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上場会見:シノプス(4428、旧リンク)の南谷社長、「製配販の全体を最適化」

25日、リンク(4428、現シノプス)が東証マザーズに新規上場した。初値は公開価格の3580円を112.85%上回る7620円で、終値は8060円だった。小売・卸売・製造業の流通三層の在庫を最適化するためのソフトウェアパッケージ群「sinops(シノプス)シリーズ」を展開している。南谷洋志社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

世界中の無駄を10%削減するというビジョンを掲げる南谷社長

世界中の無駄を10%削減するというビジョンを掲げる南谷社長

―初値が公開価格を上回った
日経平均株価が2万円を割っているなかで、株価がどこまで下がるか懸念していたが、船出としてはまずまずと考えている。

―高評価の要因は
ビジネスモデルがシンプルであること。製造業でありサービス業であることも機関投資家に理解してもらえたと考えている。

―財務状況は
2015年12月期以降、経常・営業利益が大きく増えた。売上高1兆円超の大手企業向けの売り上げが寄与したため、損益分岐点を上回り、経常利益が1億円を超えた。

―事業内容は
従来の在庫管理システムは一定の発注点を下回ると、1ロット発注するという固定的な動きをするものだったが、日々の発注点をダイナミックにコントロールすることが大事だと気付いた。2006年3月に需要予測に特化したリテール用の製品を投入した。3年後、牛乳や卵、豆腐など商品サイクルの速い日配品に対応した。

小売業が特売を行うと販売数が増える。需要予測をすることが重要。特売によって、同一カテゴリーの商品需要が落ち、値引きシールを貼る値引きロスや廃棄ロスといった、特売で発生するマイナス要因(カニバリゼーション)をセットで予測する必要がある。専業メーカーである我々が、顧客からの依頼を受けて成功した。昨年4月には複雑なパラメーター設定をAIで自動更新する製品を投入した。

小売業向けが売り上げの7割だが、卸売業向けにも力を入れる。最終的には、小売・卸売の最適データを踏まえて製造業に中長期の需要予測データを提供していき、製配販のデマンド・チェーン・マネジメントを全体的に最適化するソリューションの提供を大きな目標に掲げている。

―収益構造は
顧客の実データで現状を分析して費用対効果を提示し、実店舗での検証を経て全社契約となる。パッケージ販売での初期費用は本部向けに2000万円、店舗ごとに50万円。レンタル販売では5年ほどで回収する月額費用をもらっている。導入支援のコンサルテーションは6ヵ月間で1200万円をベースにしている。全店舗で運用が始まると保守費用をパッケージ販売の場合、その価格の15%を毎年もらっている。この6年間、サポートやレンタルといったストックビジネスが売上高の40%を超えている。今後増えていくと見ている。安定的な収益構造になっている。

―特徴は
発注点の自動更新やカニバリゼーション対応のほかに、発注時間や欠品率、値引き・廃棄ロス、在庫削減の4つのKPIを同時に実現する指標を顧客と共有し、それぞれトレードオフの関係になるものを同時に最適化し、数値化している。AIで複雑なパラメータを自動更新することで、顧客にとっても情報が早めに可視化されて、費用対効果を早く大きく継続的に出すことに貢献している。

―強みは
専業メーカーとして様々なカテゴリーに挑戦し成功したので、後発が取り組むにはリスクが大きいこと。製品については22~23年のノウハウの蓄積があり、一朝一夕にはまねできない。成功しているクライアントの元に見込客を連れていき、成功のビフォア・アフターを話して口コミで広げてもらい、ほとんど広告を出したことがない。

―導入効果は
例えば発注時間が10分の1になる。また、欠品率が53.6%、値引き・廃棄ロスは50%以上にしたいが、今は平均9.4%。小売業のバックヤードでは15.2%の在庫削減を実現している。

―事業戦略は
まず小売業でのシェア拡大。小売業の142兆円のうち、ビジネスモデルが異なる百貨店の6兆円を除く、136兆円の市場の中の売上高400億円以上の企業がメインターゲットとなる。現在11.7%のシェアを持っているが、2021年末までに40%に拡大する。その後、中間流通業の在庫最適化を図り、さらに製造業の在庫最適化に取り組む。

食品スーパー以外では、ドラッグストアは13社程度になりシェアが大きくなると見ている。コンビニ大手2社からも引き合いがあり、来年後半以降、3年間かけてシェアを大きく伸ばすと考えている。海外展開も日系企業からのオファーがある。

コンビニの受注や、誰が何を買ったか分かるID-POSの浸透に伴い、ビッグデータにも対応していく。

―コンビニの需要予測の現状は
分析して参考値は出るが、いくつ発注するという提案はなく、各オーナーが各自の判断で行っている。次世代製品の構想プロジェクトを立ち上げたが、情報インフラやマーケットの寡占化をにらんでどのようなものを取り入れていくか考え始めた。3~5年後に提供することになると思う。

―競合は
4社あり、うち2社とは協業が可能と考えている。ほかの競合2社は日配品カテゴリーのリスクが高いとしており、本格的な参入はない。

―物流分野への関心は
発注・在庫責任を負う物流業者はターゲットになる。在庫管理のコンサルテーションでの利用例がある。

―調達資金の用途は
土地も施設も必要なく、人材が資産。製品開発や品質保証、知的財産の管理に携わる人材への投資に充てたい。

―配当政策は
マザーズに所属している間は、基本的に配当しない。東証1部に昇格したら考えていきたい。

シノプス(4428)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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