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SBIインシュアランスGの乙部社長、「地域の金融機関と提携」

SBIインシュアランスG 乙部社長①

地域の金融機関の販売窓口としての信頼性について話す乙部社長

27日、SBIインシュアランスグループが東証マザーズに新規上場した。初値は公開価格の2160円と同額で、終値は1998円だった。SBIグループの保険事業を統括する持ち株会社。乙部辰良社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

―上場の狙いは
資本市場にアクセスするため。保険事業は規制業種である以前に顧客の安心を提供する事業なので財務基盤がしっかりしていなければならない。基準は満たしているが、さらに飛躍的な成長のために資本市場から資金を調達し、ソルベンシーマージン比率を引き上げていく。

マージン比率は全社ベースで1000%を超えており問題はないが、損保は350%強とまだ低い。公募増資で700%超の水準まで引き上げる。地域金融機関との提携を進める上では相応の水準が必要と考えている。

―足元の業績は
保有契約件数を順調に伸ばしている。割合が3セグメントで3分の1ずつとなっており、十分なリスク分散ができている。

―事業の特徴は
収入保険料の98%がネット販売の自動車保険。比較サイトで一番安い保険料が表示される。既存の保険会社よりも幅広い補償範囲で保険料は安い。

第2の経営の柱はがん保険。例えば、アフラックは一時金と入院時の日額1~2万の定額給付だが、私どもは掛かった治療費を全額填補する。高度先進医療、自由診療など、お金の心配なく世界最高水準の治療を受けられる。補償範囲は広い。重粒子、陽子、ゲノム医療など保険が効かない治療でも全額支払う。それにも関わらず、40代男性が月々900円。地方金融機関のトップと話すと、実際に扱うかは別として個人的に加入するという声もあり、いい手応えではないかと感じている。

加えて、金融機関が住宅ローンを提供する際の住宅ローン団信(団体信用生命保険)を大きな成長の柱としている。

―団信に注力する意図は
住宅ローンの債権回収をカバーするBtoBの保険で、市場規模は185兆円。マーケットシェアは日本の大手4社で3分の2を占めるが、共同で引き受け、一律の料率で各金融機関に販売している。地銀は住宅ローンで競争が激しくなっており差別化を望んでおり、団信のカバー範囲や料率での差別化ニーズがある。このニーズに応えてきたのが外資のカーディフとクレディ・アグリコル。私どもは3番手で参入した。

事務費が安いので保険料を安くできる。また、SBIグループが地銀との提携関係があるため働きかけがしやすい。飯能信金や豊田信金、神奈川信金、西武信金、住信SBIネット銀行の5つの金融機関が利用しているほか、次々と内定しており、広がっている。

―事業の強み
価格競争力の面では、インターネットやフィンテックを活用して事業費を極力抑える。それを保険料に還元してどこよりも安い保険料を設定する。顕著なのはSBI損保の自動車保険。代理店販売はもとよりダイレクト損保と比べても事業費割合は低く業界最安値となっている。

SBIグループとのシナジーについては、グループ各社の顧客が今年3月期で2347万人であり、この顧客基盤に対してプロモーションを行い、広告宣伝費をかけず保険料も安くできる。各会社間でのクロスセリングも可能。例えば、生保加入者に損保のがん保険を紹介する。

グループのインベストメント部門が国内外のフィンテック関連の多数のスタートアップに投資している。他社に先駆けてアクセスし提携して新技術を取り入れ、新商品を市場に出していけるのではないか。

地味ではあるが、ビッグデータをAIで解析し、損害率を改善したり営業効率を上げている。ビッグデータ解析では、保険のオプションの提案を好む顧客とそうでない顧客を分析して、契約単価を高める提案をしている。継続率9割だが離脱する1割を手厚くケアしたり、類型化した不正請求の特徴を察知して調査するなど、事業費を抑え保険料に反映させている。

生保では、ヘルスケア企業と提携し体重や体脂肪率といったバイタルデータや、運動量などに応じて保険料を割り引く商品を開発している。データ収集など開発に時間と経費がかかるため提携により、他社に先駆けて商品化したい。

―今後の事業戦略は
ネットで保険を売っているが、契約者のなかには高齢者もいる。また、医療、がん保険などはニーズが顕在化していないため、ネットだけでは情報を届けられない。リアルなチャネルとして、地域の金融機関と提携して保健商品の販売をお願いするために、この1年で100を超える地銀や信金を回っている。安くてカバー範囲の広い保険を届けたいと考えている。

―対面販売はしないのか
大勢の営業職員を抱えると人件費が事業費になる。トータルの保険料を安くできているが、これを損なっては元も子もない。そこで外部との提携が重要になる。地域金融機関は地域住民の信頼も厚く、対面販売チャネルとしては魅力的。金融機関側には役務取引で利益を上げたいためwin-winの関係を築けるのではないか。

―M&Aで魅力的な分野は
保険事業は規模拡大が経営を安定させ、さらなる成長につながる構造になっているため、同業のM&Aで規模を拡大してボトムラインの成長につなげる。シナジーを期待できるものがあれば積極的に取り組んでいく。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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