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リーガル不動産の平野社長、「その物件、その場所に最適なものを」

23日、リーガル不動産が東証マザーズに新規上場した。初値は公開価格の1360円を42.90%上回る1972円で、終値は1910円だった。仕入れて価値を高めた不動産や自社開発マンションを売却する不動産ソリューション事業や賃貸、コンサルティング、介護などを手掛ける。不動産関係者や士業と共同事業を行うリーガルパートナー制度と、デベロッパーには珍しい完全成果報酬制を採用する。平野哲司社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

リーガル不動産 平野社長②

「不動産ビジネスにインテリジェンスを」と話す平野社長

―初値が公開価格を上回った
マザーズに上場できたことが最大の喜ばしい出来事。株価自体がどうであるかはマーケットに決めてもらうことでコメントするものではないが、少しでも株主に喜んでもらえることもあるだろうし、私自身今までよりも、もっとしっかりとビジネスを行い、業績を高めていきたいという気持ちになった。

―上場を明確に意識したのはいつ?
3年10ヵ月前だった。業界の先輩に勧められて、2015年の年明けに目指してみようかなと思った。その半年後に準備を始めた。自分のなかで永遠に潰れない会社を作るという目標があった。新しいマーケットを創造するために常にチャレンジする会社でありたい。現状維持を考えた時点で企業は衰退を始めると考えており、チャレンジを続けるために、ヒト・モノ・カネという経営資源をいかに調達するか考え、上場に至った。

―事業の特徴は
柱の一つはソリューション事業で、問題解決のプロセスを事業としている。不動産特有の問題に積極的に取り組み、解決するなかでその価値を高め、収益性を上げていく。マンションやビルだけでなく、住宅や商業開発、土地活用、用途変更など全てに挑戦して、その土地、その物件、その場所に最適なものを考えて姿を変えていく。二つ目は不動産賃貸事業。少し問題がある物件を購入して問題を解決し、収益性の高い物件を保有して賃料を得る。これが経営安定化に資する。また、創業事業の不動産コンサルティング事業のほかに、滋賀と京都で5ヵ所の介護施設運営を手掛けている。将来の事業の柱になっていくのではと考えている。

―販売事業と賃貸事業の割合は
賃料収入で販管費を賄えるため、利益ベースで半々にしていきたい。現状では賃貸事業が45%となっており、ほぼ販管費を賄える状態にある。

―足元の業績は
2019年度7月期の予想では売り上げ高が前期比約30%増の252億円、経常利益は9億4300万円を見込んでいる。

―事業の強みは
業績を牽引しているのが富裕層をターゲットにした高級賃貸マンションシリーズ「リーガランド」の開発。立地を重視し、東京の都心10区、山手線の内側や外周部、城南、城西エリアで展開しており、引き渡し済みが37棟、開発中が28棟。東京圏で65棟の実績がある。

個人富裕層の相続問題のソリューションとして商品を作り上げている。売却価格は3~5億円ほどで、相続対策としてちょうど良い価格帯になっている。10~15戸で4階建てとコンパクトにし、建築・メンテナンスコストを抑えている。外観もコンクリート打ちっぱなし、モノトーンのスタイリッシュなデザインにして賃借人にもオーナーにも喜んでもらっている。

―相続市場の展望は
相続については、まだニーズが少なくマーケットはニッチな状態だが、1947年(昭和22年)生まれの200万人以上の団塊の世代が、10年後に80歳を超える。団塊の世代は40代だったバブル期に蓄えている人たちが相当数いるので、相続の問題が顕在化する。10年後以降、リーガランドが必要な時代が来ると確信している。それに向かってこのマーケットのトップリーダーになる。シェアを高め、ドミネートする戦略を考えていきたい。今から認知度を高めて、これまでの実績を踏まえ、フィードバックで住環境をより良く、よりコストを下げるといったことに取り組んでいく。

―リーガランドの関西での展開は
関西では4棟あるが、公法上の規制が厳しく展開できる場所が限られている。地方の人でも東京の物件を好む傾向があり、どちらかと言えば東京のほうで積極的に進めていきたい。

―介護事業との相乗効果は
もともとシナジーがあると考えている。介護事業は社会貢献的な面もあるが、入居者は高齢者なので、将来相続の問題を抱えている。実際に持ち家の売却の相談や、リーガランドのマンションを買いたいという効果を見込む。将来の見込み客と認識し、実際に2~3件ほど実績が出ている。まずは関西で棟数を伸ばしていき、しかるべきタイミングで東京にも進出したい。

―リーガルパートナー制度はいつ頃から始めたのか
始めて1年半ぐらいになる。今日現在118社が会員になっている。不動産を持っている人ではなく、保有者に近い所にいて不動産に関する情報をコントロールできる人と共同事業者になる。寄せられる情報を基に年間10件ほどの物件を仕入れており、事業利益の確定後10~25%を還元する。全体の半分は不動産企業のOBなどで、保険会社やFPもいる。弁護士や税理士などの士業は2割ほどを占める。

―完全成果報酬制について
合理的な施策と考えている。固定給を最小限にして、年3回の賞与を成果に基づいて営業社員に支払う。4ヵ月ごとの営業成績に対し細分化した指標を設定している。もともと不動産の任意売却の仲介をメインに行っていた当時の制度をデベロッパーに変わっていくなかで維持した。仲介料以外の賃料収入や不動産売却益にも、指標を設定して成果として認めてきた。仲介からデベロッパーに変わる会社も、歩合制を維持する会社も極めて少ない。

社員は自分が社長のような感覚で儲かる物件を探し、入口から出口までプロジェクトを一気通貫で手掛ける。貢献度について具体的かつ明確な指標で評価されることが分かるので、合理的と考えている。会社に対するロイヤリティが低いのではと言われることがあるが、見ていてそうは思わない。会社に対して不正をするのではないかと問われることもあるが、高い報酬を払っており、そのようなことをする必要がない。一回のボーナスで1億円以上払ったケースもあるし、年収1億円を超える人も結構いるので、やればやるだけというのが我々にとっていいのではと考えている。

―中長期的な成長イメージは
3年後、5年後、10年後を見据えて新しい価値を不動産のマーケットに投入していく。企業としての成長についてはこれからじっくりと考えていく。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]

 


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