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上場会見:フレアス(7062)の澤登社長、医療難民をゼロに

28日、フレアス(7062)が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の1850円を118.65%上回る4045円で、終値は3415円だった。主に保険適用の在宅マッサージ事業を手掛け、在宅医療をサポートする。2019年現在で全国に100ヵ所超の事業所を展開し、訪問看護事業やリラクゼーション目的のマッサージも手掛ける。澤登拓社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

澤登社長によると、技術の承継には、自社内で蓄積した豊富な症例データを活かしている。

澤登社長によると、技術の承継には、自社内で蓄積した豊富な症例データを活かしている。

―初値が公開価格を上回った
ありがたく、ほっとしている。医療難民ゼロを目指して上場を機に事業を発展させ、世の中に貢献すると同時に、株主の期待に応える企業を目指す。

―どのような点が投資家に評価されたと考えるか
超高齢化社会に対する国の在宅シフトは一つの打ち手と考える。医療的な在宅サービスを手掛ける上場企業はなかったと認識しているが、市場がその打開策と捉えたのではないか。

―事業内容は
マッサージは国家資格を持つ者のみが行うことができる。当社のマッサージ師は全員国家資格を持っている。在宅療養では終末期や車いすの人が多く、関節拘縮の改善など高度な医療的マッサージをする。保険適用外のマッサージや、星野リゾートでのサービスも提供している。

そのほかは訪問看護事業が主体。看護師や理学療法士、ヘルパーが訪問看護ステーションを起点に看護を提供する。

―提供しているものは
より良い療養生活を提供する。寝返りを打てるようになるとか、痛みがなく眠れるようになったとか、ちょっとした変化で人は生き生きする。疼痛緩和や関節可動域の拡大で希望を持ってもらう。

―ビジネスの特徴は
健康保険が使える医業類似行為を扱っている。医療保険を使うマッサージは国家資格取得者が手掛ける。対象者は自力で病院に行けず、麻痺や関節拘縮がある人で、医師の同意書をもらい保険で施術する。75才以上の人は1割の負担で受けられ、障害者手帳を持つ人には医療助成がある。

―業績推移について
マッサージ事業のセグメント利益率は今年度第3四半期で平均24.6%。1度施術を受けると継続的に利用するケースが多く、年数の経過に従い利用者が積み上がる。利用者の増加と共に巡回効率など生産性が上がり販管費が圧縮され、利益率が改善する。高い事業所では最大で4割前後となっている。訪問看護事業では看護師の人件費が高く11.8%。

全社の年平均の売上高成長率は約9%。経常利益率は9.9%で上場準備コストも含まれており、トップラインが上がれば販管費圧縮でさらなる改善が見込まれる。

―今後の成長戦略は
国の政策で医療の在宅シフトは変わらない。多くの高齢者が住み慣れた場所で最後を迎えたいと望み、在宅での看取りが増える。問題は医療が足りない。2025年には30万床が不足するとされ、介護現場に医療難民が出ることが予想される。それをケアできる会社になりたい。

―訪問マッサージの位置付けは
治す医療ではなく、生活を支える介護や医療に加え、終末期の最後の1~2年を支える第三の医療と考えている。

―強みは
正社員にこだわり、教育に力を入れている。この業界はまだまだ徒弟制度的な世界で、見て覚えるというものだ。3年間専門学校に通って国家資格を取っても初任給は10万円。何のための国家資格かと悩んだ。保険を使った訪問マッサージに出会い、資格が生かせると考えた。100時間の研修システムによるレベルの高いマッサージを提供すると、保険のなかで単価が上がるため、高収益を目指せると考えた。

―今後の方針
国の在宅シフトに応じ、当面は保険適用のマッサージを増やすが、星野リゾートで始まった自費のマッサージも増えているので、伸ばしてバランスを保っていきたい。さらにアジア展開も視野に入る。例えば中国では、寝たきり老人が多いが解決方法がない。教育ノウハウがあるため、いずれアジアに出ることが夢だ。

―訪問看護とのシナジー効果について
訪問看護があることで、マッサージの価値が非常に高まる。盲目の人が80人働いているが、3年間盲学校に通い資格を取っても、クイックマッサージのようなところでは給料が無資格者と変わらない。医業類似行為と証明する必要があると考えた。看護が入ると医業としての立ち位置も上がる。訪問看護ステーションで機能訓練を担う理学療法士と働くことでマッサージのレベルアップがあると実感している。看護事業は単独で伸ばすよりも本業の強化という位置付けで考えている。

―まだ認知度が低いと思うが
保険が使えて、機能訓練ができると知っている人の方が少ない。今回の上場の目的の一つが認知度向上にあり、追い風になると思う。提案するとそんな制度があったのかと喜ばれ、知ってもらえば伸びるサービスと考えている。

―採用の状況は
400人のマッサージ師のうち300人が正社員。全体としては採用について致命的な問題はない。

上場を機にアクセルを吹かす必要があると見て準備している。まず労働条件を安定させる。次に教育に力を入れる。マッサージ師は、国家資格だが技術試験がなく、就職しても学ぶ機会がなくレベルの差が大きい。新卒では勉強したいが教わることができない。当社ではiPadを全員に渡し10人に1人のトレーナーを付ける。フレアスに入れば勉強できることが魅力になると考えている。専門学校と連携し、学ぶコンテンツを提供して、新卒者の獲得を有利にしていきたい。

―採用人数は
新卒が半分で毎月中途を採用する。最近は抑えめにしていたが、今年は例年より多めにしたい。売上高の成長率と離職率が10%で、年間60人の採用が必要だが、実現できている。来期は新卒者が増える感触がある。

当社の利用者は現状で1万人で、医療難民ゼロを目指すためには30万人をカバーしなければならない。売上高以上の利益率向上を方針とするが、10%では追い付かないという焦りがある。売り上げをこれまで以上に伸ばすことを使命と感じている。

―M&Aについて
慎重に考えている。品質を落とさずに成長できる方法の一つに「社長塾」がある。70人が育ち、半分が技術指導者になり、残り半分が店舗マネージャーになれる。売上が現状の倍になっても運営できるような体制にしている。

―他業態との連携は
今後は老人ホームとの連携を深めていきたい。これまではケアマネージャーを通じての紹介だったが、上場を機に信頼度が高まるため、BtoBでホームの運営会社と提携したい。我々が前面に出ず老人ホームに質の高いサービスを提供し、居住者を元気にしてホームの評価を高めることもできる。施設の負担もなく、1件1件獲得するよりもまとめて受注でき成長スピードも上がる。

―資金使途は
新規出店の資金に使いたい。出店に伴う採用と人件費に投じる。

―配当政策は
早期に還元していきたいと考えている。

フレアス(7062)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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