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エネクス・インフラ投資法人(9286)の山本社長、「物件組み入れでエリア分散を」

エネクス・インフラ投資法人(9286)が13日に東京証券取引所に上場した。初値は公開価格の9万2000円を4.02%下回る8万8300円で、終値は8万3500円だった。伊藤忠エネクス(8133)をメインスポンサーとする6本目の上場インフラファンド。上場時にはスポンサーから5物件を174億円で取得する。エネクス・アセットマネジメントの山本隆行社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

山本代表は、投資家のESG投資への意欲は強いと話した。

山本社長は、投資家のESG投資への意欲は強いと話した。

―このタイミングでの上場の理由は
規模を拡大できる資産背景を担保する必要があり、パイプラインが見えたためだ。

―初値が公開価格を下回った
確たる理由は説明が難しい。インフラファンドという商品の認知が浸透し切っていない部分もある。我々を含めて6銘柄で資産規模も小さく、一部の機関投資家が購入に当たって流動性を高める必要性に触れており、そういう部分も影響したのではないか。再生可能エネルギーは拡大が強く期待されていると捉えているため、IR活動を通じてPRしていくことが重要と考えている。

―仮条件が9万2000円の1本値だった
仮条件決定の前提としてロードショーで中央・地方40社に説明したフィードバックの結果を踏まえて、証券会社と協議して決定した。

―スポンサーのマイオーラの役割は
シンガポールと日本の2拠点で太陽光発電の開発事業を手掛けている。IPO時の取得物件5つのうち2物件はマイオーラが開発したもの。これから開発する5件のうち3件をパイプラインに組み込んでいる。今後は基本的にパイプライン供給を担ってもらう。

―インフラファンドの特徴は
伊藤忠エネクスのスポンサーグループのサポートがあり、太陽光以外の水力・風力にも投資を進めていくという点だ。長期・安定的なキャッシュフロー確保の観点から全て固定価格買取制度(FIT制度)の対象案件。賃借人と長期の基本賃料主体の賃貸借契約を締結する。不払いリスク軽減のために賃借人によるリザーブやスポンサーの出資で年間売電収入額の20%を担保している。

現時点でスポンサーから優先的売買交渉権を取得している14物件243.2MWがある。風力発電が3件で41MW、水力発電も3件の9MW。残りが太陽光発電。まずは太陽光がメインで、2~3割がそれ以外になるイメージを描いている。

取得価格ベースで関東の資産が90%を超える。昨年秋以降、九州で土・日中心に出力抑制が複数回発令されているが、関東はそのリスクが相対的に低い。エリア分散はまだ効いていないため、パイプラインを着実に組み入れて分散していく。

―一気通貫で発電・売電できるメリットは
伊藤忠エネクスとして、開発や需給管理、販売までを行うことによって、FIT制度終了後にその電力を一般市場で販売していく必要がある。その際に一つの選択肢として伊藤忠エネクスの販売網を使ってCO²フリーの電源を販売する支援を得られる。今から準備ができることが強み。

―FIT価格が今後下がる
太陽光発電の単価が下がり、開発コストが低い場所での開発に限定されていくようになると思う。今後はFIT認可を取った者が一気通貫で開発を手掛けていく本来の流れに向かっていくと考える。買取制度の期間である20年が経過した後も再生エネルギーは拡大していく必要があり、その際の開発コストはパネル交換や部品の交換のみのため価格競争力はある。

―コンセッション方式への興味は
現状で具体的に進めてはいないが、オペレーターとして運営・管理できるエネクス電力を選定している。機会があれば十分検討できる。

―資産規模の目標額は
パイプラインを中心に5~6年で取得価格ベースで1000億円程度を目標にする。

―風力発電は安定しないのでは
月単位の短期間で見ると、太陽光よりもボラティリティは高くなるが、過去の発電実績から中長期的に売電量は見えてくる。パイプラインで組み入れる風力発電所の3物件はFITで稼働済みの物。太陽光を増やしたうえで風力を組み入れてバランスを見ながら慎重に進めていきたい。

今後の展開として、北海道と新潟、大分の物件を組み入れる。発電量は冬場の風が強い時に多くなるため、風が強い傾向にある高緯度の地域での物件取得を目指す。パフォーマンスに見合った購入価格にできれば、エリア分散のために全国で取得することはあり得る。

―バイオマス発電は
バイオマスは燃料を長期で確保する必要がある。海外の素材を使う場合には為替リスクを考慮する必要がある。現時点で具体的な計画はないが、全体のバランスを見たうえで燃料確保と為替リスクを一定にヘッジすることが可能であれば、組み入れを検討していく。

―配当政策は
当初、利益超過分配を含め6%を想定した。ロードショーや現状を踏まえて9万2000円の発行価格で6.5%ぐらいだが、今後は維持・向上させていきたい。決算期が年1回で、毎期可能な限りPOを行い、資産規模拡大と超過分配を含めた分配金を向上させていく方針だ。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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