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上場会見:日本ホスピスHD(7061)の高橋社長、看護師にやりがいを

28日、日本ホスピスホールディングス(7061)が東証マザーズに新規上場した。初値は公開価格の1000円を46.60%上回る1466円で、終値は1766円だった。がん末期患者や難病患者に限定したホスピス住宅でサービスを提供するホスピス住宅事業と訪問看護事業、在宅介護事業を手掛ける。高橋正社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

優秀な看護師を招くことで他の関係者も働きやすくなり離職率を下げる効果にも期待すると話す高橋社長。

優秀な看護師を招くことで他の関係者も働きやすくなり離職率を下げる効果にも期待すると話す高橋社長。

―初値が公開価格を上回った
いわゆるファンド案件として初値を心配していたが、非常に強い基調で推移している。投資家の皆さんの理解のもと、我々の事業が社会性を持ち、期待を背負っていることを改めて感じている。

―事業の特徴は
在宅で終末期ケアを提供する。死の本質が変化しており、終末期は暮らしを中心に置いたソフトランディングが大事だと考え、日本にいままでなかったサービスとして2013年に起業した。痛みや苦しみをコントロールしなければいけない患者だが、医療が介入する余地がなく、自宅に戻されるという難民化が進んでおり、そうした人たちを対象にしている。訪問看護も併設しているが介護保険だけではなく、医療保険や障害者支援の制度など在宅向けの制度を活用しながら賃貸住宅として利用してもらう。今後は人口動態や死亡者の推計値に合わせて事業を加速していきたい。

―事業加速のポイントは
一つは拠点展開にある。ホスピス住宅は20~30室ぐらいで、200坪から。老人ホームの半分、アパートぐらいの大きさだ。昨今アパート建設が難しい環境でハウスメーカーや銀行から多くの情報が寄せられている。開設エリアは首都圏、名古屋、大阪の三大都市圏と政令指定都市など。癌や難病の患者へのサービス提供は大きな病院との連携が必要で、そのような病院が集積している地域が展開しやすい。

二つめは看護師の採用。医療制度改革が進むなか、病院の役割が変わっている。入院日数の短縮で、看護師はベッドサイドで患者に寄り添ってケアをするというより、多忙な医師の診療補助をする役割になりつつある。病院で働くナースに、仕事についてジレンマが生じ始めており、(我々の拠点は)やりがいのある職場に見えると思っている。直近では募集に対して3~5倍ほどの応募がある。大病院など医療現場の先端にいる看護師がやりがいを求めて応募してくる。

―業界内での位置は
全く同じ業態はない。老人ホームで看護師を24時間置き、看取りまでするところもあるが、我々は緩和ケア対象者に特化する。専業とするのは拠点をコンパクトにできる良さもあるが、看護師のやりがいの観点からは、ホスピスケアに携わりたい人や最前線の大きな病院にいる人が合流してくれる。質にこだわったとき、看護師にとってやりがいのある現場を作ることが必要だと考えている。

面で展開できる組織をこの数年で作ってきた。我々は看護師が現場に専念できるプラットフォームを整えてノウハウを身につけてきた。訪問看護ステーション事業の会社が真似をする可能性はあるが、人材を集め、管理して継続する仕組みづくりには時間がかかるため、アドバンテージを活かし走り切ることが大事と考えている。

―業績は
2019年12月期末の着地の売上高は42億5000万円、営業利益は4億円を計画している。これまで施設開発を急いでいたが、今期は教育研修を制度のなかに作りこんで、成長していきたい。

―重視するKPIは
稼働率と職員の定着率だ。単価が安定しており、居室数×稼働率でトップラインが決まる。

―利用費用と期間はどのぐらいか
介護保険の負担分や食事や家賃を含め個人負担は月20万円程度。癌患者は2ヵ月、難病の場合は2~3ヵ月利用するケースが多い。

―今後の施設数について
今年は新規・増設を各2拠点、2020年は6ヵ所ほどを検討している。体制が整うごとに少しずつ増やしていきたい。

―施設の設置に難しさはあるか
住民の理解は重要なので、非常に丁寧に対応している。日本人の2人に1人ががんで亡くなっているため、身近な問題として近所の住民に認識してもらう。老人ホームやグループホームでの徘徊などの問題は基本的にないため、近隣住民に迷惑をかけることは少ない。これまでに問題は起きていないし、これからも問題はないと考えている。

―教育・研修の方針について
ホスピスは場所ではなくサービスや関わり方の理念を指す。体だけではなく、精神や社会性の複合的なものであるという理解や、痛みや苦しみを取ることが目的ではなく、自己実現など、その時間をどう豊かに暮らしてもらうかという目的意識を持ってもらうことを研修では重視している。

―がんと難病患者以外の受け入れは
アメリカでは認知症などがんや難病以外の患者も受け入れており、参考にしながら順次広げていきたいが、いまは自宅での療養を強いられているがんと難病患者が多く、そこにフォーカスして成長の土台を固めていきたい。

―ファンドからの売り圧力はないのか
株主との会話を常に重ねており、我々のビジネスについて、我々もファンド側も成長余地が大きいと考えており、条件によるが、できれば1部指定まではマジョリティを持ってもらいながら、順次卒業していくと情報共有している。

―配当政策は
3年ぐらいは配当をせず新たな成長に向かっての投資をしていきたい。3~4年後に足下をみて配当を検討したい。

日本ホスピスHD(7061)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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