CAPITAL EYE

株式・債券の発行市場にフォーカスしたニュースサイトです。

VALUENEXの中村社長、「アルゴリズムで意思決定に資する」

30日、VALUENEXが東証マザーズに新規上場した。初値は公開価格の1840円を133.70%上回る4300円で、終値もこの値だった。独自開発のアルゴリズムを基にした特許・文書情報などのビッグデータ解析ツールの提供と、それを用いたコンサルティングサービスやレポート販売を手掛ける。中村達生社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

「いろいろな情報を解析して結果を出す」と事業コンセプトを説明する中村社長

「いろいろな情報を解析して結果を出す」と事業コンセプトを説明する中村社長

―初値が公開価格を上回った
非常にありがたい数字と感じている。期待感を持って迎え入れてもらえたと考えている。上限ぎりぎりの数字で、しかも最後の数分ぐらいに決まったようなので、うちらしいかなと思った。

―足元の業績は
2018年7月期の売上高は5億700万円でコンサル事業の比率がまだ高い。今期は6億円強の売り上げを見込んでいる。

―事業の特徴は
アルゴリズムによるビッグデータ解析を手掛け、大量の情報で知を創造する。同質の情報ではなく、技術や商品、マーケット、ファイナンスといったいろいろな情報を組み合わせる。例えば、投融資の判断に使えるデータを的確に算出できる。誰が行っても客観的に同じ評価が得られればお金が回りやすくなる。現状では技術、マーケット情報の解析をメインにしている。

具体的には、顧客にソリューションを提供し、未来にどんな商品をつくればいいのかといった意思決定に資する取り組みをする。データ解析ツールの提供と共に、必要であればコンサルティングサービスを提供し、最終的には顧客自身が解析できるようにすることをミッションと捉えている。アルゴリズムは非常にシンプルで、情報を可視化する際に正確に大量の情報を並べていく処理手順を指すが、応用範囲が広い。

特許情報を解析すると特許周りを俯瞰する図を見つけることができるし、マーケット情報を使うと新しいレビュー情報やセグメントが見えてくる。製品の情報を解析すると、どのような会社の製品が競合するか分かる。メトリクスやランキングを作ることができる。

例えば、現場で考えていることを図示して経営層に伝えることもできるし、経営層が持っているビジョンを現場に示して共有し、コミュニケーションツールとして使うこともできる。大手企業のなかには、社長直轄の情報解析部門を持っているケースもある。

―顧客の状況は
日本の大企業が多い。メインはメーカーだが、研究開発戦略を作り、技術に立脚した商品を作る上位500社がターゲット。うち190社がサービスを利用している。グローバルサイドでの引き合いが増えている。

―事業戦略は
マルチセクター戦略がある。これまで製造業を中心にビジネスを行ってきたが、文部科学省や特許庁といった官公庁が利用するようになった。ヘルスケアやファイナンスといったサービス産業にも注力しつつある。ファイナンスでは2年前に三菱UFJモルガン・スタンレー証券と業務提携し、アナリストレポートを我々の解析技術を使ってリリースしている。ヘルスケアは、産業構造が治療から予防に変わると見ており、薬品メーカー以外が関わってくるため、協業先や競合を可視化する手伝いをしている。

―リーガルとポリティクスも事業対象にしている
非常に有用性が高い分野と考えている。リーガルの一分野に判例情報の解析がある。今、弁護士は訴訟案件に対応する際に判例を探しにくい状況にある。また、判例の組み合わせが探す人によって異なる。その際に判例情報同士の関係を可視化し、正確に見つけてくると裁判の時間を短縮できるのではないかという印象を持っている。

ポリティクスは論理だけの世界ではないので一筋縄ではいかないと思う。だが何年か前に中東の新聞社の人と話した際、日本の政治系のドキュメントは有用であると指摘された。そうであれば我々自身が関係性の解析をするべきではないかというのがきっかけ。ドキュメントはたくさんあるので、いつかそちらを手掛ける日が来ると考えている。

―海外の事業展開は
グローバルなマーケットへ訴求し、シェアを取っていく。マーケットのサイズが大きく、解析事業は日本に比べて欧米のほうが3年半ほど進んでいると認識している。しっかりシェアを取っていくことで日本にフィードバックできると考えている。

―具体的な施策は
いくつかの既存のマーケットに新しい手法があると言って入っていく。日本の知財ビジネスは既に確立した世界で、新しいサービスを導入することが不可能な状態からスタートした。グローバルでは、新しい物に飛びつく文化があるので、知的財産分野で活動している。数年前の海外、特に米国は、研究開発を行わないのに特許を集めて、特許権の行使により料金などを取るパテント・トロールが暗躍する世界だったが、特許を解析することで知的財産権を防御できるし、正しい取引ができることを言い続けてきたらそういう世界ができはじめた。

―資金使途は
工藤郁哉取締役:子会社の財務体質強化のために増資をしたい。アルゴリズムの研究開発体制を充実させるための人材獲得にも充てる。クラウドの機能改善や適時開示のために会計システムにも投資する。今年も10人以上採用したため、本社の拡張を行い、会社の知名度向上にも活用したい。

―配当について
会社の成長ステージは投資フェーズ。重要な経営課題と認識しているが現時点では検討段階にある。

―ファンド保有株式の売却について
我々の希望について、市場への放出は控えてもらいたいと伝えている。ウエルインベストメントの瀧口匡社長と中村(社長)とは10年来の知己がある。

―技術の進展と事業の方向性について
中村社長:次世代のサービスをどんどん作っていこうと考えている。AIの次に来るもの、本来のAIといえるものかもしれないが、そういった取り組みは既に開始している。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


CAPITAL EYE © 2016
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社キャピタルアイは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社キャピタルアイ及び情報提供者に帰属します。本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。