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アルテリアN(4423)の川上社長、「3年後に5Gで大きな成長機会」

12日、アルテリア・ネットワークス(4423)が東証1部に新規上場した。初値は公開価格の1250円を4.80%下回る1190円で、終値は1200円だった。丸紅の総合情報通信サービス子会社として1997年11月に設立。自社保有の光ファイバー網を使って、法人向けに特化したネットワークサービスを提供する。川上潤社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

BtoBに特化したビジネスモデルについて説明する川上社長

BtoBに特化したビジネスモデルについて説明する川上社長

―初値が公開価格を下回った
我々には中長期の投資家がついてくれていると考えている。日々の動きはそれほど気にしていない。公開価格より下だが、値付けは適正だと考えており、中長期の投資家には妥当なスタートだったと思う。

―業績は
2018年3月期の売り上げは475億円で、昨年度の売り上げ成長率は15%で買収分を除くと3%。フリーキャッシュフロー(FCF)で53億円、高い利益率と高いキャッシュ創出力を持っているというのが財務的な特徴。

―事業概要は
大企業向けの広域ネットワークのビジネス、中堅・中小企業向けの高品質ネットワーク接続サービス、マンション一括型インターネットサービスを提供する。基幹ネットワークを仙台から博多まで敷設しており、自社の基幹ネットワークデータ・トラフィックを流す。日本のGDPの9割をカバーすることが最大の強み。

広域ネットワークのビジネスは、専用線やVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)を構築する。特に専用線サービスでは2014年に国内初の100ギガの高速サービスで大容量分野のリーダーという地位にある。VPNサービスは多店舗型オペレーションの小売、英会話学校、塾などが顧客で、店舗拡大のスピードに合わせてネットワークを供給している。

GAFA(膨大なデータを利用するグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)のような顧客にも強みを発揮している。彼らはネットワークのカスタマイゼーションを要求するため、それに応えていく。これらの顧客はクラウドに移行してデータが動くため、需要が高まる。

中堅・中小企業向けネットサービスでは、光回線は一般的にはフレッツだが、市場の大部分はフレッツ1回線を32に分けるもの。UCOM光などは1回線を1本使ってもらう。中堅・中小でもネットワークが混雑する輻輳(ふくそう)が問題になっていて、それを嫌がる顧客には高くてもニーズがある。占有型でプライスプレミアムがあり、そのサービスが絶対に必要だという顧客に向けて、ニッチなマーケットを作って収益性が非常に高いビジネスをしている。日本の中堅・中小企業のネット環境が銅線から光ファイバーに移る最中で、中長期の成長性もある。

マンション向け一括インターネットサービスは、我々がパイオニアとして作ってきたビジネスモデル。各居住者と契約するのではなく、マンションのデベロッパーに営業し、マンションが完成する時に、インターネットが利用可能になっているというもの。日本の分譲・賃貸マンション全体で一括型契約が増えている。市場で27%のシェアを持ち、マーケットリーダーになっている。パイが増えていくなかで賃貸マンションでもビジネスを増やしていくため、成長性の高いユニークなビジネスをしている。さらに、マンションIoTで、顔認証や電子錠などでマンションに新たな付加価値を付けていく動きがあるため、広がりがある。

―成長戦略は
ネットワークのビジネスはクラウド型になっていく。SD-WAN(Software-Defined WAN)のサービスを付加することでトラフィックを最適化し、GAFAや多店舗型の顧客のニーズに応えつつ、新規顧客セグメントを開拓し、市場の3倍ぐらいで収益を伸ばす。

中堅・中小向けインターネット接続サービスは、通信量が増えるとともにデータの輻輳を嫌う顧客が増え、ニーズがさらに高まる。“ARTERIA光”を東京と大阪に導入している最中で、さらに高品位な接続サービスを中堅・中小企業に提供できるため、安定的に成長できる。

マンションインターネット分野は、積極的に賃貸に参入している、マンションIoTといった付加価値でマーケットリーダーのポジションをさらに強くする。

―一括型ネットサービスの中長期的な目標は
分譲・賃貸で、一括契約の市場は10%で伸びている。それを上回る成長を目指していきたい。必要なのは、賃貸マンションに参入していくビジネスモデルを作ることと、マンションIoT的な付加価値を使った新しいマンションライフを提案していくこと。

―既存賃貸マンションへの導入は難しいのか
分譲より既存がやりやすい。分譲の営業先が管理組合だが、賃貸の場合はオーナーか管理会社で攻めやすい。ただ、課題は、適正に配線ができるか、棟当たりの戸数が少ない場合損益分岐が遠くなることを勘案しなければいけなくなる。

―成長の見通しは
利益で毎年6%以上、FCFで10%の成長を見込める。積極的に賃貸マンションに入っていくほか、GAFAのような顧客とプロジェクトを広げ、商業ビルやオフィスビルでのテナントなどとのインターネット一括契約を進める事業展開を勘案すると、売上成長率で毎年5%以上、利益で10%以上、FCFで10%以上の成長を達成できると考えている。

その先に5G(移動体通信の次世代規格)が2020年以降に出てくる。5Gで音声以外のデータ・トラフィックがたくさん作られると思うが、これが全て光ファイバーのネットワークに入ってくる。5Gになると端末や基地局への投資需要が高まるので、メガキャリアでもインフラの共用の動きが広がり、オフロード(データ通信を振り替えて負荷を軽減する)や冗長化(ネットワークを二重構造にして障害を予防する)の需要が出てくる。中立的な立ち位置にある我々にまず声が掛かる。光ファイバーのインフラは伝送装置や波長多重の装置に投資して余力を増やしていけばよく、光ファイバー自体の更新がないうえ大規模な投資をする必要がない。直近3年を越えた向こうに非常に大きな成長機会がある。

―CLSA(香港)が海外売り出しに参加しているが
建石成一CFO:海外売出に関して、長期で保有してもらえる投資家を探す視点で紹介してもらうために助言をもらっている。何社か紹介してもらい実際に引き受けてもらった実績もある。

―M&Aの考え方は
川上社長:基幹分野に加えることで価値が増すビジネスモデルであり、利益率に抵触しない隣接領域でのM&Aには積極的に取り組んでいきたい。

―配当政策は
純利益と同じ水準でFCFを作ることができるため、利益の50%を配当に回す。純利益とFCFが10%のペースで伸びるため、配当も同じスピードで伸ばしていける。インフラ事業で安定性や着実性があると同時に、配当で成長性を兼ね備えている。魅力的な投資対象になると考えている。

アルテリアN(4423)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]

 


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