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カオナビ(4435)の柳橋社長、「ホワイトスペースを取り切る」

15日、カオナビ(4435)が東証マザーズに上場した。初値は公開価格の1980円を100.51%上回る3970円で、終値は3440円だった。社員の顔写真と人事関連情報を結び付けるクラウド人材管理システム「カオナビ」を企業向けに提供する。柳橋仁機社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

柳橋社長は、HRテクノロジー受容の背景に、産業構造の変化とクラウドサービスの普及という要素があると分析する。

柳橋社長は、国内企業のHRテクノロジー受容の背景に、産業構造の変化とクラウドサービスの普及という要素があると分析する。

―初値が公開価格を上回った
上場してひと安心している。マーケットからの大きな期待を感じ、それに応えられるように頑張っていきたい。

―事業の特徴は
一般的に紙やエクセルで管理してきた人事関連の情報を、人材データベースに紐付けることで、業務の効率化や生産性向上、離職防止など人材マネジメントを通じ、様々な業種で働き方改革を支援する。

ストック収益が既存の1200社の顧客から得られる料金で、フロー収益は新規の設定サービス導入時の料金。ストック収益比率は76.6%。一時90%となったが、運用定着を促すサービスの開始に従い新規導入が増え、フロー収益が上がりストック比率が下がった。ストックの積み上げが速くなったため前向きに捉えており、70%台後半が適正と考えている。

―業績について
第3四半期までに前期通期の売上高を上回っている。人材マネジメントシステム市場は急成長している市場だ。創業した7年前から今に至るまでプレーヤーが少なく、先行者優位が働くマーケットであり、それを意識してきた。マーケティングコストを積極的に投下してきたため、現在に至るまで営業利益は赤字となっている。

今後の利益創出については、売上総利益を重要な指標と見ている。今期は改善傾向で67.7%となり、目標として70~80%まで向上させていくことを投資家に約束したい。上昇していく手応えを感じており、しっかり将来の利益を創出できる体質を作っていくことを伝えていきたい。

キャッシュフローは第2四半期に黒字化している。我々が手掛けるSaaSモデルのビジネスは、1年分の月額利用料金が前受収益として積み上がってくる。将来の売り上げが上がる過程が見えてくる。前受収益は貸借対照表に記載され、あまり投資に回してしまうと自己資本比率に影響するので、その点は意識している。

―注力分野は
一番力を入れているのは顧客エンゲージメントの向上だ。オンラインでのサービス提供に加えて、顧客向けの勉強会や交流会を開き、ノウハウを学びあう機会を提供し、導入効果を高める。

―成長戦略は
国内企業への人材マネジメントシステムの導入率は12%で、市場の伸び率は年平均35%。ホワイトスペースが圧倒的に大きいマーケットで、先行者優位性を発揮してマーケットを開拓していくことが我々の基本的な事業戦略だ。

導入企業は数百人の中堅企業が多い。この1年間で1000人以上の大企業からの引き合いが増えており、導入を増やしていく。

マーケットシェアを高めるために地方展開を推進する。蓄積したマーケティングのノウハウを活かして首都圏から全国規模に営業を広げる。また、単価の向上施策を行う。既存顧客の付加価値向上にあまり取り組んでこなかったため、この下期から付加価値を感じてもらえる舞台を組成し、単価向上に取り組んでいる。RPAやAIをカオナビに組み込むことが期待されており、AIを研究する楽天技術研究所との提携で、人材データの分析による離職予防サービスなどを提供し、付加価値を高めていく。

さらに、我々の経営戦略の根幹の取り組みとして、プラットフォーム化がある。人材データベースをクラウドで一元化し、世の中にある給与計算や採用など人事・人材関連の既存サービスを、クラウド上の人材データベースと紐付けて顧客にあらゆるサービスを使ってもらう。

―プラットフォーム化の優先順位は
優先領域には我々のほうに特段大きな意思はない。ニーズに合わせて鋭意対応していく。

―顔写真を使う製品の競争優位性は
顔写真は他社も利用しており、技術上の優位性があるとは考えていない。このため、参入障壁が低いマーケットだと思う。競争優位性の戦略は圧倒的なスピードでホワイトスペースを取り切ること。先行優位で逃げ切るマーケットと理解しており、マーケティングと営業を重視する。

―データベース構築の工夫について
先行優位性に結び付く技術的優位性としてデータベースがある。人材データベースの作成時に、顧客に項目設定のこだわりがあるため、一般的には時間と費用をかけて改造して納品するが、ホワイトスペースを取るためには戦略上、その方策は否であると考えた。創業2年目に、GUIという形式で顧客がデータベースを自由にレイアウトできるようにした。顧客側では費用が、我々にはカスタマイズ期間が発生せず、新規顧客の開拓に向かっていける。

―カオナビHRテクノロジー総研の位置付けについて
マーケットを作ってきた自負があり、啓蒙活動をするために1年半前に設立し、HRテクノロジーについて情報発信をしている。

―資金使途について
メインはマーケティング費用。開発費用についてはバージョンアップに支出していく。

―株主還元についての考えは
配当はまだ検討しておらず、キャピタルゲインでメリットを感じてもらう施策に取り組んでいく。

カオナビ(4435)の情報はこちらでご覧いただけます。

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[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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