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日本国土開発(1887)の朝倉社長、「重機とITをフル活用」

5日、日本国土開発(1887)が東証1部に新規上場した。初値は公開価格の510円を22.35%上回る624円で、同じ値段で引けた。同社は土木事業と建築事業を中心とする総合建設企業。不動産開発や太陽光発電などの関連事業分野と、重機土工事や重機開発などを手掛ける関係会社も擁する。2003年の会社更生手続終結を経て、東証1部に再上場した。朝倉健夫社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

人材リソースを適材適所に柔軟に配置し機動的な災害復旧が可能と話す朝倉社長

人材リソースを適材適所に柔軟に配置し機動的な災害復旧が可能と話す朝倉社長

―初値が公開価格を上回った
市場の期待を感じ、非常に身の引き締まる思いだ。

―事業の強みは
土木事業では、設立の経緯から重機土工に強みがある。その時代ごとに求められた工事を手掛け、技術の積み上げも図ってきた。近年多発する自然災害に対しする復旧・復興や減災・防災に関する工事には経営理念に鑑み、意識して取り組んでいる。とりわけ東日本大震災の発生直後から原子力災害の復旧・復興に入り、除染や廃棄物の収集、分別、運搬、減容化処理など一連の工事に積極的に取り組んでいる。地元の支持も得て継続的に仕事をしている

保有技術で特筆すべきは回転式破砕混合工法だ。不良土を再利用する。堤防の破堤などへの対策工事で、安全・安心な公共インフラ維持に貢献するなど、様々な顧客ニーズに応える機械を造り、工事をしている。子会社である国土開発工業は重機械製造能力に長け、シールドマシンを製造・販売している。

ゼネコンでありながら大型重機を直接保有し、ハード面でコスト競争力や施工力に強みがある。また、重機とITの融合を進めている。最新鋭の海外の機械を導入し、IT化とともに大幅な省力化を図っている。自社や受注した太陽光発電設備の工事現場などで活用している。

建築事業では、2013年にマンション分野で非常に強い施工力を持っていた東海興業からの事業譲渡により、超高層建築を5本手掛けており、過度の価格競争に巻き込まれない形での建築事業の拡大につながっていることが強み。ホテルやオフィスビル、大型建築の構造体のスリム化技術を保有し、生かすことで戦略分野を選び、循環的に大型で生産性の高い建物を受注している。

関連事業は不動産と再生可能エネルギー事業で、建設投資の波を受けることのないストック事業を拡大する。大型物流施設の賃貸事業や、来年5月に82.5MWとなる太陽光発電事業だ。

―今後の展開について
建設市場では、高度な技能者が引退していくなか、機械とITの融合による新たな建設業マーケットができていくだろう。我々は機械から建設業界に入ってきた創業のDNAから、そのトップランナーを目指していく形で展開していきたい。土木事業では既に海外の多機能建設機械であるスクレーパーを導入してITと融合し、生産性の大幅な向上を図っている。建築分野では、超高層建築など1件当たり50~100億円規模の大型案件で生産性と収益性を上げていく。

将来ビジョンとして、普通の技術センターという性質ではない「つくば未来センター」では陣容の編成が終わり、既に活動に入っている。将来の市場を読み、そこに見合う事業や技術、市場、人材の開発をする創造拠点だ。

オープンイノベーションという形で、建設に特化しないITを含む外部の知見とのアライアンスを進めて競争力を高める。重機とITをフルに活用して生産性向上、高度技術の確立を図る。世界中のいろいろな技術を積極的に取り入れる。中長期的には建設業の新しい領域で新しい価値を提供することを目指している。

―重機を持つことは強いのか
ゼネコン各社は50年ほど前は重機を保有していたが、高度経済成長期から時代が変わるにつれて、専業のサブコンに機械を移して外注する形になっている。人が減ってきてサブコンの供給量が減り、直接保有する機械でその部分を消化できる力があることが非常に強みになっている。

コストも自分でコントロールできる。今はサブコンのほうがコストコントロールが強くなっていて、自社で機械を持つことで、コスト競争力において他のゼネコンに負けないものができる。機械の性能の優劣が勝敗を分けることもあり、我々の保有する機械の性能は高いため、コスト競争力や施工の工期、品質など重機械を使った工事では負けないと自負している。

―スクレーパーを使うと、どう生産性が上がるのか
例えば、バックホーがダンプカーに土砂を積み、その土砂をブルドーザーが敷きならしていくというような、機械が5~6台セットで動くような場面で、スクレーパーは1台で土砂を掘って運んで降ろし、敷きならして戻ってくることができ、1人の人員で5台分の仕事ができる。新規に導入したカナダ製の機械で、日本ではまだ当社にしかない。ITも組み込まれていて、現場で測量するエンジニアも不要になっている。機械の中のモニターで基準点などをチェックしながら動く。オペレーターが測量のポイントを追いかけなくても仕事ができる。我が社が直接保有しているので生産性向上のメリットを取れる。太陽光発電施設の造成工事について特命的な引き合いが続いている。

―資金使途は
これからのゼネコン業界は変わっていく。高度な技能者がいなくなりサブコンが強くなっていくときに何をやっていくかというと、機械とITが当然入ってくるだろうと見ている。つくば未来センターに17億円ほどの投資を見込んでいる。機械の保有台数を増やしており、設備の購入に21億円を使う。また、管理系のシステムに7億円の支出を予定している。松島(宮城県)の太陽光発電にも残額を充てる。

―配当政策は
過去、会社更生後の新株発行時点から株主に配当を常に出してきた。この方針は今後も維持する。配当性向30%を続けていきたい。

日本国土開発(1887)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]

 


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