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アクセスグループHDの木村社長、「距離が近い中小イベントを多頻度で」

6日、アクセスグループ・ホールディングスがジャスダックスタンダードに新規上場した。初値は付かず、公募価格である1340円の2.3倍となる3085円の買い気配で引けた。プロモーション事業、新卒学生や若年層を対象とした採用広報、教育機関の学生募集を総合的にサポートする学校広報事業を手掛ける。日本語学校に通う留学生に、大学や専門学校を紹介する外国人留学生向け事業も2009年から展開している。木村勇也社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

採用広報を通じて企業と留学生と学校がwin-win-winの関係になることを期待する木村社長

採用広報を通じて企業と留学生と学校がwin-win-winの関係になることを期待する木村社長

―初値が付かなかった
率直に言って身が引き締まる思い。投資家の支持を集め信じてもらっているため、しっかり受け止めて着実に要望に応える業績を上げていこうという使命感でいっぱい。

―このタイミングでの上場はなぜか
学校といった法人との取引を拡大していくためには社会的な信頼性が必要で、先代から検討していた。人口動態から見て外国人留学生は間違いなく広がっていく。2009年から始めた留学生向け事業で私たちが強みを持ち始めたため、機が来たと踏み切った。

―プロモーション事業は
主に住宅や不動産、ケーブルテレビ、広告業界などを扱う。個人情報を扱った発送物制作からスタートした。個人情報管理を基軸として、印刷、発送、コールセンターを持つ作業センターを作り、提案から発信まで一貫して手掛けている。多様な広告商材があり、協力先企業と連携して取り組んでいる。

―デジタル化への考え方は
IT商材は多種多様なので、自社開発は考えておらず、スキルを持った協力企業との将来的なアライアンスを含め、もっと融合していきたい。インターネットだけで広告をしている会社はあまりないので、根幹にある考え方としては、紙媒体とデジタルメディアの組み合わせが重要だと考えている。今まで培ってきた紙とイベントとデジタルを3本柱として太くしていきたい。

―アライアンスにはM&Aも
現時点で具体的に何かあるわけではないが、長期的には可能性として視野に入れている。

―採用広報事業について
採用広報事業は主に新卒学生向けに就職イベントを展開し、人と企業をリアルにつないでいる。就活イベントを年に200回以上開催し、人材紹介事業にも本格的に着手している。売り手市場で、例えば特定の学部や専攻、業界、技能など、テーマ別のイベントを開催し、企業がすぐに欲しい人材に直接リーチできるようにして、採用業務の効率化に寄与している。

学生側としては、「この業界の特集」というもののほうが足を運びやすい。企業から見ても、参加人数が少なくとも、興味を持っている学生がいれば引き寄せたいというニーズが強い。

―学校広報事業とは
学校広報事業は、WEBサイトや出願システムの制作や、新聞や交通機関での広告の企画など、学生・生徒募集のプロモーションを手掛けている。例えば新聞の一面を買い取り、広告枠を各校に提案して販売から拡販して、取引先を増やしている。

―事業の特徴は
安定的な取引法人数も特徴。2017年9月期は2296法人と取引しており、7割の顧客と3年連続で取り引きしており信頼を得られている。

安定取引の理由の一つは、拡販フローによる信頼感の醸成がある。新聞や交通機関を使う連合企画という大型の広告企画の際に、同一業種に一斉に拡販し、社内で情報を共有して業界を熟知する。その後、各社に個別案件としてニーズに合わせた商材を提案している。

もう一つはイベントスペースの保有にある。青山一丁目など全国4ヵ所にオフィス併設の形で、中小規模のイベントを多頻度で開催できる。新しい企画をリスクフリーで立案し、追加日程・開催に柔軟に対応可能で、準備や片付けなどの効率が良い。ニーズにあった距離が近いイベントを行う。

―イベントスペースを作るきっかけは
リクナビ、マイナビという二大巨頭があり、WEBは難しかったため、イベントのノウハウを高めていこうとしていた。出展者と学生の距離感が近いイベントを手掛け、より引き合いの強いものは何かと考えた。小規模でテーマ別に特化したものが引き合いが強いと分かったが、効率が悪かったので、自社でスペースを作ったところ、高稼働で収益ベースに乗ったため、3ヵ所を増設することになった。

―今後の成長戦略は
外国人留学生向けのビジネスの拡大。2009年から、イベントノウハウと、大学・専門学校との取引実績を活かし、日本語学校生向けの進学イベントを開催している。日本語学校生からすると、より高度な教育機関に進むための情報収集ができるということで急拡大し、全国の95%の語学学校と協力している。年間2万人を超える留学生を動員し、行政機関からの引き合いも増えている。

今後は、留学生向けの生活情報を発信しつつ採用広報につなげ、留学生に企業を紹介し、イベントに動員してマッチング頻度を高めていきたい。すでに複数の大学と連携し、在籍する外国人大学生向けのキャリア教育を行っている。日本の就職活動対策により、成功確率を高める。

―生活情報とは具体的にどんなものか
日本語学校から大学や専門学校へ移る際に転居が必要な学生のための住宅・転居情報、海外送金を中心とした金融機関の情報、資格外活動としてのアルバイト情報などの引き合いがあり、クライアントから掲載料を受け取る形で実現している。日本語学校や企業の意見を基に、日本語学校生に向けたビジネスを展開していきたい。

「アクセス日本留学」というサイトのリニューアルで生活情報を掲載する枠を設定した。情報提供により日本語学校生の利便性を高めつつ、WEBサイトとしての広告出稿を募るビジネスモデル構築に着手している。

―留学生向けビジネスの売り上げに占める割合は
現状で、留学生向け事業は学校広報事業に含まれ、学校広報の売り上げの3割を占めている。採用広報事業は、足下ではまだ国内向けの売り上げが多いが、留学生向けの採用広報でも近い将来3割ほどに高められるのではないか。

―中長期的に見た事業バランスのイメージは
三つの会社に分けている以上、全てを盛り上げていきたい。客観的に見るとプロモーション事業と採用広報事業に延び代があると捉えている。学校広報はマーケットが限定的であり、着実に企業体質を高めて利益を出す。

―資金使途は
主にソフトウェア開発に充てる。WEB系を中心とした情報ツール提供を主軸に考えている。採用広報では転職マーケットへの参入を少しずつ始めているし、日本語学校生向けのサイトの充実も考えている。イベントと連動した仕組みを提供できるようにしたい。

―第二新卒分野にも参入するようだが
現時点で言えることは、特に第二新卒分野については、人材紹介に力を入れていく方向ということ。求人媒体として掲載費を取るというよりは、マッチングしやすいようなものを商品開発して出稿していきたい。

―配当政策について
配当性向30%での定期配当を考えている。株主優待はまだ構想にないが、将来的には検討していきたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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