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プリントネットの小田原社長、「対応品質が一番の強み」

18日、プリントネットがジャスダックスタンダードに新規上場した。初値は公開価格の1400円を45.79%上回る2041円で、終値は2199円だった。Webサイト上で、顧客からの受注と同時に印刷用データを受け取り、国内工場で印刷・加工をしたうえで、顧客に向けて発送するネット印刷通信販売を手掛ける。小田原洋一社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

小田原社長

来期以降、シェア拡大に向けて広告宣伝に取り組むと話す小田原社長

―初値が公開価格を上回った
投資家の方々の思いのある価格なので、しっかり心に刻みたい。

―上場の狙いは
上場をスタート地点に、思い切った投資をしてシェアを取っていく。5~6年ぐらい前から上場を意識していた。印刷業は装置産業で、設備投資が先にあり、後で売り上げが立つ。どうしても大型設備投資が必要だが、なかなか自己資本比率が高くならない状態が続いていた。上場を準備するなかで、いろいろな方のアドバイスがあり、売り上げと経常利益が伸び、自己資本比率を伸ばすこともできた。

―事業の特徴は
印刷工場を、年末年始の5日間を除く24時間体制で稼働させている。工場の設備を止めないため、高い生産効率と大幅なコストダウンで粗利が30%ほどになっている。また、従来の印刷会社の業務工程には、企画や打ち合わせ、デザイン、校正があるが、完全な入稿データを工場で印刷している。この5年間の売り上げの平均上昇率は20%。経常利益率は直近で約10%となっている。

―事業の強みは
コールセンターがある。印刷通販の場合、顧客からの細かい指示や変更指示があり、コストをかけてきめ細かなサービスを提供する。コールセンターの顧客対応品質は他社に比べて一番の強みと考えている。

赤江地衣常務取締役:センターでは、専門の知識を持った担当者が部数の変更などに対応するほか、送付された印刷データと顧客からの指示が食い違う場合などには、顧客に電話をかけて確認するといった対応もする。

小田原社長:もう一つの強みは工場にある。九州工場と2つの東京西工場は、色に関するジャパンカラーという認証を取得している。審査があり、2年更新であるため、メンテナンスや社員教育により印刷品質を維持している。

今年4月からプリントプロという価格を抑えて顧客ニーズに応えた受注用のサイトを作った。顧客の発注から印刷直前までの工程を自動化し、印刷品質を落とさずに業界最低水準の価格帯のサービスを実現している。

―事業戦略は
印刷業界は自動化が進んでいない。ロットの大小に関わらず、印刷から発送まで自動化を進めていきたい。品質を落とすことなく、価格の面でも顧客の要望に応えていく。

―プリントプロでの設備投資は
赤江常務取締役:自動化を自社開発で進めている。
猪俣裕貴経営企画室長:大きくシステム自体を変える必要はないが、利便性を高めていくことが自動化を進めていくうえでの課題ではある。例えば自動化で対応する入稿データの種類を、現行のPDFからワードやパワーポイントなどに広げていくための社内体制構築を想定できるが、それほど大きな投資にはならないと考えている。

―関東工場増設でどう変わる
赤江常務取締役:現在の3工場体制の生産能力が上限に近付いている。ネット印刷の場合、3月と10月が繁忙期で、売り上げが最も少ない時期の1.5倍になる。大きな波があるため、繁忙期にも設備に余裕を持たせ、新規顧客を受け入れシェアを拡大する。現状のシェアは、ネット印刷市場での推計920億円のうち8.5%を占めている。

―生産能力はどのぐらい上がるのか
いまの売り上げがオフセット印刷機8台体制で70億円強。新工場の敷地面積は印刷機が8台収まるものを想定している。建屋には4台入る想定だが、仮に増設して8台入れると、現在と同程度の売り上げとなる。

関東周辺で土地を探しており、来期に土地を取得し、再来期の3月前の稼働を目指す。

―ラクスルとの関係の今後は
ラクスルの売り上げの伸びと同時に弊社の売り上げも伸びている。依存度が高いのは認識しており、リスクにもなるため、自社サイトからの直接の売り上げを伸ばしていきたい。

―中長期的な経営目標
目先はシェアを高めることを優先する。配当を考えていくうえで、経常利益率は10%超を目指す。

―株主還元は
設備投資が一段落した段階で配当を検討する時期が来ると考えている。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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