その側面を打ち出していくことも社内で考えている。

―広告戦略は
現時点では引き続き通信キャリアを通じての提供を増やしていきたいが、警察や地方自治体での認知度が高まっており、自社ブランドを訴求する戦略もあり得る。

トビラシステムズ(4441)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]

 


CAPITAL EYE © 2016
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社キャピタル・アイは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社キャピタル・アイ及び情報提供者に帰属します。本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。