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ブロードバンドSの持塚社長、「サービスプロバイダーに徹する」

26日、ブロードバンドセキュリティがジャスダックスタンダードに新規上場した。初値は付かず、公募価格である750円の2.3倍となる1725円の買い気配で引けた。発行体は企業・官公庁向けのセキュリティサービスを提供する。持塚朗社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

ブロードバンドS 持塚社長②

AIの導入による生産性と収益性向上について話す持塚社長

―初値が付かなかった
大変高い評価をしていただいたこと、期待を寄せていただいたことについて身が引き締まる思い。期待に応えるべく精一杯取り組むだけだと考えており、ありがたいと感じている。

―足元の業績は
売上高が2ケタ台で増加しており、黒字転換後も営業利益が拡大している。顧客数は昨年に708社となった。大日本印刷や、四国電力の子会社であるSTNetなど大手の代理店が販売しており、代理店分の顧客数が増えている。

―事業の特徴と強みは
製品販売ではなくサービスのプロバイダーに徹する。独立系の会社として物を売らずに、セキュリティをどうすれば良いのかという役務提供型、クラウド型のサービスのみを提供する。リスクの可視化と社員のセキュリティ教育、ソリューション構築と運用まで一気通貫で引き受ける。

クレジットカード業界に強い点が特徴。PCI DSSという基準がある。国際基準で認定を得た監査会社として、クレジットカードを扱う企業のチェックを行う。

WEBだけでなくネットワークやIoT機器、スマートフォンアプリのセキュリティ上の弱点(脆弱性)を診断する。情報漏洩の対策サービスも行う。悪質な動作をするマルウェアを分離して影響が及ばないようにするサービスなどを提供する。24時間365日のIoT機器監視業務も行う。

強みは、独立系企業として中立的に、顧客にとって最適なサービスを提供すること。社内に専門組織を持ち、技術の進歩にキャッチアップして高い技術力を蓄積している。また、セキュリティ監査資格保持者数が国内トップクラスとなっている。

―今後の成長戦略
韓国で6年前に始めたクレジットカード取扱企業向け監査サービスのシェアが9割となっている。昨年から他の国についても調査し、東南アジアでもニーズがあるため、アジアでナンバーワンを早期に目指す。

また、収益性を向上させていく。AIを脆弱性診断に投入し、顧客数拡大と納期短縮によって生産性を上げる。常時監視業務も管理者を人からAIに置き換えていく。

―事業上の課題は
NRIセキュアテクノロジーズやラックといった競合他社のサービスを利用する大企業を我々の顧客にできるのかという点。また、セキュリティ予算が限られる中小企業向けにサービスを開発できるかにある。以前は1000万円で提供したサービスが200万円できるようになった例もあり、技術の進化でサービスコストは下がる。より多くの顧客に使ってもらえる仕組みをどれだけ短期間で開発できるかがキーになると考えている。

―人材戦略について
地方拠点を作り、人材を募る。脆弱性診断の一部は地方拠点に移管することが可能であるため、首都圏で働いているが地方に帰りたい情報系の人材に、地方で働いてもらうことを検討している。

より専門的な人材の採用については、セキュリティ業界の第一人者であるエルプラスの杉浦隆幸社長が先日立ち上げた「日本ハッカー協会」に加入した。ハッキング技術を持った人を世に出そうという協会で、人材を紹介してくれる。社員として採用できるため、今後、協会を通じて人材を獲得していく。

―競合も人材は欲しい
一定の業務上の制約はあるが、仕事以外の時間をどれだけ付与できるか、エンジニアは必ずしもお金だけではない。知識欲や向上心が高い人材が多いため、仕事だけではなく、研究したり調べることができる時間を労働時間内に作っていくことが重要と考えている。

―配当政策は
株価が付かなくて期待されているが、投資家の期待は今配当を出すことではなく成長の加速にあると考えている。当面は規模を拡大し、利益率を上げていくことに専念したい。営業利益を安定して5億円以上出せるようになったら、配当を実施していきたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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