CAPITAL EYE

株式・債券の発行市場にフォーカスしたニュースサイトです。

ワールドの上山社長、「株価を強烈に意識した経営を」

ワールド 上山社長②

「我々のブランドだけのために頑張ってきたプラットフォームを使ってもらいたい」と話す上山社長

28日、ワールドが東証1部に新規上場した。初値は公開価格の2900円を5.00%下回る2755円で、終値は2680円だった。「Untitled」などのブランドを展開し、直営店舗とEC、専門店2488店で販売する。2005年にMBOで東証1部の上場を廃止したが、13年ぶりに資本市場に復帰した。上山健二社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

―初値について
株価については、投資家の皆様の厳しい評価として厳粛に受け止めている。上場させていただいた以上、強烈に株価を意識した経営をしていきたい。顧客の期待に応えると同時に投資家の期待にも応えていく。

―強烈に株価を意識すると大胆なことはできないのではないか
13年前の環境とは一概に比較できない思う。強烈に株価を意識するというのは上場した会社としては大前提となる話。大胆なことをできるかどうかというのは、いまの計画をしっかり実現し結果を出していくことを重ねながら、必要な投資をしていくことにつながっていくと思う。

―上場の狙いは
今後の成長資金で、総合基幹システムを刷新し、より力強いものにするということに100億円、M&Aに200億円を投じる。グループに入った企業にも我々のプラットフォームを使ってもらい、コア営業利益(IFRSに基づく売上総利益から販売費と一般管理費を差し引いて算出した、日本会計基準の営業利益に相当する数値)の水準を引き上げ、高めた利益を株主に還元する。

―MBOで実現したことは
多業態・多ブランドのこのビジネスで安定的に業績を拡大していくために、利益拡大に貢献する再現性のある仕組みとしてプラットフォームを拡充してきた。店舗や内装などの「空間」や、商社・製造機能などの「生産」、2500店舗を運営する社員教育など「販売」、ECや物流など「デジタル」がある。商品の企画開発・生産・販売というリアルビジネスを担う基幹システムを作ってきた。ここへきてシステムが整ったと同時に業績もコア営業利益が159億円となり、売上高比率では6.5%と高い水準となった。

―MBOをしたからこそできたことは
ショッピングセンターへの出店が一つ。いまの販売プラットフォームの基礎になっている。ECモールを運営するファッションウォーカーを買収したことは、ECプラットフォームの礎になっている。生産プラットフォームなどもM&Aで作り上げてきた。

―デジタルプラットフォームへの投資でネット販売を強化をするのか
デジタルプラットフォームは、ワールドグループのECの売り上げだけを伸ばすわけではない。企画開発から販売までの一連の流れを扱う基幹システムを他社にも利用してもらう。投資先の会社に使ってもらうことで利益を上げてもらう。

―プラットフォーム事業のライバルは
ファッションアパレルのプラットフォームをしている企業は他にはないと思う。デジタルのプラットフォームとはECのみを指しているものではなく、製品の品番管理であるとか、何枚作るとか、どんな商品が市場で当たるか、店舗でどの商品がどのくらい必要かなど、顧客に商品を手に取ったもらう瞬間までをカバーする基幹システムをデジタル化していくもの。過去にも取り組んできたが、今後刷新していく。

ZOZOやAmazonと、どう伍していくのかと聞かれることがよくあるが、リアルの経験に基づいたシステムなので方向が少し違う。我々の159億のコア営業利益と2500億円弱の売り上げは60のブランドで作られる。小さいブランドの集合体なので、大きなところにも使ってもらいたいが、中小のブランドに使ってもらいたい。

―プラットフォームは消費者から見えにくい
例えば、空間プラットフォーム分野についていえば、我々は国内2500店舗の什器や内装を自前で作っている。これを同じ業界や例えばホテル業界に利用してもらうというケースがある。

―RFIDの導入はあるか
一つの選択肢ではあるが、最終的な決断はまだ。
中林恵一常務執行役員:CRMの分野はあるが、いまの予算には入れていない。

―生産や販売支援のプラットフォーム活用はこれからの話か
鈴木信輝専務執行役員:ニーズはあり、実際に提供している会社も出てきている。システムを作りながら提供している形になっており、今後、調達した資金を含めて投資しながら安定的にスピードを上げ、ニーズを満たしていく。需要が多いのは在庫管理の場面。POSをより廉価に利用するニーズも強いと考えている。現状は外販を一部始めている状況。

―市場環境をどうみるか
上山社長:ファッション業界の成熟化が進んで競争は激化し、オーバーサプライ、オーバーストアの状況にある。3年前から構造改革に取り組み、低収益店舗やブランドを削減しコア営業利益率6.5%を実現した。競争激化、牽いては業界再編が少なからず起こり得るなかで、私どものプラットフォームを使っていただけるチャンスと捉えている。

―M&Aのターゲットは
M&Aは3種類ある。60のブランドを展開し、チャネルも多岐にわたり、アパレルは相当程度押さえているため、バリューチェーンの周辺にある非アパレル分野を対象とする。アパレル分野では、事業承継や再生案件の相談が寄せられているが、日本政策投資銀行との共同出資で作ったファンドを通じて対応している。コーポレートベンチャーキャピタル型の出資形態で、デジタル系の先進的な企業にも投資している。

―海外展開は
30年来アジア展開をしてきたが、グループに利益貢献してきたものはなく、最近、合理化を進めながら利益を出せる体質になってきた。先般タイのサハ・グループとジョイントベンチャーで「takeo kikuchi」ブランドを立ち上げたように、今後は合弁でコストを抑え、現地との密接な協力の上で展開する可能性はある。

―配当政策は
鈴木専務執行役員:ROEを最重視しており中長期的には10%を維持していきたい。その時々に必要な配当政策を実施していく。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


CAPITAL EYE © 2016
本情報の正確性には万全を期しておりますが、情報は変更になる場合があります。 また、第三者による人為的改ざん、機器の誤作動などの理由により本情報に誤りが生じる可能性があります。 本情報は、情報の提供のみを目的としており、金融商品の販売又は勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての最終決定は利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 本情報に基づいて行われる判断について、株式会社キャピタルアイは一切の責任を負いません。 なお、本情報の著作権は、株式会社キャピタルアイ及び情報提供者に帰属します。本情報の転用、複製、販売等の一切を固く禁じております。