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ソフトバンク(9434)の宮内社長、「逆風に強いソフトバンク魂」

19日、ソフトバンク(SB、9434)が東証1部に新規上場した。初値は公開価格の1500円を2.47%下回る1463円で、終値は1282円だった。ソフトバンクグループ(SBG)の子会社で、国内の3大通信メガキャリアの一角を占める。宮内謙社長らが都内で上場会見を行った。

ITマーケットはビジネスチャンスの山と話す宮内社長

ITマーケットはビジネスチャンスの山と話す宮内社長

冒頭、宮内社長はソフトバンクのこれまでの歩みと、上場による(1)自律的・機動的な経営の加速、(2)通信事業の効率化と成長領域へのシフト、(3)連結配当性向85%――をアピールした。これまでに培った通信事業者としてのノウハウや顧客基盤、営業力を、SBGの投資先である企業群との協業で活かし、新事業を増やしていくと述べ、「逆風に強いソフトバンク魂」を訴求した。宮川潤一副社長は12月6日に起きた通信障害の理由を説明し、通信機器の仕入れ先を増やす対策などを講じていると説明した。以下は会場との質疑応答。

―一日で時価総額が1兆円減った
宮内社長:マーケットがどう反応したかを真摯に受け止めて、ここをスタート地点にして企業価値向上に努めていきたい。

―1500円の値付けの妥当性は
値付けは引受会社と協議した。85%の配当性向と5%の配当利回りをきちんと示すことが重要だと引受会社からのアドバイスがあり、1本値の1500円とした。

「インフラビジネスは大きな成長はしないが、着実にのびるキャッシュフローがでるビジネスなのできちんと還元していきたい」と話す宮内社長。

宮内社長は「インフラビジネスは大きな成長はしないが、着実に伸びるキャッシュフローが出るビジネスなのできちんと還元していきたい」と語った。

―上場のタイミングは
昨年の春ぐらいから検討していた。2015年4月に4社合併でソフトバンクを設立した時に 公開性、独立性高めて、通信事業者としてもっと強くなろうと考えていた。本来は9月か10月の上場予定だったが、様々な事情で12月になった。通信障害やファーウェイの問題や政府のプレッシャーなどいろいろあったが、計画的に進めてきたことなので、引き下がる必要はないだろうと判断した。厳しい環境の中で船出することで、我々自身が心を引き締めて、そこから新たな創業という気持ちでやっていこうと考えた。社内では上場再考の議論はなかった。

―孫代表はこの上場についてどう言っているのか
会長として素晴らしいアドバイスをもらっている。国内の通信事業については、数年前から私自身が担当している。ずっと女房役で来たイメージが強いかもしれないが、通信事業・新事業については、私自身がリードして株主の期待に応えていきたい。

―SBとSBGの経営展開の線引きについては
自主独立して動いている。新規事業についてはSBGのビジョンファンドの投資先はインドや米国で成功したビジネスモデル。各社の社長と会うと日本の大きなマーケットでやりたいが、セールスパワーやネット環境が大変だという。グループから押し付けられてということではなく、実際にはweworkなどはこちらから協業を提案した。海外の50社以上を回った際に親子上場について最初に聞かれたが、説明し、ほとんどの機関投資家が理解した。今後それを証明していきたい。

―グループとの理想的な距離感は
SBはSBGの中核になると考えている。完全に縁が切れているものではなく、グループのネットワークインフラを持った中核事業として進めていったほうがよい。

―通信障害の携帯電話への実害は
販売活動への影響は障害から4~5日間で少し解約があった。回復しているが、1~2万件への影響があったと思っている。MNPで少し影響が出た。どう回復するかが重要だが、1週間後には完全回復した。

通信障害への対応や、5Gに向けた取り組みについて説明する宮川副社長

通信障害への対応や、5Gに向けた取り組みについて説明する宮川副社長

宮川副社長:電話がつながるかどうかは大事と認識した。災害時に通信キャリア同士が支え合う構造を考える必要がある。競争政策で進んできたが、社会的な意義を考えると対話をする時期に入ったと思う。(障害発生の原因となっと)エリクソンとは再発防止の話をしているところで、賠償はペンディングにしている。請求するか分からないが、再発防止後の検討課題にする。

―SBGの孫代表が子会社のコストを40%削減すると言っている
宮内社長:人員削減ではなく新事業への異動に該当する。SBはリストラをしたことがない。新事業が出てくるため、PayPayなど人数が必要な事業などで既に2500人が異動している。RPAが2000本ほど社内で走っており、効率化の成果も出てきている。3~4年ぐらい先だが、社員が4割ぐらい別の事業に移っていく。社員が活性化し、社内からネガティブな意見はない。

―ファーウェイを中心とした中国の通信機器メーカーに対するスタンスは
政府のガイドラインを見極めたい。リスクを伴うのでいろいろな選択肢を常に検討している。スタンスとしてはコアな部分は欧州のベンダーに変えざるを得ないが、ガイドラインが出ない限り早計に動くべきでないと考えている。

宮川副社長:現行の4Gではセキュリティ上問題のある機器はほぼ使っていない。基本はヨーロッパのベンダーだけで展開してきたが、8年ほどファーウェイの基地局を導入している。すごくテクノロジーが良い。技術力が高く値段も安いのでファーウェイと付き合っていきたいという気持ちはやまやまだが、最終的には日本政府の方針に従う。ガイドラインが出てきたら取り組む。現在5G向けのベンダーは現在のところ決定していない。6社の通信機器ベンダーの価格と仕様書を頼んでいるところ。

―他のメガキャリアとの5G設備の共用は
過去の歴史から言えば、ウィルコムというPHS会社がグループに入ったとき、基地局が増え、他社に比べアドバンテージがあり、共用のメリットはない。ただ、5Gは地方展開の期待が高いと理解しているので、1社で採算が合わない設備投資は複数社で折半することも前向きに議論していきたい。

―ジョイント・グローバル・コーディネーターの選定理由は
宮内社長:力のある会社を選んだ。今回は機関投資家で3倍、国内で2倍ぐらいの予約があり、国内最大規模の案件に対応できる国内外の証券会社という意味で、主幹事会社を選んだ。

ソフトバンク(9434)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]

 


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