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リックソフト(4429)の大貫社長、「新しい製品づくりをサポート」

26日、リックソフト(4429)が東証マザーズに新規上場した。初値は付かず、公開価格である4000円の2.3倍の9200円の買い気配で引けた。海外製ソフトウェアのライセンス販売や導入支援、クラウドサービス、自社開発のソフトウェアの販売などを手掛ける。主力のアトラシアン製ソフトは、ソフトウェア開発のみならず製造業領域でも利用される。大貫浩社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

大貫社長によると、販管費率が低下傾向にあり利益体質になっている。

大貫社長によると、販管費率が低下傾向にあり利益体質になっている。

―初値が公開価格を上回る見通しだ
非常に良いことだとは思うが、その分株主の期待値が上がっていると認識している。会社としてはそれに負けないように従業員一同取り組んでいかなければならないと考えている。

―事業内容と収益モデルは
主な収入源は海外ソフトのライセンスビジネスで、顧客の課題解決のコンサルティングからソフトの導入や研修、運用支援を行う。2年目以降は新規導入時の50%を更新料として徴収する。機能を追加する自社開発ソフトも同様だ。さらに、自社開発ソフトのうち、汎用的に使えるものはアトラシアンのマーケットプレースにアップロードして販売する。クラウドサービスは月と年次での利用契約となり、年次契約は12ヵ月分を分割して計上する。

―市場環境の認識について
ソフトウェア開発のトレンドとして、新しい技術を使う商品やサービスは開発の途中で、市場に必要とされる魅力的なものとするために機能や要素の追加が必要な場合があり、そうした開発の形をアジャイル型という。このアジャイル型がさらに進み、DevOps型に発展している。素早い開発と運用を両立するために開発競争が激化する。そのような場でアトラシアンの製品が使われている。

DevOps市場は2017年には166億円だったが、2022年に427億円への成長が見込まれる。デジタルトランスフォーメーションが進み、どこかの業種に特化しているわけではなく、新しい商品を作っているほぼ全ての業種に広がっている。新しい製品を作っている人たちをサポートする。

―強みは
アトラシアンの広がりのメリットを最も享受できる点にある。新しいITツールはアジア・太平洋地域では3~5年ほど遅れて広がると言われており、今後数年間、グローバルと同様なかたちで伸びていくと考えている。また、同社のパートナー400社中、最高位のプラチナパートナーでグローバルでは10位前後、アジア・太平洋では1位となっている。伸びるアジア・太平洋市場でアトラシアンと一緒に我々も伸びていく。

売り上げの積み上げ実績もある。2009年にアトラシアンのパートナーになっており、その頃からの顧客によるライセンス更新や追加などで、新規は少なくとも積み上げ実績ができている。国内400社のうち、上場企業および関連企業が100社。大規模な顧客なので、その組織内でのツール利用が広がる。

クラウドサービスは今期第3四半期終了時点で前期の売上高を超えており、利用率も上がっている。自社ソフトはアトラシアン製品上で動くソフトを、欧米の顧客の環境で動くことを想定して数年前から開発を進め、欧米顧客での成果も出てきた。

―どのような企業が利用しているのか
以前は、ヤフーやインターネットイニシアティブなど大手のIT企業やゲーム企業だが、今はデンソーや自動車関連など製造業も利用している。

―なぜ選ばれるのか
顧客の気持ちに応える面が選ばれる大きな要素になっている。例えば、大手顧客ではプロジェクトメンバーが500~1000人規模だが、ツール担当者は1~2人。導入に当たり失敗は許されないというプレッシャーがきつい。我々の導入事例を見て候補として選定し、打ち合わせをする。その際に営業とプリセールスが参加し、顧客が用意する課題リストの半分ぐらいにその場でベストプラクティスを提供する。1~2回の短い営業工数で選ばれる。

―どのような技術力が評価されたのか
設立の経緯としてオープンソースの活動に取り組んできた技術者が集まってできた会社で、ソフトウェアについて興味も力もあるメンバーが多く在籍している。開発もできるメンバーが在籍する海外製ソフトウェアを販売する会社というのは全世界的にもあまりない。そういう点にも強みがある。

―DevOpsの進展とビジネスの広がりについて
開発関連であるDevの部分はアトラシアンがデファクトスタンダードになり 特に日本では業界の過半数を占めている。運用に関するOpsの面では様々なツールがリリースされているが、アトラシアン製品はその中でも業界の多数派を狙っていく一社。幅広い製品があり一社が業界を牛耳ることはないと読んでいる。アトラシアンの製品はもちろん日本に投入していくが、重複のない有望な製品を見つけて日本で展開したい。

―経営上のKPIと展望
一つは経常利益率。今期第3四半期終了時点の15%をキープしていきたい。それ以外の中間的なKPIは、売り上げが積み上げでできているため、更新率だ。

―株主還元は
まだ成長過程のフェーズにあるので、まず自分のビジネスを伸ばすことが株主に還元する一番の方法と考えている。クラウドと自社ソフトを伸ばしていく。両方合わせて売上高の12~13%だが、その割合を増やしアトラシアン依存度を下げ、3~5年ほどで15~20%以上に高める。自分たちの作るサービスで利益が出ていることが配当できる状態と考えている。ある程度の時期が来たら配当など様々なかたちでの株主還元を考えていきたい。3~5年で還元策を考えられるような利益構造にしたい。

―楽しみなセクターは
国内で利用されているのは主に製造業だが、グローバルを見ると、金融と政府系が伸びている。日本でも導入の余地があり、一つの顧客層として今後伸びていくと考えている。

―20年2月期の業績予想は
これまでのビジネスモデルは崩れておらず、顧客の投資に対する意欲的な考えも変わっていない。今まで同様の伸びが期待できる。

リックソフト(4429)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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