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上場会見:ラクスル(4384)の松本社長、「産業をアップデート」

31日、ラクスル(4384)が東証マザーズに新規上場した。初値は公開価格の1500円を9.67%上回る1645円で、終値は1999円だった。同社は全国の印刷会社をネットワーク化し、パートナー企業に印刷を委託する「ラクスル」と、非稼働のトラックと荷主をマッチングして荷物を安価に配送する「ハコベル」のプラットフォーム事業を展開する。松本恭攝社長が東京証券取引所で上場会見を行った。

ラクスル 松本社長(2018531)

産業のアップデートを目指す松本社長

―上場初日の株価について
投資家の期待の表れと考えている。期待に沿えるようラクスル一同努力していく。

―上場の目的は
次の成長に向けたきっかけの意味合いがある。顧客や金融機関などステークホルダーからの信用を獲得し、さらに高い成長を実現していく。次の5~10年の成長の基盤として社会インフラであるプラットフォームを作っていく。20世紀の製販一体型の産業を、中小企業をインターネットでまとめ、顧客にサービスをダイレクトに提供する21世紀型の産業にアップデートする。

―事業の強みは
まず、従来の印刷会社や物流会社と異なり、アセットを持たないテクノロジー企業であること。社員の多くがITエンジニアやデザイナーで、WEBサービスのモノづくりを担ってきた。

印刷事業のオペレーションにも深く入り込んでいる。3台の自社印刷機で効率の良い印刷ノウハウを研究し、パートナー企業に提供し生産性を上げる。印刷用紙の共同購入を行いパートナー企業の印刷コストを下げている。

さらに、広告宣伝を代理店に任せるのではなく、企画と運用、効果検証のサイクルを循環させマーケティングを行う。この3点を全て内製化しているところに優位性がある。2018年7月期の業績予想は105億円の見通し。4年で年率平均93%の成長をしている。

―今後どう成長していくか
国内の商業印刷市場のオンライン化率はまだ3%だが、西欧では15%ほど。国内のアパレルや食品など他業界でのEC化率が10~12%台になっており、印刷分野でも拡大が見込まれ、それに伴い売り上げも大きくなると見ている。

また、広告や販促など集客支援サービスのプラットフォームも目指している。飲食店や不動産、美容院、鍼灸・マッサージ、歯科医院など中小規模の店舗向けにチラシやポスティングなど集客関連事業を行っている。集客支援サービスの売上高構成比は2016年7月期からの3年間で12.6%から16.2%に上昇している。

―もう一つのプラットフォーム事業は
荷主と物流企業をインターネットで直接つなげる「ハコベル」の利用が進んでいる。物流業界は非常に非効率な状況にある。運送会社は事前にどこに荷物を運ぶか知らされていない場合が多く、運賃が低い短距離の輸送でアイドルタイムが発生することが多い。「ハコベル」を利用することで全ての時間が可視化でき、無駄な時間がなくなる。空いている時間があれば1時間前でも受注できるため、運送会社からは評価を得ている。

―海外展開についてはどう考えているか
インドやインドネシアの、アセットを持たない印刷のスタートアップ企業に投資をしている。いずれも成長段階にあり、継続的に支援することで、将来的には自社グループに入ってもらうことを考えている。直近ではM&Aの予定はない。IPOで海外へ株式を売り出したことは、海外展開と直接関連するものではない。多くの投資家と話をするなかで、保有してもらうことになったことが理由。

―配当政策は
ROEを意識した経営をしていく。資金調達直後なので、しっかりと事業成長に投資をする。適切な株主還元はとても重要と認識している。内部留保とのバランスを考えて配当を実施していく。自社株買いを通じた株主への還元をすることを検討している。

ラクスル(4384)の情報はこちらでご覧いただけます。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]


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