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JICA、9月の次回ソーシャル債はアフリカ特化

ブルキナファソ・マリ小学校建設計画(写真提供:今村健志朗/JICA)

ブルキナファソ・マリ小学校建設計画(写真提供:今村健志朗/JICA)

国際協力機構(JICA)は、9月に予定している次回のソーシャルボンド(第50回債)をTICAD債として発行する。8月28~30日に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD=Tokyo International Conference on African Development 7)に合わせ、アフリカで進めている有償資金協力事業を資金使途とした債券とする。JICAがテーマを絞った債券を発行するのは初めて。主幹事は大和証券とみずほ証券、SMBC日興証券を指名済みで、年限は10年、発行額は100億円程度を予定している。

TICADは、1993年に日本が立ち上げたアフリカ開発に関する首脳級の国際会議で、2013年までは5年ごと、2016年からは3年ごとに開催している。2013年のTICAD5は横浜で、2016年の前回はケニアのナイロビで開かれた。日本政府のほか、国連、国連開発計画、アフリカ連合委員会、世界銀行が共催している。

オルカリアI 4・5号機地熱発電事業(ケニア、写真提供:久野真一/JICA)

オルカリアI 4・5号機地熱発電事業(ケニア、写真提供:久野真一/JICA)

JICAは2016年8月以降ソーシャル債を発行しているが、これまでの資金使途は機構の有償資金協力事業全体。今回のTICAD債は、2019年度のアフリカ向け出融資に充当する。分野は運輸や電力、教育、ジェンダーなどを対象にしている。

28ほどの案件が対象で、最近では投資家の賛同を得にくい石炭事業は除外した。具体例としては、男性優位な社会のエチオピアにおける女性起業家支援や、経済成長によって電力需要が増加する一方、依存度の高い水力発電が干ばつなどで不安定となっているケニアでの地熱発電事業など。ウガンダやカメルーンでの架橋や道路整備、タンザニアでの灌漑開発事業、チュニジアやモロッコでの水道事業なども含まれている。

セカンドオピニオンはこれまでのソーシャル債と同様に日本総合研究所から取得予定で、返済原資や政府との一体性・財務の健全性・SDGsの達成に向けたソーシャル債への投資意義といった枠組みも従来通りとなる。資金充当後のインパクトレポートの公開も予定している。

コンゴ・マタディ橋(橋は1983年に建設)(写真提供:久野真一/JICA)

コンゴ・マタディ橋(橋は1983年に建設)(写真提供:久野真一/JICA)

アフリカでは、SDGs達成の進展に遅れがあり、貧困(ゴール1)、保健(同3)、教育(同4)、平和(同16)などの分野で特に未達成が目立つ。地域では、サブサハラで顕著となっている。TICAD債の発行は、これらを含めたSDGs達成の「モメンタムを高め、後押しする意義がある」(JICA財務部)。理解や賛同を示す投資家の参加を得ることで、JICA債の購入層を拡大する狙いもある。

[キャピタルアイ・ニュース 菊地 健之]


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