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上場会見:ハウテレビジョン(7064)の音成社長、ユーザーを育む

24日、ハウテレビジョン(7064)が東証マザーズに上場した。初値は付かず、公開価格の1210円の2.3倍となる2783円の買い気配で引けた。難関校の大学生の登録を背景に、外資系企業など入社難易度が高い企業の募集情報を掲載するプラットフォームの「外資就活ドットコム(外資就活)」を持ち、卒業生向けの「Liiga」では、人材エージェントや企業から、人材データベース利用料や成果報酬を回収し、スカウトする権利を販売する。音成洋介社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

面接対策などに、動画コンテンツを取り入れることも手法の一つとしてあり得ると話す音成社長

面接対策などに、動画コンテンツを取り入れることも手法の一つとしてあり得ると話す音成社長

―初値が付かなかった
米国の景気や需給の問題、投資家の動向があるが、じっくり見ている状況で、我々としては正しい評価がされればいいと考えている。我々のサービスや売り上げは発展途上なので、今後しっかり成果を出していくことで株価に反映するように頑張っていきたい。

―事業の特徴は
三つあると考えている。一つは会員のうち難関大の学生が80%を占めている独自性。ハイクラス学生とハイクラス企業のマッチングの質・量ともに最大化を狙う外資就活ドットコムが持続的に成長している。次に、外資就活を卒業した若手社会人が登録するLiigaが投資回収の局面に入っている。2018年1月期から2019年1月期にかけて売上高は1.7倍に、経常利益は6.5倍になった。最後は拡張性で、人生100年時代を見据えたユーザーのキャリアアップ支援を展開していきたい。採用にとどまらず多様なサービス展開を考えている。

―事業の強みは
ユーザーストック型のビジネスモデルにある。ハイレベルなコンテンツと優良な企業情報でユーザーの信頼を獲得できており、ユーザーが他の学生に口コミで広げるサイクルが出来ている。口コミでなくとも検索キーワードでリーチできるようになっている。ユーザーが卒業した段階でLiigaに移行し、卒年別にユーザーが積み上がる。年々登録人数が増えており、累積会員は16万人で、Liigaへの移行ポテンシャルは十分ある。

ユーザーを育む意識で取り組んでおり、学びと出会い、実践を意識してサービスを展開している。「学び」は、ロールモデルを提示したり、ケース面接をいかに突破するかといった学びを与えられるコンテンツを提供している。「出会い」は、外資就活のなかにコミュティがあり、ユーザー同士が直接コミュニケーションを取ることができる。「実践」は求人情報に実際に応募できるようになっている。コンテンツやコミュニティがあることで日常使いができる仕組みになっており、ユーザーがアクティブに使い、求人広告やスカウトへの誘導が多くなっている。

Liigaは、ハイクラスの若手が社会人1年目から登録し、例えばキャリアアップを考えて2年後の転職時に収益化するというように、潜在層に多くリーチできている。また、出題されたケース問題をユーザーが解き合い、自己の解答の位置付けや優秀なユーザーの解答を参照するなど相互研鑽を積んだり、地頭や論理的思考力を強化する「コロッセオ」というサービスがある。企業にとっても、登録者に本当にそのような能力があるか見分けることができるため、スカウトにも多用されていると思う。

―業績の動向は
2015年1月期から2017年1月期までは赤字が続いたが、先行投資の期間で、モバイルアプリケーションやLiigaの開発のための人材採用費がかさんだが、2019年1月期からは大幅な収益増となっている。

就職活動ビジネスは季節変動性が高いが、インターン採用の通年化や、通年採用の浸透で平準化が進みつつある。転職事業のLiigaはそこまで季節性がなく、売り上げが拡大するに従い季節性は低減していくと見ている。四半期ごとに確実に黒字が出せる体質を築くことができる。

―成長戦略は
転職や副業、フリーランスになるなどレベルアップをすることが当たり前になってくると考えており、変化するキャリア環境のなかで一人ひとりのキャリアを応援するサービスを提供していく。Liigaのコロッセオで、能力の可視化や開発を図っており、そのようなニーズに合うサービスを展開できると見ている。

―市場規模について
キャリアアップ支援市場の1兆7530億円を狙ってしっかり拡張していく。ユーザー拡大により人材採用ビジネスを拡大させるとともに、SNSプラットフォーム形成により収益を多角化する。

―どのように取り組むか
外資就活とLiigaのログインIDを共通化し、プラットフォームへの滞留率を上げることで、スカウト数を上げマッチング数を増やし、成果報酬を伸ばす。まだ関東地方の学生の利用が多いが、関西や地方へのマーケティングを強化する。エンジニアやデータサイエンティスト志望のユーザー向けのサービス開発を強化していきたい。エンジニア系の職種の採用を別の企業に依頼していたクライアントの依頼を受けることができれば収益が拡大すると考えている。

また、外資就活とLiigaのユーザーをつなぎたい。現在ユーザー同士が匿名でコミュニケーションを取るコミュニティがあり、投稿数も増えている。ユーザー同士をつなげることで滞留率が向上し、ユーザー向けの語学教材など教育コンテンツや、ユーザー同士で知見を共有する取り引きなど新しいビジネスモデルへの転換も可能だろう。

―CtoCの取り引きでユーザー同士の仕事の紹介が起こり得るか
あり得ると考えており、それ自体は良いと思う。紹介が進んでいけば、課金するモデルが構築可能だ。個人が人材紹介業の免許を持つことは難しいが、我々がそこをしっかり担保したかたちで、例えば業務委託などで登録してもらえば、彼らにも収益が入るし、企業にも営業コストを下げるメリットがあり、その両面で支援することができると考えている。

―中途採用市場が主力事業か
外資就活のユーザーがLiigaに移行することで活性化していく。Liigaに卒年別のユーザーをストックし、ネットワーク化することで新しいビジネス展開を狙っており、社会人市場に重きを置きたい。

―外資就活のユーザー層を中堅校に広げるか
京都や九州や東北ではまだユーザー数が少なく、エンジニアや技術職も開拓の余地があるため、上位校でと考えている。

―エン・ジャパンとの資本業務提携について
顧客が重複することもあり、エン・ジャパンが手掛けるスカウトと我々の情報掲載の両面で展開し、開発と相互の商品のクロスセルで収益を拡大できないかと考えた。まずは、エン・ジャパンのセールスパワーを活用して外資就活とLiigaの拡販を進めていく。

―現在の新卒一括採用から通年採用への流れの影響は
外資就活は通年採用に対応できる。大学1年生から登録可能で、企業から情報を分けて出せるため、例えば、大学1、2年生向けに企業について知ってもらうためのセミナーを開いてもらうなど、採用マーケティングに柔軟に対応でき、競争が激化していくなかで、我々ができることは増えていくのではないか。

―大学との連携は
大学のキャリアセンターも、面接など就職活動についていろいろ対策をしている。ただ、ケース面接がキーになっている場合、対応できるメンバーがいないことが多く、就活支援ができれば外資就活への登録者数も増えるため、現在、具体的に上位校と話し始めている。

―上場の目的と資金使途は
事業拡張のための資金獲得と、知名度向上による優秀なメンバーの採用にある。調達資金は人材採用と、オフィスが手狭になっていることもあり、新規投資に充てたい。

―配当政策について
利益が大きく出せる体制になれば還元していきたいが、具体的に決まっているわけではない。まずは我々のビジネスを大きくしていきたい。

ハウテレビジョン(7064)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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