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イーエムネットJの山本社長、「デジタルマーケティングの専門家を育成」

21日、イーエムネットジャパンが東証マザーズに新規上場した。初値は公開価格の3000円を133.33%上回る7000円で、終値は7250円だった。同社は全国の中小企業にインターネット広告サービスを提供している。山本臣一郎社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

イーエムネットJ 山本社長②

中小企業広告のデジタルシフトについて話す山本社長

―上場の感想は
予想以上の株価は率直に言って嬉しい。今後は責任を持って業績を上げていかなければならないという気持ちがある。

―高値の要因をどう捉えるか
ネット広告の伸びしろへの投資家の評価が高かったのではないか。特に運用型広告は、人手がもっとあれば、より大きな売り上げを作れる構造になっている。人材不足からくる市場の伸びしろに気付いた投資家に買ってもらえたと考えている。

―足元の業績について
2015年から2018年上期の売上高の年間平均成長率は11.5%、経常利益では37.1%となっている。

―業績見通しが保守的ではないか
上期下期のバランスが、47~48対52~53で、第2四半期が繁忙期。そこから業績をしっかり作っていきたい。

村井仁CFO:数多くの株主の期待に安易に背く数字作りや姿勢は控えるべきと考えた。着実にできることを数値化して進めていく。結果として当初の数字を上回る場合には、その情報を迅速に伝えていきたい。

―上場の狙いは
山本社長:ブランド力の向上が大きな目的の一つ。新卒採用に力を入れて、毎年10~15人を採用していきたい。

―事業の特徴や強みは
デジタルマーケティングの専門家育成が当社のビジョンだが、採用に苦労してきた経緯があり、2007年から未経験者を採用し育成する方針に転換した。82人の全社員が業界未経験からスタートした。

運用型広告に注力している。広告を出して終わりではなく、我々がクライアントの代わりに、例えば検索にヒットするキーワードやURLを設定したり、効果を分析して運用・改善する。

通常、ネット広告の代理店では、営業担当者が仕事を獲得してくると、運用チームに引き継がれるが、当社では営業担当者が、配信や設定、分析、改善まで一気通貫で担当する。営業担当者の仕事の幅は非常に広いが、クライアントと密にコミュニケーションを取りながら、効果の出る広告を作り上げる。

新卒、未経験者の段階で、3ヵ月かけてネット広告の知識を習得させ、ヤフーとグーグルの認定試験両方に合格しないと本配属しないという社内ルールになっている。

業種ではファッション・アクセサリの割合が高く、店舗でのオーダーが必要になる物や高価な貴金属などを扱うクライアントの店舗誘導型の広告が多い。ネット広告市場では通常は東京からの広告出稿が9割を占めているが、当社のクライアントは3分の1が地方の中小企業というのが特徴。

紙媒体市場が縮小するなか、インターネット広告へのシフトが地方で起こっており、中小企業がメインの顧客になっている。中小企業の広告費が3兆3000億円といわれるなか、ネット広告の比率は6.2%。大企業では4兆6000億円のうちネット広告の割合が16.1%。今後のデジタルシフトを考えると、我々の成長機会として、3300億円の伸びしろがあると考えている。

ネット広告業界ではデバイスの変化があり、家電がWi-Fiでつながるなど新しいサービスが出てくることから、広告につながるようであれば積極的に参入していきたい。

―専任体制は親会社由来か、オリジナルか
2006年にトランス・コスモスの社員として、投資を判断するために、韓国のEMNET本社に行った際に、広告運用を専任する現場を初めて見た。利益率が非常に高いことに驚き、日本流にアレンジして取り入れた。

業務の効率化を考えると分業が良いかもしれない。ただ、顧客のビジネスやマーケットを理解したり、競合を分析することで、付加価値を付けながら広告を運用するため、結果的に広告効果が出やすい。

―地方での競合との差別化は
確かに競合はいるが、地方は皆さんが考えている以上にがら空き。ノウハウ的に地方の代理店ではネット広告の効果が出ず、現地の代理店やクライアントから相談を受けるケースがよくある。競合というより協業するというイメージ。提携の相談はあるが、将来的には可能性はある。

―広告戦略について
少なからず日本の社会に貢献できるように広告宣伝費を使っていきたい。イベントのスポンサーだったり、スポーツのイベントに対して何かできることをして、社会貢献をしっかりできる会社になっていきたい。

―株主還元は
未定だが、赤字を大きく作るビジネスではないため、利益をしっかり固めながら配当を出せる会社に成長していきたい。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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